tomopinのブログ

ジャンク好き。おもちゃ好き。二人の孫はもっと好き。

またまた新しい格安良品テスター

本日は、新しいテスター2種のご紹介です。だんだん格安テスターオタクになりつつあります。ひたすら使い勝手と精度の天秤に揺れながら、彷徨っている感じです。大前提が値段という。

今日のご紹介は2点、

格安良品テスター2種(左;ET8134、右;BT-39C)
数値に意味はありません。

左がつい最近買ったメーカー不詳、「ET8134」(1681円)、

右はそこそこ前に買ったメーカー不詳「BTMETER BT-39C](1899円)。

どちらも温度まで測れます。

右のやつ。

左のやつ。

あれ、売り切れですか、「ET8134」で検索すると、最安値でギリ3000円以下のものもあります。

まずは、BTー39Cの内容物です。

BT-39C内容物

ぐちゃぐちゃですが、説明書も割としっかりしているように思えます。背面取り付け用の強力磁石がついています。全く不要です。電池付属です。

温度センサープローブもついています。

結論から言うと、今のところ、これが一番信頼性の高いテスターです。

電圧、電流、抵抗、ダイオードコンデンサなどが測れます。右側の赤い端子のままで、なんと、750mAまで電流が測れます。それを超えそうな場合には左側の端子に繋ぎ変えます。10Aまでです。電流に力点を置いた一品です。

抵抗も電圧もかなり正確です。温度も整数ですが、測定してくれます。

これ、バックライトが面白い。上のガラス窓部を遮蔽するとバックライトが光ります。

バックライト自動点灯
測定値に意味はありません。
強いてあげると
電流値はmAレンジでも少数二桁まで表示してくれます。
単位まで表示してくれるのはありがたいです。

便利なようで不要な機能にも思えます。チラチラして気が散ることがあります。電流は少数以下2桁まで表示してくれます。単位まで表示してくれるのは結構重要なポイントです。読み取りや記載したりするときにまず間違えません。

抵抗とダイオードと通電ブザーとコンデンサが一つの選択肢に入って自動選択になっていますが、「SELECT」で、対象を絞り込むことも可能です。

通電ブザーは50Ω以下です。オートでもLEDなんかは電圧値を表示してくれますが、抵抗値が低いのでピーピーなります。このような場合に「SELECT」で「ダイオードモード」を選択すると静かに測定に集中できます。

値の小さい抵抗でもピーピー鳴りながらも抵抗値を表示してくれます。このような場合も同様に、「抵抗モード」にして測定すると静かです。「SELECT」ボタンのある自動測定モード切り替え機はだいたいこのような働きをします。

現時点での格安の中ではダントツオススメの一点かと思います。

ところが、その後、突如彗星の如く現れたのがこれ。見た感じほんまもんの全自動です。実際モードもレンジも全自動です。電池は別途準備、単四2本。

メーカー不詳、ET8134全自動
本体内センサで温度も常に表示

本体と一体化したようなカバーが付いていたので、最初に電池をセットする時に大変悩みましたが、カバーを外すとすぐに分かります。電池は単4乾電池2本ですが別売りです。事前に調達の必要があります。

似たような感じのもので、USB充電方式も出回っていますが、自分はやはり電池式の方が安心です。電池の寿命はほぼ無限に等しく、末永く使えそうな気がします。

で、これ、以前ご紹介したHANMATEK DM20でもありましたが、端子が3つあって、真ん中がマイナス極、左は電流専門、右はその他全部、というふうに分かれていて、わかりやすいです。モード切替不要で、赤棒を左に刺した時点で「これから電流を測るぞ」の意思表示です。

電源ボタンはどこかと思ったら、頭の上でした。

電源ボタン

 

全自動とはいえ、モード切替もちゃんと右側面スイッチで可能です。

右側面スイッチ類
左からホールド兼バックライト(長押し)、
真ん中が非接触電圧検査NCVと懐中電灯(長押し)、
右が測定モードセレクトです。

これが、なんと、めっちゃ使いやすく、値もかなり正確です。

ほとんどの測定で、オレンジのBT-39Cとほぼ同じ値で誤差がほとんどありません。

唯一の弱点が電流と温度だけは整数です。

電流測定値の比較
直列接続、通常密度(151Ω)10cmに12V、
右の機種は電流は整数表示です。

ほとんど誤差がありません。

温度測定は熱電対プローブに差し替えてこんな感じです。

温度測定
もともと常時温度を表示していた場所に表示されます。
これは紛らわしい。

電圧は、

電圧測定

PWFコントローラーで旧式前照灯ランプを点灯させたときの線路両端の電圧です。まあ、ほぼ供給電圧です。12Vだと小数点以下2桁まで表示します。

これで33Ωの抵抗値を測ってみます。

33Ωの抵抗
オレンジ(3)オレンジ(3)黒(0)です。

33Ωの抵抗測定(ET8134)

一応、少数以下1桁で測ってくれてるようです。
逆にしてオレンジので測ってみると、

33Ωの抵抗測定(BT-39C)

ま、まあ、よしとしますか。充分です。

で、なぜか思い立って、赤棒と黒棒をいきなりコンセントに突っ込むイケない子ちゃんしてみると(ちゃんと違う穴にです)、

真っ赤になってAC電圧を表示してくれます。
ついでに周波数まで表示してくれます。

ほ、ほう。なぜ赤い必要があるのでしょうか。

せっかくなので、追加抵抗33Ωで高密度テープLED(101Ω)5区画分で測ってみます。左の黒いので追加抵抗端の電圧、右のオレンジで回路電流を測ってみました。

33Ωを追加した高密度テープLED5区画分(12.5cm)に12Vかけた時の抵抗端電圧と回路電流
抵抗端電圧;ET8134
回路電流;BT-39C

電圧少数以下3桁とは驚き。電圧に力を入れている機種と言えそうです。

同じことを測定器を逆にして測るとこうなります。

33Ωを追加した高密度テープLED5区画分(12.5cm)に12Vかけた時の抵抗端電圧と回路電流
抵抗端電圧;BT-39C
回路電流;ET8134

ふーん。あ、こちらも電圧少数以下3桁でした。電流値がちょっと大きい。

こんどは以前にご紹介したHANMATEK DM28を引っ張り出してきて電流を測り直します。

33Ωを追加した高密度テープLED5区画分(12.5cm)に12Vかけた時の抵抗端電圧と回路電流
抵抗端電圧;BT-39C
回路電流;DM28

ほうほう。どっちが正しいかは知るよしもありませんが、電流測定に関しては、HANMATEK DM28と今回のET8134はかなり傾向が似ていると言えそうです。

しかし、実測の電流値としては、LTspiceの解析結果に一番近いのがオレンジのBT-39Cでした。

高密度テープLED12.5cm      
テープLEDの抵抗値と追加抵抗による回路の電流値  
  実測回路電流I
(mA)
2538Model
回路を流れる電流(mA)
追加抵抗(Ω) 101Ω 68Ω 101Ω 151Ω
0 116 161.72 117.27 84.22
10 84.2 103.21 84.21 66.38
22 61 73.46 63.74 53.33
33 55.68 58.66 52.49 45.39
47   47.03 43.10 38.32
56 38.15 41.84 38.74 34.89
100 30.63 27.57 26.27 24.53
150 20.28 20.15 19.48 18.54
200 16.80 16.00 15.59 15.00
270 13.13 12.51 12.26 11.91
470 8.03 7.84 7.75 7.62
510 7.80 7.32 7.24 7.12
558 6.98 6.77 6.70 6.60
680 5.99 5.71 5.66 5.59

電流値に関してはやっぱりオレンジのBT-39Cの圧勝です。グラフものっけます。

異なる抵抗をもつ3種類のテープLEDに追加抵抗を加えた時の電流値(12V)

テスターにも内部抵抗があって、繋ぎ変えたりすると、結構数値が変わります。

 

今度はオレンジBT-39CとET8134を直列に繋いで、高密度テープLED(101Ω)に(追加抵抗なし)12Vかけた時の回路電流です。

高密度12.5cm(101Ω)に追加抵抗なしで、電流を測定(12V)

なかなかよい一致を示しています。

2つも直列にすると、流石にテスター内部抵抗が効いてきて、元々の117mAが107mAまで下がっています。

テスターの内部抵抗も結構な影響力があります。無視できない程度にはあります。

 

次はブリッジダイオードをテープLEDに繋いだことによる電流値への影響をみてみます。

鉄道模型の室内灯としてテープLEDに必ず必要なのがブリッジダイオードです。これなしでは片側の走行時にしか点灯しません。前進・後退の両方で点灯させるために必要なパーツです。

まずは、ブリッジダイオードを接続する前の電流値です。

今度は通常密度(151Ω)10cm(2区画分)を使用しました。

通常密度(151Ω)10cmに12Vかけた時の回路電流(12V, ブリッジダイオードなし)

