しばらくハードな話題で財布も底をつき、ソフトなんだか、ハードなんだかソフトな話題です。
最近、ここ神奈川県の横浜市では地震が非常に多いです。去年あたりは富士山周辺なんかを興味深く眺めていたのですが、最近あまりに多いので、ちょっと気になって、8月末までの防災研のHinet(高感度地震観測網)データを用いてQGisで神奈川県周辺の地震のマグニチュード3以上の震央位置を落としてみました。
今年に入ってからの神奈川県周辺の震央位置です。
千葉県・茨城県もそこそこに多いのですが、画面中央よりわずかに左側、箱根の直近東北側付近でしょうか、伊豆半島の北側に密集している箇所があります。妙に今年に入ってから結構大きめの横浜市に住んでると結構慌てふためく程度の震度の地震が頻発しています。特に8月に入ってから急激に多く、いやーな感じです。8月9日の地震は特に揺れが大きく、マグニチュードで5.3です。
◯の大きさはマグニチュードなので、震度ではありません。そんなに大きいのもないのですが、直下型のマグニチュード3以上というのは結構来ます。
あれ、そういえば、と思い立って、1923年9月1日の関東大震災の震源どこだっけ、と調べてこのマップに落としてみます。確か、神奈川県内と記憶しております。
ポチッと、
赤い★マークが、1923年の関東大震災の震央です。
ちなみに「震央」とは「震源」の平面的な位置で緯度と経度の2次元で表され、これに対して「震源」は緯度・経度・深度からなる3次元的な位置情報ということになります。
なんと、近いっ!めっちゃ近いっ!最近頻発の地震。
マグニチュード3~5であれだけ揺れるのに、こんなところでマグニチュード7.9もの地震が起こったらそりゃたまりません。
ちなみに、震源震度は20kmというので、地震としてはかなり浅い方です。位置的にはもう完全な直下型です。
「直下型地震」というのは、簡単に言えば陸地の地面の下で断層がずれて発生する地震だそうで、地震学で明確な定義があるわけではなく、内陸や都市部のように人が住んでいるエリアが震源となって大きな被害をもたらす地震が主に直下型と呼ばれるようです。
実に近いですねえ。これだけ近いと、恐らく、同じ断層領域の範囲内の活動と考えざるを得ません。
それでは早速QGisで表示させているので、基盤地図をいくつか変更してみるとします。
まずは、シームレス地質図、
関東平野と呼ばれる東京周辺は、主に薄緑の地層で、これは、まだ岩石になれない、未固結の海成の堆積物です。硬い岩盤までの被覆層はかなり厚いそうです。
あくまで、表面に顔を出している地質の分布なので、深いところではどうなのかは見えません。赤い線は活断層と認定されている断層です。
問題箇所付近を拡大してみます。
凡例を一つずつ調べて行くとかなり面倒なのですが、大雑把に色で分類すると、
・左上のピンク「123」と書いてある領域は花崗岩系の深成岩類、
・左下の目立つ赤っぽい茶色「99」は約15万年~現在に至る間に噴出した箱根火山周辺に堆積した最新の安山岩・玄武岩からなる黒っぽい火山岩類、
・その周辺の薄茶色「100」はその少し前の約70万年前~15万年前に噴出した安山岩・玄武岩からなる黒っぽい火山岩類、
・ところどころに、同時期の火山灰の堆積「96」(約70万年前~15万年前に爆発的噴火により高速で流れ下った軽石や火山灰)や「185」(約1万8000年前~現在の火山灰層)も見られます。
・上部の比較的範囲の広い薄緑色の領域は「103」と書いてあるのがそれよりかなり古い火山岩類、この付近の火山岩は主に安山岩・玄武岩からなる約1500万年~700万年に噴出した黒っぽい火山岩です。
・「104」はそれより少し古い約2200万年~1500万年前にっ噴出した同じ安山岩・玄武岩からなる黒っぽい火山岩です。
・「87」とある薄茶色はそれとほぼ同じ位古い、主に流紋岩やデイサイト(石英安山岩)からなる白っぽい火山岩です。川で削られて下の地層が河川周辺で顔を出している感じでしょうか。
・右上の「170」は比較的新し目の段丘で、約7万年~1万8000年前に形成された低位段丘(堆積物)です。段丘層には、高位、中位、低位の大きく3つの分類がなされており、低いもの程新しい時代の堆積物です。固結度はほとんどなく、河川の堆積物のように、砂~土質層の中にそこそこの大きさの円礫が混ざります。貫入試験をするとよくレキにあたって高いN値を叩き出すことがありますが、基本的に未固結層です。未固結層は歪みを吸収してしまうので、大きな揺れを発生させることはありません。
関東大震災の震央は「1」もしくは「3」のほぼ現在の河川堆積物の領域に位置していますが、震源の深度では堆積岩から火山岩かはわかりませんが、断層の運動なので、かなり硬い岩石が存在していると想定されます。震央の位置する河川の形状がもともと深部の断層方向に沿って弱層となって削られて河川になったことが想定されます。
と、今年の頻発地震の分布を見てみると、やはり山間から降りてきた河川沿いに分布しているように見えます。河川は地下の断層を反映しているのでしょうか。
山間部より低地の方が深部の岩盤が背負ってる荷重は少ないので、軽くなったところで動いてる感じでしょうか。この河川では北西ー南東系の活断層は示されてはいませんが、同じような活動方向を有する関連断層の感じがします。8月だけで6回もかなり近い場所で集中的に起きています。8月9日はマグニチュードが5.9もありました。前にも述べているとおり、地質図は地表に露出している地層の種類を表しているので、地震が起きるような深いところの岩盤の種類まではわかりません。が、断層の両側がどちらも同じくらい硬い岩盤でないと大きな歪みのエネルギーは蓄積されないと思います。
我に返って今度は地形と重ねてみます。
基盤地図を傾斜量図に変えてみます。傾斜量図は、地表の傾斜角の大きさによって色が濃くなる地形図と考えるとだいたい合っています。斜面が多いほど黒っぽくなり、斜面の角度が高くなるほど黒っぽさが濃くなります。言葉ではわかりにくいですが、絵にすると実際の地形がよく見えます。
基盤地図を傾斜量図に差し替え
領域をグリッドにして細かく区切って、各点中心の正方形の色に、地形の傾斜角に応じて色を濃くして塗りつぶして表示してやるとこういう絵になります。傾斜角が緩いところ程薄い色となり、平坦なところは傾斜角がゼロになるので、白くなります。正しく言うと傾斜量図は傾斜角ではなく傾斜量(単位距離あたりの標高差の周囲8方向の平均)を変数に使用しています。
硬い岩盤程、急斜面を形成することができますが、柔らかい地盤は急傾斜を形成することはできません。これが地形に現れます。
概ね上の方の黒っぽいところはそこそこの強度のある堆積岩、もしくは火山岩起源の堆積岩で、下に見える特異なカルデラを擁する山の形のところが箱根山です。いくつか、複数の溶岩の噴出口の位置などもよく見えます。
関東大震災の震央の位置は河川の堆積物からなる緩い傾斜のところに位置しています。
地下では相反する応力方向を有する硬い岩盤同士の境界が断層となって、これが河川形状として地表に現れていると見えます。断層両側の岩盤は、ブロック境界の場合もありますが、もとは同じ岩盤が亀裂を境界としてずれたものが断層となっているケースの方が多いようです。
いずれの基盤地図も最初の頃の記事でご紹介したメモをQGisにコピペすると表示できるようになります。
基盤地図を赤色立体地図に変更、データの記号の色も赤いので変えたほうが見やすいと思います。ここでは省略。
この地図は凄いインパクトですね。丘陵地と平坦地のコントラストがはっきりしています。山の稜線がはっきり見えます。河川による山肌の侵食具合もよくわかります。まだ侵食されていない溶岩のところは樹脂のようにも見えます。鉄道路線を時系列的に表示させるとかなり興味深い基盤地図です。
赤色立体地図は一つ上の傾斜量図を基本として、これに標高を加味して、色を黒から赤に変更したものだそうです。開発者はアジア航測で、写真集も出ています。
位置関係を明瞭にするために、基盤地図をGoogle Satellite Hybridに差し替えます。
衛星画像に主だった地表の情報(鉄道、道路、と主な地名やランドマークなど)を文字で追記したものです。震央分布を重ねたままの位置情報的にはこれが一番わかりやすいでしょうか。地形図だとゴチャっとなります。
赤色地図あたりから河川・渓谷沿いに活断層が認定されているのがよくわかります。
いや、眺めててもなんの足しにもなりません。
地震学者は日々、このような、さらにいろいろな基盤地図と震央分布を重ねていろいろと検討してくださっていることと思います。ここでは妙な解釈は致しません。
結局ナニが言いたいねんと言われると、「やだな~、こわいな~」と不安がっているだけなのですが、101年前の「関東大震災」の震央位置に極めて近い位置で最近頻発しているということだけです。まあ、地震データをちょくちょく眺めては、災害には常日頃備えておくように心がけるとしましょう。えーっと、水、食料、電池、簡易トイレ、いずれも短期間分しか準備できないんですけどね。
実際、増えてきた、怖いっ!となってもどこにも逃げる場所なんてないんですよね。
タダのつぶやきですみません。お詫びに大手地震データの入手先をご紹介します。
うまく役立てていただける優秀な方がおられるかもしれんと思い、あえてつぶやかせていただきました。
地震データカタログ(国内)