通常密度2区画分で、テープLEDだけだと36mAです。

次は、ブリッジダイオードDB107を接続した後の回路の電流です。

通常密度10cm(151Ω)に12Vかけた時の回路電流(12V, ブリッジダイオードDB107)

ブリッジダイオードDB107の追加後では、22mAと結構電流値が下がります。半分までは行きませんが、かなりそれに近い減少率です。(高密度ではその影響力はもう少し下がりますが。これも近々に測ってみるとしますか。)

実際にはこのようにブリッジダイオードを接続した状態が室内灯としての回路電流です。

ブリッジダイオードの内部抵抗、結構馬鹿になりません。

室内灯の電流計算をする場合にはブリッジダイオードも含めて検討するとしましょう。

今回の格安テスター2種、結構使えます。

 

結論

・電流メインであれば、優位なのはオレンジのBT-39Cの方ですが、

・全自動としての使い勝手やその他の測定における誤差等、ET8134は抜群です。

あまり関係ありませんが、このET8134のNCV;非接触電圧検知機能、家庭用コンセントには全く反応しません。90V以上と書いてありますが、101.5Vでも全く反応しません。

NCV機能のある機種で家庭用コンセントに反応しなかったのはこいつだけです。海外用ですかね。まあ、全くと言っていい程使わない機能なのですが、実際使えないとなるとなんかいまいち気分。

どちらもかなり使えます。

テスターオタクも今回をもって完結です。この2台で当面はやっていくとします。

 

こまりますっ!!

久々にダイソーに行ったら、いかにも孫たちが喜びそうなものが売っていたので、すかさず買ってしまいました。

「こまりますっ!!」
女性の声だと妙に怪しい雰囲気。
子供には伝わらんじゃろうが。

過去に「次止まります」ボタンを800円で買った身としては、ここは買いでしょう。

ということで、200円。随分安く作れんじゃん。一流企業は中間段階と中間マージンかかりすぎ。

さっそく、ボタン電池に挟まってるベロ引き抜いて、試してみるも、

いくら押してもならない!。というか、

どっちかっちゅうとおささらないっ!

ありゃ、これはババ引いたかな、と少し青くなるのもつかの間、孫たちはよろこんでガンガン鳴らして遊んでいます。

はて?

と状況を見ると、押すのは、黄色いところではなくて、上の黒いところ

なんと!

黄色い方に「このボタンを押して・・・」と書いてあるじゃん。普通そっちかなー。

「次止まります」は黄色い方だった気が。。指がそう記憶しておりますが。

歳とったのでしょうか。。。。

女性アナウンスで「こまりますっ!」は普段使わない脳の想像力中枢の一部を無駄に刺激してくれます。

裏側に親切迷惑にも吸盤がついていて、これが吸着力が弱いだけでなく、外そうにもなかなかはずれません。んー、邪魔。

たいした吸着力もないのに邪魔!しかし容易には取れない。
・・・ばらします。

結果的に裏についてる邪魔くさい吸盤を外すには、一旦ばらしてネジを外してやる必要があります。基盤まで外してやらないと出現しない吸盤止めネジ。

吸盤どめネジの位置
スピーカーの上のネジです。親切過ぎるっ!
押しボタンスイッチは上下2個所あり、
どっちも生きていますが、使ってるのは上です。
下にすべきだったのでしょう。

スピーカーの上にある小ねじが吸盤をとめているのでこれをはずします。

ネジを外して吸盤を外しました。
ここまでしないと吸盤が外れません。

親切設計が全くのアダとなったよい事例かと思います。

これで両面テープで好きなところに貼ることができます。
と、思いきや、突起物が多すぎ。。
丸い突起に貼るしかありません。

基盤を止めるネジがネジ穴2コに対して1個しかとまっていなかったので、吸盤をとめていたネジは基盤の固定に使ってしまいました。余分が出なくてせいせいしました。

付きの悪い吸盤はぽいっ!

なんか、めっちゃめんどくさっ!

一応、押すと「こまります」の文字も光るようになっているんだけども、いざ押してみると、LEDの照射角度が狭いのか、真ん中の「」しか見えません。

おいっ!作った人、余計な付加価値より肝心なところが甘いっ!ちゃんと出来上がりを確認したんだか。

まあ、光ってるのは指で押す部分なので、そもそも見える方がおかしいのだけど。

何この矛盾。やっぱり押すのは黄色い方だろう。どう考えても。おもちゃとはいえ、使う身になって考えていただきたい。

付加価値をつけようとする精神は称賛に値する。不満を言うつもりは全く無い。しかし、バスのない国の人が作ったとしか考えられない。。

たった200円でツッコミどころ満載のサービス精神満点のオモチャでした。かなり大吉。

 

一個買ったら取り合いになってしまったので、近々、もう一個買う予定です。

最初の「次止まります」も結局2個買う羽目になったのですが、2個めはアマゾンで1000円に上がってました。値上がり系オモチャ。

そんなにいいですかねえ。何度聞いても「とまります」にしか聞こえないんだけど。

歳とっただけでしょうか。

イヤ、「つぎ」とっただけだと思う。絶対。と、思ったけど、

耳の近くでよ~く聞くとやっぱり「まります」でした。大変失礼致しました。

オリジナルより脳が活性化されてボケ防止にもいいかもです。

ダイソー遠いんだよなー。店によって取り扱っているものが微妙に違ってたりします。時間を空けてたまに行くと面白いです。

 

孫たちにメチャ受けしたおもちゃでした。

 

KATO モハ152Mのカプラー受けを折ってしまった。。。。

悲しい表題ですが、そのとおりです。

以前ご紹介いたしました、KATOの「モハ152 145」動力車(品番416だったですかね)の片側のカプラー受けが折れてしまい、カプラーが取り付けられない状態になってしまいました。

正常な状態はこのようですが、

モハ152M(KATO 416)カプラー取付部(正常)
動力台車に固定されているものです。

お片づけのどこかで衝撃があたったらしく、ふと見るとカプラーが外れており、装着しようとしたら、この有り様です。

 

カプラー受けの破損状況
先端、片側は残っています。

動力台車に直付けなので、交換ができません。これは困った。

中間車なのに後ろに連結できなくなってしまいました。

いまさら、こんな古い車種のアッシーくんなど探せども見つかるはずもなく、仕方なく、ワイヤー線で補修することにしました。

0.55mmのワイヤー(ダイソー
最近はもっと細いのも売っていますが、
なかなかこのサイズは見かけません。

で、こんな感じかな?と適当に切り出したのが左下に見える「U」の字をした部分です。

適当に切り出し

で、台車の片方にこのワイヤー径に見合った穴を2個所空けて、カプラーの襟をおさえようとういう寸法です。

で、早速、アマゾンにて、ドリル刃を検索、ポチ。

ミニドリルとピンバイス

 

890円でミニドリルの刃を調達。0.05mm刻みですごいっ!というわけでこれ一択でした。

迷わず「0.55mm」のドリル刃を選択しました。蓋がずらしづらく、めっちゃ開けにくい。引っ掛けてサキッチョが少し折れてしまいました。年取ると目も手も悪くてもう。

ピンバイスはもともとウチにあったものですが、このサイズがはまるかなと思ったら、なんとか装着できました。が、まっすぐに挿入するのが一苦労でした。斜めに入ると作業開始直後、一発で折れてしまいます。

で、欠けた刃で、いざ作業開始してみると、思ったよりスムーズに2個所、0.55mmの穴が空いてくれました。

台車のカプラー受けに0.55mmの穴を2個所空けました。
ちょっと掘りくずで見えづらいですが、
縦に2個所、空いています。

ここに例の「U」字型に切断したワイヤーを挿入してみます。

試しにワイヤーの入り具合をチェック
ミニドリル、意外にも正確です。
プライヤーは写真を取るための台で、
決してこの上で作業している訳ではありません。

いい感じで入ってくれました。抜けやすくもなく、作業がし易い感じです。

もう少し、挿入してみますか。

もう少し挿入
いい感じの摩擦です。
接着剤不要です。

さらにもう少し挿入。

もうちょっと挿入

おっけー、おっけー、このまま終わりたいところですが、カプラー受けとしては幅も狭く、形もいまいち。一旦引き抜いてラジオペンチで、カプラーに合わせつつ整形します。

U字ワイヤーの最終形
ラジオペンチの先端がちょうどいいサイズです。

カプラーをはめてみます。

カプラー試着
ふんふん、一応はまります。

おおお、良い感じではまりますが、もう少し整形が必要です。

やり直し。

最終整形後。
いいかな。
サイズ・位置的にはいい感じです。

マジックで黒く塗ってから、カプラーを装着してみます。

位置的にもサイズ的にもバッチリです。
ちゃんと前後に動きます。ただ。。。

下から見てみると、

下から見た図
申し分なさそうですが。。。

カプラーが回転するといとも簡単に外れてしまいます。

もう一度、正常状態の図を見てみます。

正常状態
カプラーの回転を阻止する押さえがあります。

ふむふむ、あと一歩のところですが、今ひとつの押さえが足りません。回転さえ阻止できれば簡単には抜けてきません。

とりあえずはプラ板でも切って、ちょっと強めの両面テープでも貼り付けて、

プラ板に両面テープ

あまり美しくはありませんが、当面の応急処置として、

応急処置

プカプカしないようにとりあえずは押さえておいて、ここは時間をかけて、ちょっと考えてみるとします。回転しようと思えば回転してしまいますが、通常の使用にはとりあえず大丈夫そうかな。あとでバネ探すの大変そうですが。