震源データはQGisなどの表示ソフトで表示させるためには、結構整形の手間はかかりますが、基本的には最低限、「年月日」、「時刻」、「緯度」、「経度」、「震源深度」、「Magnitude」(余力があれば地域名)のデータが揃えば表示は可能です。
今現在の公的機関による公表資料で手軽にダウンロードできるものには、防災研のものと気象庁のものがあります。
数値の格納の仕方ですが、防災研の方はそのままで使えますが、気象庁の方は例えば緯度・経度は小数点なしで分まで入ってるので、度は整数単位で、分は小数点以下の10進法の「度単位」にそろえておく必要があります。マグニチュードや深度も10で割るなどの手順が必要となります。かなり整形が必要で結構面倒です。
1995年以降は気象庁データの方が緯度・経度の精度が一桁高いので、2022年(現時点での気象庁データの最新)以前のデータは気象庁、2023年以降は防災研のHinetデータを使用するとよいかと思います。
地震データソース(日本)の2例。
・防災研、高感度地震観測網Hinetデータ;2002年6月から、現在まで、毎日更新、
データダウンロードは無料ですが、ID,PWを登録してログインが必要です。かなり小さいマグニチュードのデータが含まれるのでデータ量が非常に大きいです。日単位で1週間分まで一度に閲覧、ダウンロードが可能です。
緯度・経度の精度は小数点以下(分以下)が3桁です。
ほぼ毎日更新されており、最新で2日前までのデータが入手可能です。凄い労力。
・気象庁、震源データ;1919-1982年は主に資料に基づくデータ、1983年以降(現在のところ2022まで)は各機関における観測データの集約、定期的に追加更新。1919年以降の歴史的大地震は殆ど網羅されています。上で使用した関東大震災のデータもこちらのものです。
2003年以降はほぼ防災研データと同じデータですが、1995年以降は緯度・経度の精度はこちらの方が一桁高い小数点以下4桁です。表示させてみるとそこそこ違いがあります。
データの詳細は読んでもよくわからないので、「地震カタログの解説」をご参照下さい。QGisで表示するにはかなりのデータ整形作業が必要です。データによって書式が違ったりと、目で見て理解できてもエクセル等で大量のデータを作業しようとすると統一性がなく、かなり大変な作業となります。が、ログインの必要はありません。
解凍して出てきたデータファイル名には拡張子がないので、「dat」か「txt」などを追加しておくと扱い易くなります。
QGisでの基盤地図の設定
Qgis関連の過去記事で基盤地図のメモが入った記事はこれでよかったでしょうか。途中読み飛ばして頂いて、最後の方に「・基盤地図の設定」の項目で設定の仕方をご紹介しています。
ぜひとも、同時に鉄道路線も表示させてみて下さい。いろいろと想像が膨らんできます。
気象庁データの整形について、エクセルでの数式がほぼ特定できたので、ご紹介したいと思います。お気づきの点等があれば、是非ともご一報下さい。
手順を追って説明します。
①気象庁のある特定の年のデータをダウンロードしてきたら、解凍して出てきたファイルのファイル名には拡張子がないので、「.txt」もしくは「.dat」などのようなテキストエディタで開ける形式の拡張子を追加します。
②テキストエディタでダウンロードしたデータを開いておきます。
③エクセルを新規で立ち上げます。
④sheetの一つのシート名を「data」というシート名にしておきます。
⑤このシートの「A1セルにカーソル」を置いておいてからダウンロードしたデータの1年分をコピーして貼り付けておきます。A列にのみデータがずら~っと入ります。B列より右には何も入りません。
⑥同じエクセルブック内で別のシートを開いて(シート名は問わず、「Sheet1で可」)、1行目に項目名を右に向かって順次、記入していきます。項目名は以下のとおりです。
ここでは見やすいように縦に並べていますが実際は横に並べます。
セル番地 | 項目名 |
A1 | レコード種別ヘッダ |
B1 | 年月日 |
C1 | 時刻 |
D1 | 標準誤差(秒) |
E1 | 緯度(度) |
F1 | 標準誤差(分) |
G1 | 経度(度) |
H1 | 標準誤差(分) |
I1 | 深さ(km) |
J1 | 標準誤差(km) |
K1 | マグニチュード1 |
L1 | マグニチュード1種別 |
M1 | マグニチュード2 |
N1 | マグニチュード2種別 |
O1 | 使用走時表 |
P1 | 震源評価 |
Q1 | 震源補助情報 |
R1 | 最大震度 |
S1 | 被害規模 |
T1 | 津波規模 |
U1 | 大地域区分番号 |
V1 | 小地域区分番号 |
W1 | 震央地名 |
X1 | 観測点数 |
Y1 | 震源決定フラグ |
実際にはA1列から右に向かってこんな感じに並べます。
レコード種別ヘッダ | 年月日 | 時刻 | 標準誤差(秒) | 緯度(度) | 標準誤差(分) | 経度(度) | 標準誤差(分) | 深さ(km) | 標準誤差(km) | マグニチュード1 | マグニチュード1種別 | マグニチュード2 | マグニチュード2種別 | 使用走時表 | 震源評価 | 震源補助情報 | 最大震度 | 被害規模 | 津波規模 | 大地域区分番号 | 小地域区分番号 | 震央地名 | 観測点数 | 震源決定フラグ |
ここで、A2セルからY2セルまで入れるべきデータの変換数式を下に書き留めておきます。これもまず縦に並べますので、実際にはA2~Y2列まで横に並べます。
セル番地 | 項目名 | 数式(A2~Y2) | |
A2 | レコード種別ヘッダ | =MID(data!$A1,1,1) | |
B2 | 年月日 | =DATE(MID(data!$A1,2,4),MID(data!$A1,6,2),MID(data!$A1,8,2)) | |
C2 | 時刻 | =IFERROR(TIME(MID(data!$A1,10,2),MID(data!$A1,12,2),MID(data!$A1,14,4)/100),TIME(MID(data!$A1,10,2),MID(data!$A1,12,2),)) | |
D2 | 標準誤差(秒) | =IF(TRIM(MID(data!$A1,18,4))<>"",MID(data!$A1,18,4)/100,"") | |
E2 | 緯度(度) |
|
|
F2 | 標準誤差(分) | =IF(TRIM(MID(data!$A1,29,4))<>"",MID(data!$A1,29,4)/100,"") | |
G2 | 経度(度) |
|
|
H2 | 標準誤差(分) | =IF(TRIM(MID(data!$A1,41,4))<>"",MID(data!$A1,41,4)/100,"") | |
I2 | 深さ(km) | =IF(TRIM(MID(data!$A1,45,3))<>"",IF(TRIM(MID(data!$A1,48,2))<>"",MID(data!$A1,45,3)+MID(data!$A1,48,2)/100,MID(data!$A1,45,3))*1,"") | |
J2 | 標準誤差(km) | =IF(TRIM(MID(data!$A1,50,3))<>"",MID(data!$A1,50,3)/100,"") | |
K2 | マグニチュード1 | =IF(TRIM(MID(data!$A1,53,2))="","",IF(MID(data!$A1,53,2)>0,MID(data!$A1,53,2)/10,MID(data!$A1,53,2))) | |
L2 | マグニチュード1種別 | =IF(MID(data!$A1,55,1)<>"",MID(data!$A1,55,1),"") | |
M2 | マグニチュード2 | =IF(TRIM(MID(data!$A1,56,2))<>"",MID(data!$A1,56,2)/10,"") | |
N2 | マグニチュード2種別 | =IF(TRIM(MID(data!$A1,58,1))<>"",MID(data!$A1,58,1),"") | |
O2 | 使用走時表 | =IF(TRIM(MID(data!$A1,59,1))<>"",MID(data!$A1,59,1)*1,"") | |
P2 | 震源評価 | =IF(TRIM(MID(data!$A1,60,1))<>"",MID(data!$A1,60,1),"") | |
Q2 | 震源補助情報 | =IF(TRIM(MID(data!$A1,61,1))<>"",MID(data!$A1,61,1)*1,"") | |
R2 | 最大震度 | =IF(TRIM(MID(data!$A1,62,1))<>"",MID(data!$A1,62,1),"") | |
S2 | 被害規模 | =IF(TRIM(MID(data!$A1,63,1))<>"",MID(data!$A1,63,1),"") | |
T2 | 津波規模 | =IF(TRIM(MID(data!$A1,64,1))<>"",MID(data!$A1,64,1),"") | |
U2 | 大地域区分番号 | =IF(TRIM(MID(data!$A1,65,1))<>"",MID(data!$A1,65,1)*1,"") | |