せめてマジックぬっとこう。

この続きはまた後ほど、ご報告いたします。

高密度テープLEDの高電力消費対策案

以前にもお伝えしたとおり、高密度テープLEDは単純に同じ長さの通常密度テープLEDの2倍の電力を消費します。

特に、鉄道模型用では、通常密度は10cm以外に選択肢は殆どありませんが、高密度では最も多く使うのが12.5cmなので、1車両あたりで比較すると、通常密度10cmの2.5倍の電力を消費します。

実際に101Ωの抵抗の高密度のものを測定してみると、1本12.5cmで110mA程度と、連結すると10両行かないうちに1Aを超えてしまう現実です。動力車を連結すると、もっと少ない台数で動かなくなります。この高消費電力問題をなんとか考えたいと思います。

結論からいうと、テープLED自体に抵抗を追加することを考えます。

高密度テープLEDに最初からくっついている抵抗ですが、151Ωが最も多く、次が101Ω、稀に68Ωというのもあります。

うっかりしてましたが、実は抵抗表示の最後の一桁は10のべき乗数なので、最初の2桁が有効数字で、最後の一桁分「0」を加えます。「151」の場合は「15」に「0」を一個付け加えて150Ωが正解です。最後が「2」だったら152Ωではなく、1500Ωとなります。ここまできてから「680」を見て思い出しました。すみません。

まずはLTspiceで最も多い150Ωの測定値151Ωに従って回路を作ってみます。

 

高密度テープLED12.5cm(5区画分)の回路

高密度テープLED12.5cm分は5区画分の並列接続なので、以前に作成したテープLEDのLTspice検討用回路から以下のように作成できます。

高密度テープLED1車両分(12.5cm、5区画分)の回路例


ここで初めて出てきた「.param」文ですが、テープLEDの抵抗値を5区画分まとめて変更したい局面がありそうなので、変数Rとし、回路の全ての抵抗の数値の欄には波括弧「{}」を用いて「{R}」と記載しておきます。

まずは最も多い151Ωの場合、この{R}を「.param」文で、図のように、

「.param R=151」としておくと、一度に全部の抵抗値を設定できます。手順は「.meas」文を使った時と全く同じです。ツールバーの中で、「.t」(ピリオド+t)となっているアイコンをクリックして、出てきた入力欄に「.param R=151」と入力して「OK」、忘れずに任意の箇所に配置(クリックするだけ)します。以後変更するときは「.param」文を右クリックして編集画面を出し、この数値だけを変えてあげると一斉に変えてくれます。大変便利です。この「.param」文は数値だけに有効なようです。ダイオードの種類も変えられるとよいのですが。

 

で、LEDですが、最初はLEDリストの中にある「NSPW500BS」でも構いません。こちらでは、このダイオードの値をこねくり回して試行錯誤の結果、新たに「2835」としてリストに登録しなおしました。

登録の仕方も一応書いておきますか。

 

ダイオードリストに自作モデルを追加

LTspiceをインストールする時に特にフォルダ等を変更していなければ、アプリケーションデータフォルダの下にある「standard.dio」というファイルができますので、これを編集します。といっても探すのに一苦労します。

苦労して探し当てても、この拡張子がLTspiceに定義付けられており、ちゃんと編集できるのですが、LTspiceで編集してはいけません。「上書保存」が非常に大変ですので、編集時にはテキストエディタ(Noteなど)を使います。LTspiceで編集すると「上書保存」を選んでも、「名前を付けて保存」モードとなり、「ドキュメント」フォルダが初期値として開きます。ここから元のフォルダを探すのはもう不可能に近いです。なんでこんな仕様にしたか。

ウィンドウズの一番下のタスクバーにある虫眼鏡マーク(検索)の入力欄にファイル名や「%appdata%」と入力しても見つかりません。なので、下の文の[gea02](私のユーザー名)の部分を自分のユーザー名に入れ替えてコピーします。

実際にはテキストエディタなどに下の文を一旦コピーしてペーストしてから、ユーザー名を変更する手順となると思います。その上で再度、コピーします。

C:\Users\gea02\AppData\Local\LTspice\lib\cmp\standard.dio

上の文のユーザー名を変更してから、ファイル名「standard.dio」の部分を削除した部分をデスクトップにショートカットとして置いておくと大変便利です。ファイルが保存されているフォルダのショートカットです。ダイオード以外の部品も編集できるようになります。知識は必要ですが。

ユーザー名とはなんぞや?という場合には以下の手順でも表示できます。

ファイラーやエクスプローラー等で「c:\users\」(「\」は「¥」キー)と入力すると、「パブリック」という名前のフォルダと並んで、私の例であれば、「gea02」というフォルダが出てきます。このフォルダー名がそのまま上の式に入れるべきユーザー名となります。

「C:\」で検索した結果(「\」は「¥」のキー)
この絵はユーザー名を確認するための画面で、
このフォルダからは目的地に到達できません。

ここで該当するユーザー名のフォルダ「gea02」を降りていっても「AppData」などというフォルダは表示されません。Windows 10以降?の仕様のようです。

なので、上の「c:\」で始まる文を一旦テキストエディタなどにコピー(文全体を選択して「ctrl」+「c」)・ペースト(文全体を選択して「ctrl」+「v」)して、文中の「gea02」の箇所を自分のユーザー名と入れ替えて、文頭から文末までをコピー(「ctrl」+「c」)し、テキストエディタを立ち上げてから「開く」にして、ファイル名に上の文のユーザー名を置き換えたものを直接入力(ペースト;「ctrl」+「v」)すると、LTspice起動時に読み込まれる「standard.dio」が開きます。以後、この手順で定義ファイルの編集作業が可能になります。上で述べたとおり、デスクトップにフォルダのショートカットを置いておくと大変便利です。テキストエディタは私はフリーの「TepaEditor」を常用しています。

standard.dioの中身

文頭が「*」印の行はコメント文で、シミュレーションに影響しないメモです。

初期設定では恐らく、上の画面と同じようになっていると思うので、5行目からの

「.model 」で始まる文の一番上の行に、

.model 2835 D(Is=.27n Rs=0.0011 N=6.79 Cjo=42p Xti=100 Iave=20m Vpk=5 mfg=TapeLED type=LED)

と1行挿入追加して(改行なしの1行で上の文をコピペ)、上書き保存します。

「2835」の設定をリストに追加

次から「2835」というモデル名がダイオードリストに追加され、一番最初に出てきます。

以後、設定値を変更する場合にはこの手順でテキストエディタで数値を変更します。

かなり、横道にそれてしまいましたが、これは実は横道ではなく、初期設定のままの限られたモデルでは、いずれ必ず必要になってくる作業かと思われますので、覚えておくと大変便利です。

一定の期間が過ぎると「データファイルをアップデートするか?」と起動時に聞いてくるようになります。その都度更新されると追加したデータは消えてしまうので、再編集が必要になります。長期で使っていると度々開く必要がありそうです。

 

高密度テープLEDの回路(2835モデル)

さて、ではLEDの種類をダイオードリストから「2835」に変更して(15箇所全部)、

高密度テープLED「2835」12.5cmの回路図

とします。

もちろん、「NSPW500BS」のままご使用いただいてもそれほど大きな差にはなりません。

このままプレイボタンでシミュレーションを実行すると、Logファイルには、電源電圧が12Vのとき、D1を流れる電流値が記録されます。

上の回路でD1を流れる電流値


この数値を5倍すると回路を流れる電流値となります。すなわち、1車両分のテープLEDに流れる電流値です。

12Vのとき、「0.016843」となっていますが、単位がアンペアなので、16.8mAです。これはD1を通過する1区画分で、12.5cmの1本分では、5区画分並列なので、これを5倍すると、16.8✕5=84.0mAです。これが151Ωの抵抗の付いた高密度テープLED12.5cm1車両分を流れる電流値です。

同様に、このテープLEDの抵抗が101Ωの場合は「.param R=151」を「.param R=101」、68Ωの場合(これだけ抵抗表示が他とちがって「680」と記載されていますが、実は最後の一桁は10のべき乗数です)には「.param R=68」に変更して実行します。68Ωに当たる確率はごく希です。

途中省略して、1車両分の高密度テープLEDを流れる電流は、張り付いている抵抗Rにより、

高密度テープLED12.5cm(5区画分)の場合

R=151Ωのとき、回路を流れる電流=84.0mA、

R=101Ωのとき、回路を流れる電流=117.3mA、

R=68Ωのとき、回路を流れる電流=161.7mA

と計算されます。

テープLEDについている抵抗値の数字はルーペを見ないととても見えませんが、何げに最大と最小では2倍近い開きがあるので、使用前には注意して見てみることにします。

さて、それでは、通常密度の場合はどうでしょうか。

 

通常密度テープLED10cmの回路

試行錯誤の結果、LED規格そのものには通常密度と高密度の違いはなさそうなことがわかっていますので、上の並列回路の2つ分だけ計算すればよいことになります。

上の回路の、D4とD7を結んでいる線を削除(ツールバーの「✕」)します。

切断前の回路を一応、「高密度」とかの名前で保存しておいて下さい。あとでまた使います。

D4とD7を結ぶ線を削除
これが早い話、通常密度テープLEDと等価の回路です。
右の3つは全く機能しません。

で、右の3つの回路は目障りなので、矩形選択して削除してしまいます。

通常密度10cm(2区画分)の回路

通常密度10cmのテープLEDの回路はこうなります。

これでシミュレーション実行すると、ログは、

抵抗値151Ωの通常密度10cmでのシミュレーション結果(D1を流れる電流値)

当然ながら、上の高密度のときの5区画分の回路で求めたD1を流れる電流と全く同じです。

1車両分の通常密度10cm(2区画分)の回路を流れる電流値は、出てきた1区画分のD1を流れる電流値を2倍することになります。

上と同じように、テープLEDについている抵抗値に応じて、Rを変えて計算します。

その結果を2倍すると、通常密度10cm1車両分の回路電流になります。

テープLEDの抵抗により、1車両分の回路電流は、途中省略して、

通常密度のテープLED10cm(2区画分)は、

抵抗値151Ωの場合、33.69mA、

抵抗値101Ωの場合、46.94mA、

実際には、通常密度に68Ωの例はなく、代わりに221Ωがあります。これも希です。

抵抗値221Ωの場合、24.53mA

となります。

概ね、通常密度の1車両分のテープLEDの回路を流れる電流値は24~47mAという感じです。最も多いのが151Ωと考えると、まあ、30~40mAといったところでしょうか。

 

高密度テープLED回路の改善策

長くなりましたが、この辺の回路電流(30~40mA付近)を目標に、高密度テープLED回路の電流値を抵抗を追加して調整したいと思います。

再び、高密度の回路に戻って、今回の検討は高電流への対策なので、比較的電流値が高く、当たる頻度の高そうな、テープLEDの抵抗値は101Ωを基準とします。

「.param R=151」文の「151」を「101」に変更します。

次に、回路図のV1とD1の間に抵抗R6を挿入します。線上に配置すれば自動で結合してくれます。

抵抗値は「{R2}」{波カッコです}として、また「.param」文で追加する抵抗の初期値はとりあえず56Ωとでもしておきます。ゼロは指定できません。

ここからは、R6両端の電圧と抵抗値から計算した電流値(電圧/抵抗値)を5倍すれば、回路全体を流れる電流値がわかります。

「.meas」文の「I(D1)」を「I(R6)」に変更します。

V1とD1の間にR6を追加

シミュレーションと同時に、実際に101Ωの高密度テープLED12.5cmで回路電流と抵抗両端の電圧を測定するための回路を組みます。

まずはテープLEDについている極小抵抗の両端にワニグチクリップを噛ませて、

下の写真の左の全オート設定のテスターで抵抗値を測定します。

下の写真の右のテスターは電流測定モードにして、

・赤棒を電源出力「+」にワニグチクリップ(以下省略)で接続、

・黒棒を追加抵抗の入力側に繋ぎ、

・追加抵抗の出力側をテープLEDの「+」極に繋ぎ、

・テープLEDの「ー」電極と電源の「ー」を繋ぎます。

これで測定回路の完成です。

 

左のテスターはオートレンジだけでなく、オート測定モード設定なので、回路に電流が流れていない状態では、抵抗両端の「抵抗値」を計測し、電流を流すと自動的に抵抗両端の「電圧」計に変わります。大変便利です。

オートでない場合には必ず電流を流さない状態にしてから測定モードを「抵抗」から「電圧」に切り替えてください。

101Ω高密度テープLEDの抵抗値を確認

回路に電流が流れていない状態では、テープLEDの抵抗値は確かに、101Ωです。

回路に電流を流すと左のテスターは自動的に電圧計に切り替わります。ひえっ。

ただし、抵抗値が既定値(50Ωが多い)以下だと、通電モードに切り替わりピーピー鳴りますが、10Ωまで、きっちり値は表示してくれます。

 

次にテープLEDの抵抗からテスターを外し、回路内に電流計を噛ませて回路全体を流れる電流を測っておきます。12Vかけた時、回路内を流れる電流は116mAでした。

以降、手持ちの抵抗値に合わせて10Ωから680Ωまで、都度取り替えて追加した抵抗の両端の電圧と回路の電流を測ります。

56Ωはダイソーのコルク型チップLED点滅型に付属のもの、558Ωはアマゾンで買った3V用チップLEDの12-14V対応用に添付されていたものです。それ以外は購入したアマゾンで抵抗30種20本(670円程度)のものです。アマゾンのものは最後に紹介しています。ダイソーのものはもう売ってないようです。使われているチップLEDはアマゾンで購入したものと全く同じ仕様のようなので、自作してもいいかもです。

 

手持ちの抵抗11種
左から、10Ω、22Ω、56Ω、100Ω、150Ω、200Ω、270Ω、470Ω、510Ω、558Ω、680Ωです。

 

例として、100Ωの抵抗を電流計テスターの後ろに繋いで12Vかけた時の状況が以下のようになります。

追加抵抗が100Ωのときの抵抗端電圧(左)と回路の電流(右)
抵抗端電圧2.994V、回路電流30.63mAです。
テスターの文字が読めるように絞っているため、
写真では実際よりかなり明るく写ります。
実際はもう少し暗めですが、それでも充分な明るさです。

実測による測定結果とLTspiceで同じ抵抗値(10Ω~680Ω)でシミュレーションした結果の比較をしたものが下表です。

左の列から、追加抵抗の値、回路に組み込んだ電流計の実測値、追加抵抗の両端に噛ませた電圧計で測った抵抗端電圧、抵抗値をチェック、LTspiceの計算における2538モデルと既存のNSPW500BSの順です。

シミュレーションでは抵抗値にゼロは指定できないので、追加抵抗のない時のModelの電流値はI(D1)を5倍したものです。

テープLED高密度12.5cm抵抗101Ωで実測 LTspice (mA)
追加抵抗(Ω) 回路電流I(mA) 抵抗端電圧V(V) R (V/I) 2538Model NSPW500BS
なし 116.0 -   117.27 103.26
10 84.2 0.83 10.10 84.21 77.10
22 65.6 1.42 21.65 63.74 59.75
33  あとで あとで 後ほど 52.49 49.83
56 38.15 2.13 55.78 38.74 37.34
100 30.63 2.99 97.75 26.27 25.65
150 20.28 3.04 149.90 19.48 19.15
200 16.8 3.32 197.62 15.59 15.38
270 13.13 3.52 268.09 12.26 12.14
470 8.03 3.75 467.00 7.75 7.71
510 7.8 3.96 507.69 7.24 7.20
558 6.98 3.72 532.38 6.70 6.67
680 5.99 4.05 676.13 5.66 5.64

「2835」モデル、元の「NSPW500BS」より実測値ととても良い一致率です。

追加抵抗の値と回路電流Iの値でグラフ化してみると、

追加抵抗R6と回路電流の関係
そのうち33Ωが入手できたら実測します。


殆ど線上といっても過言ではないでしょうか。まあ、モデルさえ合っていれば、そんなに外れる要因の多くはない測定です。

と、いうわけで、追加する抵抗値としては56Ωあたりから、回路電流は40mA以下となりますが、あとは光量との相談になります。なので、実測が必要なわけです。

150Ωより大きい抵抗値では、「むしろ通常密度より少し暗いかな」、といった光量となる感じです。

40mAというのもちょっと値として大き過ぎる感じもなきにしもあらずですが、元の値117mAに比べれば、可です。

今回の検討の結果、高密度テープLED12.5cmでは間に50~100Ω程度の抵抗を挟むのが光量を大きくは損なわず、消費電流も56Ωでは120mA付近から40mA以下へと一気に1/3に落にちてくれます。100Ωにすると4台分ぐらい増やせる勘定です。30Ω程度の追加抵抗でもかなり消費電流(50mA程度?)は落ちそうな感じです。

上の表のチェック用抵抗値R(V/I)の欄からわかるように、回路に抵抗を組み込むと、抵抗両端の電圧を測るだけで回路の電流が計算できるので、電流計は不要になります。

 

LTspiceで高密度テープLED12.5cmのよく見かける3種の抵抗値(68Ω、101Ω、151Ω)別に追加抵抗と回路電流を計算してみました。101Ωは上で示したものと同じで、実測とほぼ一致しているので、参考として実測値も掲載します。「明るさ」と「消費電力」で絞ると概ね下線赤字の範囲あたりが使いやすいのではないでしょうか。