V2 | 小地域区分番号 | =IF(TRIM(MID(data!$A1,66,3))<>"",MID(data!$A1,66,3)*1,"") | |
W2 | 震央地名 | =IF(MID(data!$A1,69,24)<>"",MID(data!$A1,69,24),"") | |
X2 | 観測点数 | =IF(TRIM(MID(data!$A1,93,3))<>"",MID(data!$A1,93,3)*1,"") | |
Y2 | 震源決定フラグ | =IF(MID(data!$A1,96,1)<>"",MID(data!$A1,96,1),"") |
すみません、度々数式間違えました。上記が最新です(2024/9/17 11:27)。膨大な数の全データで確認しているわけではないので、不自然な変換がありましたらご一報下さい。全データについてQGisで表示してみた結果では、ほぼ間違いはなさそうと思われます。
数式中で「1」を掛け算しているのは、テキスト形式となっている数字を数値化するためです。ゼロをたしてもいいし、1で割っても構いません。値が変わらない式を入れておきます。
一部長いのでタイピングはせずに、コピペするとよいかと思います。
上の表からコピーすると、先頭にスペースかなんかが入ることもあるかと思うので、そのような場合には、数式の「=」が先頭になるように、余計なスペース等を削除します。うまくコピー範囲が指定できていれば余分なスペースは入りません。
うまくいくかはわかりませんが、一応、横にも表示してみます。
レコード種別ヘッダ | 年月日 | 時刻 | 標準誤差(秒) | 緯度(度) | 標準誤差(分) | 経度(度) | 標準誤差(分) | 深さ(km) | 標準誤差(km) | マグニチュード1 | マグニチュード1種別 | マグニチュード2 | マグニチュード2種別 | 使用走時表 | 震源評価 | 震源補助情報 | 最大震度 | 被害規模 | 津波規模 | 大地域区分番号 | 小地域区分番号 | 震央地名 | 観測点数 | 震源決定フラグ |
=MID(data!$A1,1,1) | =DATE(MID(data!$A1,2,4),MID(data!$A1,6,2),MID(data!$A1,8,2)) | =IFERROR(TIME(MID(data!$A1,10,2),MID(data!$A1,12,2),MID(data!$A1,14,4)/100),TIME(MID(data!$A1,10,2),MID(data!$A1,12,2),)) | =IF(TRIM(MID(data!$A1,18,4))<>"",MID(data!$A1,18,4)/100,"") | =IF(TRIM(MID(data!$A1,22,7))="","",LEFT(MID(data!$A1,22,7),3)+RIGHT(MID(data!$A1,22,7),LEN(MID(data!$A1,22,7-3)))/0.6/10^(LEN(RIGHT(MID(data!$A1,22,7),LEN(MID(data!$A1,22,7-3)))*1))) | =IF(TRIM(MID(data!$A1,29,4))<>"",MID(data!$A1,29,4)/100,"") | =IF(TRIM(MID(data!$A1,33,8))<>"",LEFT(MID(data!$A1,33,8),4))+RIGHT(MID(data!$A1,33,8),8-4)/0.6/10^(LEN(RIGHT(MID(data!$A1,33,8),8-4)*1)) | =IF(TRIM(MID(data!$A1,41,4))<>"",MID(data!$A1,41,4)/100,"") | =IF(TRIM(MID(data!$A1,45,3))<>"",IF(TRIM(MID(data!$A1,48,2))<>"",MID(data!$A1,45,3)+MID(data!$A1,48,2)/100,MID(data!$A1,45,3))*1,"") | =IF(TRIM(MID(data!$A1,50,3))<>"",MID(data!$A1,50,3)/100,"") | =IF(TRIM(MID(data!$A1,53,2))="","",IF(MID(data!$A1,53,2)>0,MID(data!$A1,53,2)/10,MID(data!$A1,53,2))) | =IF(MID(data!$A1,55,1)<>"",MID(data!$A1,55,1),"") | =IF(TRIM(MID(data!$A1,56,2))<>"",MID(data!$A1,56,2)/10,"") | =IF(TRIM(MID(data!