テープLEDの抵抗値(3種)と追加抵抗による

回路の電流値

   
  実測回路電流I
(mA)
2538Model
回路を流れる電流(mA)
追加抵抗(Ω) 101Ω 68Ω 101Ω 151Ω
0 116 161.72 117.27 84.22
10 84.2 103.21 84.21 66.38
22 61 73.46 63.74 53.33
33 55.68 58.66 52.49 45.39
47   47.03 43.10 38.32
56 38.15 41.84 38.74 34.89
100 30.63 27.57 26.27 24.53
150 20.28 20.15 19.48 18.54
200 16.8 16.00 15.59 15.00
270 13.13 12.51 12.26 11.91
470 8.03 7.84 7.75 7.62
510 7.8 7.32 7.24 7.12
558 6.98 6.77 6.70 6.60
680 5.99 5.71 5.66 5.59

3種の抵抗値の高密度テープLEDの追加抵抗と流れる電流の関係(12V)

まとめると、テープLEDについている抵抗値とも関連しますが、概ね、

・新幹線や新しめの特急など、明るいのがお好みな人は50Ω付近かそれ以下、

・たくさん連結したい人は100Ω付近かそれ以上がよいと思います。

これより大きな抵抗になると白でもかなりノスタルジックな暗さとなっていきます。

一応、上表の範囲でみられるようなmAオーダーの電流が流れていれば点灯はします。個人的な好みによるところが大きいかと思います。実際に抵抗をいくつか入手して試して決めるのがよいと思います。

ほんとに測定してんのか~~?と言われないためにいくつか証拠写真をのっけます。

まずは、高密度テープLED(101Ω)12.5cm(1車両分;5区画分)に抵抗10Ωを追加したときの回路に、PWM電源で12Vかけた時の回路を流れる電流と追加した抵抗の両端の電圧の測定写真です。

高密度テープLED(101Ω)12.5cmに10Ωの抵抗を追加して12Vかけた時の測定状況
回路電流が84.2mA、10Ω抵抗の両端の電圧0.83V

次、追加抵抗を22Ωに交換して同じ状況で12Vかけたときの状況です。

高密度テープLED(101Ω)12.5cmに22Ωの抵抗を追加して12Vかけた時の測定状況
回路電流が65.6mA、22Ω抵抗の両端の電圧1.42V

ちょっと飛んで、100Ω。

高密度テープLED(101Ω)12.5cmに100Ωの抵抗を追加して12Vかけた時の測定状況
回路電流が30.6mA、22Ω抵抗の両端の電圧2.99V
ほぼ通常密度10cm程度の電流値です。

これは既出でしたかね。

テスターの文字に絞りを合わせているのでわかりづらいですが、抵抗が増えるに従って、光量が少しずつ減っているのがわかるかと思います。100Ωの追加抵抗でも充分に思われます。

その他の抵抗値については省略しますが、通常密度や電球色との比較写真は最後に掲載します。これも写真だと実にわかりにくいのですが、一応。

 

作戦実行

というわけで、早速実用品を工作します。100Ωで16本程試作してみたいと思います。

実際には抵抗を変えて1本ずつ作成するのが大吉ですが。

100Ωの抵抗を100個調達しました。760円でした。

価格的にも作業的にもギリギリのサイズです。

 

長い脚を切って、両方の足がほぼ同じくらいになるようにして、かつ総延長の長さが1cm程度になるように切断します。ニッパで挟んで、抵抗を持ってねじるようにするとダイソーのニッパでも簡単に切れます。力はそんなにいりませんが、少しは噛ませてからねじって下さい。

100Ωの抵抗
足を含めて1cm位の長さにします。

ブリッジダイオードは省スペースで経済性の高いMB10Mを使います。極性のない方の足を伸ばして並べて固定します。

MB10Mを16個、万力に固定

固定すると流れ作業的に効率が上がります。

リード線はタミヤのパイピングケーブルΦ0.5mmのもので、長さは基本4cmで、抵抗をつける方は3cmよりちょっと長い位(3cm+ハンダ付け分、5mm程度か)にします。で、交互にハンダ付けしていきます。どっちがどっちでも構いません。とにかく、1つのブリッジダイオードに1つの抵抗がついていればOKです。長さはリード線の先端位置で揃うようにします。

抵抗とリード線をハンダ付け
リード線の全長は4cmです。

こんなのが16個、あっという間にできてしまいます。

ブリッジダイオードと抵抗とリード線
極力、足の先端の位置が揃う長さにした方が吉

このリード線の先端に4cm棒状銅板をはんだ付けします。

電極側が完成!
熱収縮チューブで片側の足の接続部を絶縁しておきます。

一応、銅板のハンダ付け前に、抵抗のない方のリード線とのハンダ付け箇所は0.6mmの熱収縮チューブで被覆絶縁しておきます。以後の作業性がぐっと上がる気がします。

で、ブリッジダイオードの手つかずの方の足の極性を合わせてテープLEDにはんだ付けします。上の配置でいくと、テープLEDの極性は立てて見て、右側の電極が「+」になるようにして一番上の電極部の防水樹脂の被覆を剥がしておきます。重さのあるものに固定してハンダ付けするとやりやすいです。

電極側ブリッジダイオードの足をテープLEDにハンダ付け

あとは淡々と、1本ずつ、丁寧に。

あっという間に16本完成~~(写真は10本ですが)
これ全て通常密度10cm以下の消費電力!!

作業的にはそんなに困難ではありませんが、老眼が進んでいるとちょと厳しいです。

この作業に限ったことではないのですが。特にテープLEDの極性に注意。

 

光量比較(写真だと分かりづらいです)

では、早速光量の比較です。

まずは、無抵抗と追加100Ωの光量比較。

追加抵抗なし(上)と100Ωの追加抵抗あり(下)の比較
どちらも高密度(101Ω)12.5cm、
写真ではわかりにくいですが、実際はそこそこ違います。

写真では非常に分かりづらいですが、肉眼ではそこそこ違いがわかります。

もともとの光量が目に刺さる感じなので、むしろちょうどいい感じです。

次、無抵抗の通常密度151Ω10cmとの比較。通常密度の101Ωがなかったため。

高密度(101Ω)12.5cm白+追加抵抗100Ωと通常密度(151Ω)10cmの比較

追加100Ωでも追加抵抗なしの通常密度(151Ω)より結構明るい感じです。

次は白色と電球色(温白色)との比較(どちらも張り付いてる抵抗は101Ω)

白色(上)と電球色(下)の比較
写真では白色はかなり青みがかっていますが、
肉眼ではほとんどわかりません。

絞りを周辺に合わせ直すと、

白色(上)と電球色(下)の比較
写真は目視と全く様相が異なります。
ただ、違いははっきりしています。
これほんとに電球色か~?
ということはまずありません。

以上、100Ωの抵抗を高密度テープLEDに組み込んでみました。光量は好みです。といっても光量と電流値に対する効果を考えると、選択肢はそれほど多くはなく、50~100Ωの範囲での検討かと思われます。古いノスタルジック車種などではむしろもっと大きい抵抗でもいいかもしれません。

高密度テープLED使用で電源容量不足でお悩みの方、ご参考まで。

 

使用した部品類のご紹介

・熱収縮チューブ内径0.6mm

ブリッジダイオードの足とΦ0.5mmリード線のハンダ部に使用した、熱収縮チューブです。1箇所につき、1cmもあれば充分です。1000円ちょっと、この内径だと結構します。

 

・抵抗30種各20本

いろいろと検討したい時に便利です。639円。

 

・3V用チップLED

いまは見かけませんが、ダイソーのコルク型点灯・点滅型照明に使われているものと同じ仕様のようです。30本で699円。

 

・抵抗100Ω✕100本

100本で760円。30種✕20本と比べるとかなり割高。

 

高密度テープLEDの「電球色」はほんとに「電球色」なのか?

本日は、かねがね疑念を抱いていた、高密度のテープLEDの「電球色」についての話題です。

ここで言う「高密度」とは2.5cmの区間に3灯のLEDと1個の抵抗がついたもの、「通常密度」とは5cmの区間に3灯のLEDと1個の抵抗がついたものと、勝手に定義させていただきました。一般用語ではありません。

通常密度の「電球色」と比べると、高密度の「電球色」があまりに明るく、とてもノスタルジックに見えず、実際には「白色」寄りなんではないかと疑問に思っていたのですが、アイホンで面白いアプリを見つけたので、実際にこれを使って色温度を判定してみたいと思います。

 

使った色温度計は、「ホワイトバランスAI-KEV」という名称ですが、アップルストアで「色温度計」とやると一発で出てきます。

これは無料ではなく、照度計と合わせて600円位だったかと思います。私が購入したこの600円はサブスクではないです。

iphone色温度計アプリ

これで室内灯用テープLEDの「白色」と「電球色」の色温度を実際に測ってみたいと思います。

テープLEDについてる抵抗値もそこそこバリエーションがあったので、抵抗値で色までかわるのかどうかなどもついでに。

一般に単に「色温度計」で調べてみると、やはりLED関係の参考資料が多く、概ね「白色」では7000~8000K(単位;Kケルビン)、「電球色」では2000~3000K付近、3000~4000Kが「温白色」となっているようです。

使用したのは、高密度3灯/2.5cmの「白」と「電球色」、通常密度3灯/5cmの「白」と「電球色」のそれぞれ1区画3灯分で、抵抗の値の異なるモノをいくつか。

測定はテープLEDにPWMコントローラで12Vかけた時の、

・テープLEDに最初からついている抵抗両端の電位差(V)、

・抵抗値と電位差から計算した電流値(I)、

・実際に測定した回路に流れる電流(I)と、

色温度を測ってまとめてみました。

測定回路はいつもと同じですので、省略です。

結果を表にすると(抵抗値順です)、

LED密度 LED数 抵抗表示 抵抗値
(Ω)
A
12V時ー抵抗端電位差
(V)
B
計算I (mA)
B/A
実測I
(mA)
色温度(K)
通常密度 3灯/5cm 電球色 221 219.8 3.28 14.9 14.4 3934
通常密度 3灯/5cm 電球色 151 149.3 2.86 19.2 19.0 3801
通常密度 3灯/5cm 白色 151 148.9 2.90 19.5 19.1 7255
                 
高密度 3灯/2.5cm 白色 151 151.0 2.95 19.5 20.5 7423
高密度 3灯/2.5cm 電球色 151 152.4 3.27 21.5 22.6 3771
高密度 3灯/2.5cm 白色 101 100.1 3.01 30.1 30.7 7343
高密度 3灯/2.5cm 電球色 101 100.1 2.99 29.9 29.6 3935
高密度 3灯/2.5cm 白色 680 67.9 2.45 36.1 34.5 7240

 

「白色」は高密度・通常密度にかかわらず、どちらも7300K付近で、電球色はいずれも3700~4000Kでした。

実際のアプリ画面のスクショは表の上から順にこんな感じです。

通常密度「電球色」221Ω;3934K

通常密度「電球色」151Ω;3801K

通常密度「白色」151Ω;7255K

おおお。次は高密度です。

高密度「白色」151Ω;7423K

高密度「電球色」151Ω;3771K

高密度「白色」101Ω;7343K

高密度「電球色」101Ω;3935K

高密度「白色」68Ω;7240K

まとめてみると、

「白色」は7200~7400Kの間、「電球色」は3700~3950Kの間

・抵抗値の値は色温度には有意と言えるほどの差を及ぼさない、

・各色ごとでは、密度(通常・高密度)の違いでは色温度には大きな差はない

ということがいえそうです。

上述のとおり、高密度の「電球色」は、かなり明るく、もっと「白色」寄りかと思ってたのですが、全く通常密度の「電球色」と同じ範囲内の色温度でした。これはかなり意外でした。ただ、実際には「電球色」の測定色温度は、3000K台後半~4000K付近で、色温度のカテゴリー的には「温白色」と呼ばれる領域でした。抵抗噛ませてより暗くするともっと電球色っぽく見えるかもしれません。

テープLEDの抵抗値および電流値については、照度に影響しそうですが、これは正確に同じ距離で測る手段がちょっと思いつかないので、とりあえず保留です。

 

結論

・高密度も通常密度も「電球色」は「温白色」でした。

色温度にテープLEDの密度の違いはありませんでした。

ちなみに、実際に色温度計を試される場合には、まっ暗闇の環境にしてから色温度を測って下さい。

 

 

XIAOKOA ギターワイヤレスシステム ワイヤレスギター送受信機(初Temuの感想)

今回は全く鉄道模型とは関係ありません。

ワイヤレスギター送受信機をポチってしまいました。557円ですとなっ!

ワイヤレスギター送受信機(557円)

初めて使ったTemuですが、2100円以上でないと購入できないというので、

大鏡レンズ8種付きを買ってしまいました。

レンズ8種付き拡大鏡(1905円)

初めて使うTemuでしたが、特に問題もなく、4~5日で届きました。

まずはワイヤレス送受信機の方ですが、怪しげではありますが、ちゃんと日本語の説明書が付属です。他に2本同時に充電できるUSBケーブルとピック。

ペアリングは全く問題なく、あっという間に使えるようになりました。

ただ、アマゾンのレビューでも見られるように、音がかなりこもったというのでしょうか、中低音が大きい感じがします。

結構お高い。いや、10倍やん。

あと、ノイズリダクションが働いているようで、接触不良になると音が全く出なくなります。最初は故障かと思いましたが、久々に引っ張り出してきたギターアンプのボリュームの接点不良でした。安全保護回路と考えるとよくできてます。バチッという音がありません。これはこれですごいかも。

しかし、一方で、これが高音を下げているかもしれません。わかりませんが。

2時間の充電で6時間は持つそうです。まだ使ってませんが。

まあ、安かったので人柱覚悟でしたが、ちょっと使えるのかどうか、好みが分かれるところかと思います。若干音がこもっています。

 

大鏡の方は、作りはちゃちいのですが、一応、目的は果たしてくれます。

ただ、人によって目の間隔が違うのが調整できません。目の方で合わせているので結構疲れます。

LEDの方は横方向のヘディングを変えられるのですが、これが硬い。ボロっと取れたりします。スイッチと一体なので、調整し辛いです。使いづらいの一言です。

ただ、うまく調整できるとそこそこ便利です。

電池が片側ボタン電池(LR1130)3個、勘弁願いますよ。アマゾンでは別売りとなっていますが、こちらはちゃんと左右とも入っていました。LR1130というのは、よく見るLR44ではなく、LR54の互換だそうです。そんなに高いものでもありませんが、コンビニとかではあまり見かけた記憶がありませんね。

レンズはいろいろ揃っており、2.5x、4x、6x、8x、10x、15x、20x、25xとなっています。低倍率はいいのですが、倍率が上がるに従って、左右の焦点が合わせづらくなっていきます。25xになるとほとんどどっちか片目でないと見えません。

アマゾンの方がバリエーションが豊かです。「拡大鏡 メガネ ライト付き」で検索するといろいろ出てきます。

これと同じものですね。

アマゾンの方が安いっ。ムスッ。金額調整なら化石でも買えばよかった。

まあ、こんなもんですかね。ライトがつくので老眼鏡代わりとしてはまあまあですが、実用性は低いと考えた方がいいかもしれません。とにかく視界が狭いっ!

レンズ単体ではルーペとして充分使えるので、8種類のルーペを2個ずつ買ったと考えます。結構便利。しかしDAISOの100円メガネ何種類買えるでしょうかね。

もっとじっくり探すと、左右間の間隔が変えられるものもあるのかもしれません。

 

今回は初Temuの感想でした。

返品・返金体制もしっかりしており、届いた後も「気に入りましたか?返品しますか?」みたいなメールが来て、丁寧と感じました。商品はあんまし丁寧ではありませんでしたが、返品するほどの欠陥品でもありませんでした。

テスターなどもアマゾンと価格があまり変わりません。

まあ、たまたま、このHatenaブログの横っちょに期間限定セールで出ていたのでポチってみましたが、そこそこおもしろかったです。衝動ポチは決しておすすめできる行為ではありませんので充分ご注意ください。Temuは前から気にはなっていたのでした。

想像していたよりは早く着きました。4~5日といったところでしょうか、想定到着日数が設定されており、これより遅れた場合にはクーポンをお渡ししますと、かなりの気遣いよう。いんでしょうか、イタレリツクセリで採算が採れるのでしょうかね。

メーカー・小売業者をシバいてないといいのですが。

送料とかどうなってるんでしょうか。なんと、普段は置き配のヤマトで手渡しで届きました。

 

総合的にはどっちもなんかいまいちかな~、という感じでした。多分、2度と利用することはないと思いますが、どちらもなんとなく、作った人の努力と苦労が感じられて、そんなに嫌いにはなれませんでした。もともとがジャンク好きなもので。

そこそこ気に入ったのでご報告いたしました次第です。

Temuはアメリカに本社があって、中国系の方が運営されているようですが、商品の品質はさておき、顧客に対する運営の方針には日本人の感覚に近い丁寧さを感じました。

 

LEDを鉄道模型用12V電源で使用するときの抵抗値の決め方(3/9少し追記)

今回の人柱はAMAZONで購入した30本入りのチップLEDという商品です。

チップLED30本入り699円

 

この商品は、使用する電源電圧を上の写真のように3つの区間に区切って、3種類の抵抗が添付されています。とても丁寧です。おそらくもともと低電圧用なのでしょうか。

12Vで使用するときに指定されていた「9V-14V」と書かれている抵抗と並べて見ます。

実際に測ってみると、複数のテスターで最も確からしい数字が「558Ω」と出ました。

チップLEDと9-14Vの電源で使用する時の抵抗558Ω
スマホのアプリで抵抗に記載サれている帯の順番に色を入力してあげると
抵抗値を割り出してくれる便利なものがいくつかあります。