$A1,58,1))<>"",MID(data!$A1,58,1),"") | =IF(TRIM(MID(data!$A1,59,1))<>"",MID(data!$A1,59,1)*1,"") | =IF(TRIM(MID(data!$A1,60,1))<>"",MID(data!$A1,60,1),"") | =IF(TRIM(MID(data!$A1,61,1))<>"",MID(data!$A1,61,1)*1,"") | =IF(TRIM(MID(data!$A1,62,1))<>"",MID(data!$A1,62,1),"") | =IF(TRIM(MID(data!$A1,63,1))<>"",MID(data!$A1,63,1),"") | =IF(TRIM(MID(data!$A1,64,1))<>"",MID(data!$A1,64,1),"") | =IF(TRIM(MID(data!$A1,65,1))<>"",MID(data!$A1,65,1)*1,"") | =IF(TRIM(MID(data!$A1,66,3))<>"",MID(data!$A1,66,3)*1,"") | =IF(MID(data!$A1,69,24)<>"",MID(data!$A1,69,24),"") | =IF(TRIM(MID(data!$A1,93,3))<>"",MID(data!$A1,93,3)*1,"") | =IF(MID(data!$A1,96,1)<>"",MID(data!$A1,96,1),"") |
この表ごと「data」シート以外のシートのA1セルにうまくコピペできたらラッキーです。かなり手間が省けます。ペースト前に同じブック内に、空でも構わないので「data」シートは作成しておく必要があります。
「data」シートのA1から下にすでにデータが貼り付けてあれば、式をペーストした時点で、とりあえず1行だけは、数式の入ったセルには変換されたデータが入ると思います。順番逆でもかまいません。
3行目以降は2行目と同じ数式を行コピーしてやると、自動的にデータが分離して入ります。
データ数が非常に多いので、行コピーはちょっと大変ですが、ダミーデータをA列のみ、3行目より下向きにデータ行の行数が全部で同じになるように入れておけば、ペースト前の行選択時に「shift」+「ctrl」+「↓」で末端まで指定できます。この辺はエクセルの使い方なので、慣れてる人には簡単だと思います。
重要なのは、日付と時間、緯度と経度、震源深度、マグニチュードなのですが、QGisで表示させるのに最も重要なのは緯度と経度なので、この各列に小数点つきでそれらしき値が入っていればOKです。もう一つのチェック項目として、「震央地名」の列に地域名が表示されていればほぼOKです。
あとはできたシートを「csv」形式で保存しておけば、QGisで読み込めるようになり、また、いつでもエクセルで開くことができます。
このCSV形式ファイルをQGisで読み込む時の注意ですが、2つあります。
・「レイヤ」⇒「レイヤを追加」⇒「CSVテキストレイヤを追加」で、先ほど保存したCSV形式ファイルを読み込むと、一旦読み込んで、下部に「サンプルデータ」が表示されるので、これを見ながら少し上の「X値」には「経度(度)」、「Y値」に「緯度(度)」の列を選択指定します。それぞれの空欄右の下向き▼をクリックすると項目名が並んで出てきますので、ここから選択します。「Z値」は指定しなくてもかまいません。
・もう一点、「サンプルデータ」の「マグニチュード1」列の下の行の読み込み書式が「テキスト(string)」となっている場合がほとんどと思いますので、読み込む書式を「倍精度(double)」に変更します。他の数値データも「テキスト」になっている場合には、同じようにして「倍精度」か「整数」のどちらかに直しておきます。この辺の書式については、気象庁のホームページにあるデータフォーマット説明を参考にして下さい。数字だけでなく、英文字も交じる項目がそこそこあります。
で、読み込めば、日本地図があればそこにどわっと全データが表示されます。
あとは、レイヤ名をダブルクリックして、レイヤのプロパティが開きますので、「シンボル」項目をクリックして、マグニチュードの大きさで足切りするとか、深度別に分類するとか、いくらでも見やすいように変更できます。文字データを表示させたい場合にはプロパティ画面で「ラベル」をクリックして変更します。ここで特定の縮尺からテキストを表示させることも可能です。
データが揃っている防災研の年データと比較して、各項目のデータが同じようになるように調整できたと思われますので、とりあえずの備忘録です。