この時の回路をLTspiceで考えてみます。

「Voltage(12V)」と「Register(558Ω)」を配置して、「LED」を一個配置します。電源の「ー」極とLEDの行き先を「GND」へ接続します。

LEDと558Ω抵抗1個、電源12Vの回路の作成

 

シミュレーション条件はとりあえず、

「Simulate」→「Configure Analysis」→「DC sweep」タブで、

・V1をLinear(直線的)に0Vから12Vまで、0.5V刻みに設定しておきます。

シミュレーション条件の設定

チップLEDと558Ω抵抗1個と12V電源の回路

おっと、LEDの条件が設定されてません。

このままでは計算できないので、LED「D1」の本体三角形付近を右クリックします。

LEDのシンボル(▽付近)を右クリック

上から3段目、「Pick New Diode」をクリックします。

LEDに限らず、ダイオードのリストが出てきます。試行錯誤の結果、一番近そうなのが「NSPW500BS」でしたので(一番最初に出てくる「type」が「LED」のもの)、これを選択して「OK」します。

ダイオードリストの中から「NSPW500BS」を選択

回路図はこんな感じになります。

チップLEDと558Ω抵抗と12V電源の回路

先日ご紹介の「.meas」文を使って、

・電源12Vのときの抵抗両端の電圧V(R1)とLED両端の電圧V(D1)

・その時のLEDを流れる電流I(D1)

を設定したいと思います。

「.meas」文を使って、Logファイルに記録

これで、一旦、Simulationを「PLAY」してみます。

この状態で「PLAY」すると、起動はしますが、ログ・ファイルの中の「VR」と「VD」の項目はエラーが出ます。

ログファイル中のエラー

電流値「id」は15.7mAと出ましたが、電圧は「V(R1)」「V(D1)」どちらもエラーです。

電圧値の指定の文法が間違っているためです。

シミュレーションを開始している状態で、回路図上の抵抗の両端を赤いテスター棒が出た状態で電源側から順に指定してあげると、グラフに抵抗両端の間の電圧の曲線が現れます。

抵抗両端を指定して電圧値を測定

12Vの時、概ね8.8V位ですが、それよりまず、グラフの上の赤字の表題を見て下さい。

抵抗両端の電圧は「V(N001,P001)」となっています。

同じことをLEDの両端で指定してあげると、グラフは(同じ値を2回指定すると前のグラフは消えます)、

LED両端を指定して電圧を測定

12Vの時、LED両端の電圧は概ね3.3Vと出ています。それよりまず、グラフ上の表題を見ると、

LED両端の電圧は「V(p001)」と表示されています。

これに従って、「.meas」文の電圧の文法の誤りを修正します。

上の「.meas」文の,

・「V(R1)」を「V(N001,P001)」に、

・「V(D1)」を「V(p001)」に修正します。

修正画面では、一番下のコマンド文を直接修正した方が早いです。

V(D1)をV(p001)に修正

で、直したものをもう一回「PLAY」してログファイルをみます。

ログファイルの中身

今度はちゃんとエラーなくでました。

抵抗両端の電位差は8.8V、

・LED両端の電位差は3.2V、

LEDを流れる電流は15.7mA

と出ました。2つの電位差を足すと、当然ですが電源電圧と同じ12Vとなります。

今回のチップLEDの12V使用時の推奨抵抗558Ωから察するに、推奨電圧は約3V、推奨電流値はおおよそ16~20mAといった感じです。電源が多少12Vを超えることを想定されているのかもしれません。いや、この抵抗値で14Vまで対応でした。

LEDの購入時に大抵は電圧と電流値が明記されているのが普通ですが、明記されていないものもあります。

3V基準のLEDであれば、12V電源で使用するとき、

・LEDを流れる電流が20mA付近、

・抵抗両端を流れる電流も同じなので、

・12V電源の場合には、抵抗両端で、12-3=9で、抵抗両端の電位差が9V、

・流れる電流が10~20mA程度となるように、

抵抗値を決めてあげるとよいことになります。

 

抵抗の両端が12-3=9V、抵抗を流れる電流が20mAとなるための抵抗値は、

V=IRから、R=V/Iで、

R=(12-3)(V)/(20*10^-3)(A)=450(Ω)

となって、だいたい、450Ωあればよいと計算できます。

・LEDの推奨電圧が3V以外の場合には、上の式の太字「3」のところを該当の電圧値に変えて計算すれば、20mA推奨のLEDの適切な抵抗値が計算できるというわけです。

・推奨電流が20mAでない場合には「20」のところを推奨値に置き換えます。

・電源出力値が12Vでない場合には上の「12」のところを該当の電圧値にします。

これで大体の抵抗値の目安が特定できます。

たくさんの種類の抵抗を複数本組み合わせたものが、AMAZONで格安で売っていますので、こういうのを準備しておくと、いろいろ輝度を変えたりできて楽しいかもしれません。

抵抗まとめ売り10-1MΩ30種✕20本659円

 

麦球のような電球の場合は、1.5Vの作動電圧でも消費電流が100mA近くあったりします。ので、モノによって変えてあげる必要はありますが、いずれの場合も、上の式の該当する箇所だけ変えればいいです。

 

今回のチップLEDでは、450Ωの抵抗値に対して558Ωなので、12Vジャストでは多少暗め側に設定されているようです。実際に測ってみたのがこちら。

青いテスターで回路を流れる電流、

赤いテスターで、抵抗両端の電位差を測りました。

このときの100%出力の電源電圧は12.27Vです。

RFコントローラで最大出力時の回路を流れる電流と抵抗両端の電位差
青いテスターで回路を流れる電流(15.85mA)、
赤いテスターで抵抗(558Ω)両端の電位差(8.72V)を測定

結果、

青いテスターで回路を流れる電流(15.85mA)、
赤いテスターで抵抗(558Ω)両端の電位差(8.72V)

シミュレーション結果とかなりよい一致です。

チップLEDはこのダイオードモデル(MSPW-500BS)を使うとよいかもしれません。

 

最初に戻って、

不明のLEDを使うときは、いきなり12V電源を使わず、まずは、3Vのボタン電池(CR2032など)直結で点くかどうかを確認してみて、点くようであれば、使う抵抗は450Ω付近を目安とし、

点かないようであれば、上記のように、それより低い抵抗値でよいと思われます。300Ω付近の抵抗を用いて、12V電源で、

・抵抗両端の電圧

を測ってあげれば抵抗を流れる電流値が計算でき、その時の点灯具合で抵抗値を変更すればいいと思います。

 

実際にボタン電池で測定

このチップLEDは3Vのボタン電池直結で点灯します。

ですが、1.5Vの乾電池では点灯しません。すなわち、LED両端の電位差が3V以上であれば点灯します。

直結でもつくのですが、電流を計算するためにあえて抵抗を繋ぎます。抵抗を558Ωからより低い値の56Ωに変えてボタン電池1個で測定してみました。

たいていのテスターの導通テストでピーとなるのは50Ω以下となっており、これより低い抵抗値を「導通」とみなしています。読み取り誤差を含めても56Ωあれば、どのテスターでも「抵抗がある」と認識してくれます。

3Vボタン電池1個でチップLEDを点灯(抵抗56Ω)
この回路では、抵抗を56Ωのものを用いています。
実測値は左から、抵抗端の電圧(0.137V)
真ん中、ボタン電池の電圧(2.97V)、
右、回路を流れる電流(2.47mA)です。

3V-2.47mAだと明るさはまあまあかな、という感じです。写真だとかなり明るめに写ります。またテスターが1個増えました。そのうちご紹介します。これ結構いいです。オレンジのやつ。

LTspiceで再現

3Vボタン電池1個でチップLEDを点灯(抵抗56Ω)

3Vボタン電池1個でチップLEDを点灯(抵抗56Ω)のログ
V(R1)は0.15V、
V(D1)は2.85V、
I(D1)は2.7mA
実測値とまあまあの一致率でしょうか。

ここで、抵抗を558Ωに戻して、次はボタン電池2個直列で測定してみます。

56Ωのままボタン電池2個直列(6V)にすると、計算上、回路を流れる電流は26mA程度となり、ちょっと怖いため、以後558Ωの抵抗を使って少しずつ電源電圧を増やしてみます(といっても後1回ですが)。

3Vボタン電池2個でチップLEDを点灯(抵抗558Ω)
この回路では、抵抗を558Ωのものを用いています。
実測値は左から、抵抗端の電圧(2.73V)
真ん中、ボタン電池の電圧(5.77V)、
右、回路を流れる電流(4.88mA)です。

電池が何故かヘタって2個直列で6V行ってませんが、

6V-4.88mA、558Ωでも結構明るいです。さっきよりかなり明るいです。

ここでもLTspiceで再現。

3Vボタン電池2個直列でチップLEDを点灯(抵抗558Ω)

3Vボタン電池2個直列でチップLEDを点灯(抵抗558Ω)のログ
V(R1)は3.0V

V(D1)は2.98V
I(D1)は5.4mA
まあ、そこそこの一致率ですかねえ。
抵抗値は違うものの、電流値はさっきの2倍です。

今度は同じ抵抗値558Ωのまま、9Vの乾電池で測定してみます。

9V電池でチップLEDを点灯(抵抗558Ω)
実測値:抵抗端5.88V,
電池電圧9.01V,
回路の電流10.55mAです。

9Vだとめっちゃ明るいです。

LTspiceで再現。

9V電池でチップLEDを点灯(抵抗558Ω)

ログを見てみます。

9V電池でチップLEDを点灯(抵抗558Ω)のログ
抵抗両端電圧5.87V

LED両端電圧3.13V、
回路電流10.5mA
実測値とほとんど同じです。

3Vのボタン電池を4個直列にすれば、完全な直流12Vを再現できますが、9Vでこれだけ一致しているので、もういいかなと。

 

結論

LEDの場合は、だいたい抵抗を流れる電流値が5~20mA(最大30mAもあり)の範囲になるように抵抗を選定するのがよいと思います。

まとめます。

詳細不明のLEDを鉄道模型12Vで使う前提では、

まず3Vのボタン電池1個を直結してみて、

・LEDが点灯すれば、450Ω付近の値の抵抗を用いて12V電源に切替え、12Vかけたときの抵抗両端の電圧を測り、抵抗値と抵抗両端の電圧値から電流を計算して、20mA付近が最大となるように抵抗値を決めてあげます。

・3Vボタン電池直結で点灯しないようであれば、恐らく6V付近以上の電源対応と思われ、比較的小さめの抵抗(300Ωなど)から始めて、12V電源に切り替え、点灯具合と電流値(抵抗の値と抵抗両端の電圧から計算)を眺めつつ、「暗いようであれば抵抗値を下げ」、「電流値が20mAを超えるようであれば抵抗値を増やし」などにより、適切な抵抗を決めればよいと思います。

抽象的な表現ですが、明るすぎるとLEDの寿命が短くなります。

今回は最大出力12Vでの検討ですが、実際に鉄道模型で最大出力で動かすことはほとんどなく、通常は6~9V付近でしょうか。ただ、最大出力で適切な電流値となるように抵抗値を決めておけば、LED破損のリスクがなく、寿命もより長くなりそうです。

かなりごちゃごちゃしてしまいましたが、おわかりいただけたでしょうか。

絵に書いてみると簡単に理解できると思います。

 

LTspiceをすでにお使いであれば、以下のような回路を作ってあげるとよりわかりやすいかと思います。

同じ規格の(チップ?)LEDを使って、異なる抵抗値のR-LED回路を並列に繋いでおいて、抵抗値をそれぞれ、手持ちの抵抗値に合わせて配置します。並列であればいくつ繋いでも構いません。各LEDに流れる電流値は変わりません。

抵抗値とLEDを流れる電流の検証回路
各抵抗値は手持ちに応じて任意に決めて下さい。

この回路は保存しておくと何回か使う機会があるかもしれません。

あくまで、LTspice上です。現実に作るといくつかのLEDは壊れるかもしれません。

上の回路のシミュレーションを実行すると、各LEDを流れる電流値のグラフはこんな感じになります。

上の回路で各LEDを流れる電流値
グラフは12Vのところを注目して下さい。

青いI(D1)が56Ω、12V流すと140mAも流れてしまいます。LTspiceだからできる検証です。

黒いI(D2)は200Ω、40mAを少し超えています。

赤いI(D3)は300Ω、ここでようやく殆どのLEDの規格範囲になんとか入りそうな、30mA弱となります。が、最大出力で20mA以下に押さえるのが長生きすると思います。

緑のI(D4)が400Ω、ここでやっと20mA程度です。

したがって、鉄道模型でチップLED1個を設置する際には最低でも300Ω以上(400Ω以上が望ましい)の抵抗を用いた方がよさそうです。ということが、LTspiceを使うと擬似的に実験できます。

これはもちろん、チップLED1個の場合です。

 

さて、参考までにテープLEDの場合はというと、

室内灯に使うテープLED固定されている抵抗には151Ωが最も多く、その他に101Ωや221Ωのものもあります。68Ωのものもありました。上の例に比べるとずいぶん小さい気がしますが、テープLEDでは1区画に3個のLEDが直列でつながっており、3個直列にすると、LEDを流れる電流値も変わります。LEDにも抵抗があるためです。

上の回路で抵抗値を少し変えて、LEDを3個直列にしてシミュレーションしたものが下図です。

テープLEDの検証回路
R1=68Ω、R2=101Ω、R3=151Ω、R4=221Ω、R5=450Ω、R6=558Ω
としていますが、この値は任意に決めて下さい。
このグラフでは上から4つ目まで(R1~R4)が実際にある抵抗値です。
グラフは12Vのところを注目して下さい。

テープLEDで一番多い151Ωは赤い線で示されていますが、最大出力12Vの時にだいたい15mA程度です(少し前の記事での実測では19mA程度でした)。この最大出力だと目に刺さるほど明るいです。

もちろん、チップLEDとテープLEDでは規格が多少異なる感じがしますが、先のチップLEDで9V電池を用いて558Ωの抵抗を噛ませて測った時の10.55mA程度でも、上の方にある写真で見られるとおり、目に刺さる感じでした。LEDでは10mAを超えるとかなり目に刺さるのかもしれません。最終的には実際に走らせる電圧値に合わせて目視で決めるのが一番いいと思います。安全な範囲の抵抗値を用いての話です。

テープLEDは抵抗が固定されているので変更はできませんが、個別にLEDをつける場合には、この辺に落ち着けるように抵抗値を決めてあげるのが無難なところでしょうか。

実際に回路を組まなくてもシミュレーションできるLTspice、ほんとに強い味方です。いろいろといじくってると、また新たな発見があるかもしれません。これオススメです。毎日、今日は何しようかな~~とワクワク感が半端ないです。結局何もしてないんですが。

 

課題

鉄道模型に適したPWM電源12V と乾電池やボタン電池のような純粋な直流電源とは、9-12V付近はいいのですが、低い電圧値での実測電流値が結構違います。

同じチップLEDと558Ω抵抗で、PWM経由の電源を1%刻みで変化させて測定した電流値と、今回のボタン電池および9V乾電池での電流値を同じ土俵にプロットしてみます。

PWM電源と電池の出力電圧ー電流曲線の違い(558Ω)
電池の出力の方がLTspiceの曲線に沿っている感じです。

青い点と線はチップLED+558Ωの抵抗で、今までのとおり(電源はAC/DCアダプターが出力12V最大出力電流1.5Aで、これにPWMコントローラーを繋いで出力Maxにして、その出力を)Bluetooth RFコントローラーで1%刻みで出力を上げていったときの回路を流れる電流値と線路両端の間の電位差(電源出力)を測定したものです。

オレンジと灰色の点はそれぞれ、ボタン電池1個および2個と9V乾電池を電源としたときの回路の電流値です。同じ電圧値でも、低い電圧の時ほどPWMとの違いが大きいです。

乾電池とボタン電池のような純粋な直流電源では、電圧ー電流の関係は、確かに、LTspiceでの曲線とよく似た形状を示していますが、鉄道模型用PWM電源ではほとんど直線に近い、というか、抵抗そのもののような最初から直線的な形状を示しています。

また、LEDの点灯に関しては、このチップLEDでも、テープLED同様、

PWM経由の出力では2%から点灯が始まっていましたが、このときの出力電圧(線路両端)は0.169Vです。違うテスターではもっと高い値の出るものもありました。

乾電池では3Vでは点灯していますが、1.5Vでは点灯しませんでした。グラフから電流値を推定して見ればなんとなく納得です。

PWM調光器のボリュームですが、実は電圧を出力している時間を調整するもので、そもそも出力電圧を変える性質の部品ではありませんでした。ただ、実際にテスターで測ってみると電圧値が変わっています。この理由はわかりませんね。テスターの受け取り方かもしれません。テスターによって、まさにLEDの調光具合と同じような反応を示していると思われます。

全自動レンジ切り替えのテスターで0-6Vの低い電圧でおかしな値が出るのも、この違いを正確に拾っているような感じがします。また、全自動でないモードおよびテスターによっては(True RMSと記載されているもの?)、0-6V間の電圧値の検出の仕方に違いがあるらしいこともわかりました。

一方で、Bluetooth RFコントローラーの%表示はPWM出力の最大値を100%としたときの電圧値に正確に一致しており、最初からPWM出力を前提として校正されているものと推察されます。ボタン電池4個直列にRFコントローラに繋いで、出力がどのようにかわるのかもためしてみる必要があります。そのうち。