以前にもお伝えしたとおり、高密度テープLEDは単純に同じ長さの通常密度テープLEDの2倍の電力を消費します。
特に、鉄道模型用では、通常密度は10cm以外に選択肢は殆どありませんが、高密度では最も多く使うのが12.5cmなので、1車両あたりで比較すると、通常密度10cmの2.5倍の電力を消費します。
実際に101Ωの抵抗の高密度のものを測定してみると、1本12.5cmで110mA程度と、連結すると10両行かないうちに1Aを超えてしまう現実です。動力車を連結すると、もっと少ない台数で動かなくなります。この高消費電力問題をなんとか考えたいと思います。
結論からいうと、テープLED自体に抵抗を追加することを考えます。
高密度テープLEDに最初からくっついている抵抗ですが、151Ωが最も多く、次が101Ω、稀に68Ωというのもあります。
うっかりしてましたが、実は抵抗表示の最後の一桁は10のべき乗数なので、最初の2桁が有効数字で、最後の一桁分「0」を加えます。「151」の場合は「15」に「0」を一個付け加えて150Ωが正解です。最後が「2」だったら152Ωではなく、1500Ωとなります。ここまできてから「680」を見て思い出しました。すみません。
まずはLTspiceで最も多い150Ωの測定値151Ωに従って回路を作ってみます。
高密度テープLED12.5cm(5区画分)の回路
高密度テープLED12.5cm分は5区画分の並列接続なので、以前に作成したテープLEDのLTspice検討用回路から以下のように作成できます。
ここで初めて出てきた「.param」文ですが、テープLEDの抵抗値を5区画分まとめて変更したい局面がありそうなので、変数Rとし、回路の全ての抵抗の数値の欄には波括弧「{}」を用いて「{R}」と記載しておきます。
まずは最も多い151Ωの場合、この{R}を「.param」文で、図のように、
「.param R=151」としておくと、一度に全部の抵抗値を設定できます。手順は「.meas」文を使った時と全く同じです。ツールバーの中で、「.t」(ピリオド+t)となっているアイコンをクリックして、出てきた入力欄に「.param R=151」と入力して「OK」、忘れずに任意の箇所に配置(クリックするだけ)します。以後変更するときは「.param」文を右クリックして編集画面を出し、この数値だけを変えてあげると一斉に変えてくれます。大変便利です。この「.param」文は数値だけに有効なようです。ダイオードの種類も変えられるとよいのですが。
で、LEDですが、最初はLEDリストの中にある「NSPW500BS」でも構いません。こちらでは、このダイオードの値をこねくり回して試行錯誤の結果、新たに「2835」としてリストに登録しなおしました。
登録の仕方も一応書いておきますか。
ダイオードリストに自作モデルを追加
LTspiceをインストールする時に特にフォルダ等を変更していなければ、アプリケーションデータフォルダの下にある「standard.dio」というファイルができますので、これを編集します。といっても探すのに一苦労します。
苦労して探し当てても、この拡張子がLTspiceに定義付けられており、ちゃんと編集できるのですが、LTspiceで編集してはいけません。「上書保存」が非常に大変ですので、編集時にはテキストエディタ(Noteなど)を使います。LTspiceで編集すると「上書保存」を選んでも、「名前を付けて保存」モードとなり、「ドキュメント」フォルダが初期値として開きます。ここから元のフォルダを探すのはもう不可能に近いです。なんでこんな仕様にしたか。
ウィンドウズの一番下のタスクバーにある虫眼鏡マーク(検索)の入力欄にファイル名や「%appdata%」と入力しても見つかりません。なので、下の文の[gea02](私のユーザー名)の部分を自分のユーザー名に入れ替えてコピーします。
実際にはテキストエディタなどに下の文を一旦コピーしてペーストしてから、ユーザー名を変更する手順となると思います。その上で再度、コピーします。
C:\Users\gea02\AppData\Local\LTspice\lib\cmp\standard.dio |
上の文のユーザー名を変更してから、ファイル名「standard.dio」の部分を削除した部分をデスクトップにショートカットとして置いておくと大変便利です。ファイルが保存されているフォルダのショートカットです。ダイオード以外の部品も編集できるようになります。知識は必要ですが。
ユーザー名とはなんぞや?という場合には以下の手順でも表示できます。
ファイラーやエクスプローラー等で「c:\users\」(「\」は「¥」キー)と入力すると、「パブリック」という名前のフォルダと並んで、私の例であれば、「gea02」というフォルダが出てきます。このフォルダー名がそのまま上の式に入れるべきユーザー名となります。
ここで該当するユーザー名のフォルダ「gea02」を降りていっても「AppData」などというフォルダは表示されません。Windows 10以降?の仕様のようです。
なので、上の「c:\」で始まる文を一旦テキストエディタなどにコピー(文全体を選択して「ctrl」+「c」)・ペースト(文全体を選択して「ctrl」+「v」)して、文中の「gea02」の箇所を自分のユーザー名と入れ替えて、文頭から文末までをコピー(「ctrl」+「c」)し、テキストエディタを立ち上げてから「開く」にして、ファイル名に上の文のユーザー名を置き換えたものを直接入力(ペースト;「ctrl」+「v」)すると、LTspice起動時に読み込まれる「standard.dio」が開きます。以後、この手順で定義ファイルの編集作業が可能になります。上で述べたとおり、デスクトップにフォルダのショートカットを置いておくと大変便利です。テキストエディタは私はフリーの「TepaEditor」を常用しています。
文頭が「*」印の行はコメント文で、シミュレーションに影響しないメモです。
初期設定では恐らく、上の画面と同じようになっていると思うので、5行目からの
「.model 」で始まる文の一番上の行に、
.model 2835 D(Is=.27n Rs=0.0011 N=6.79 Cjo=42p Xti=100 Iave=20m Vpk=5 mfg=TapeLED type=LED)
と1行挿入追加して(改行なしの1行で上の文をコピペ)、上書き保存します。
次から「2835」というモデル名がダイオードリストに追加され、一番最初に出てきます。
以後、設定値を変更する場合にはこの手順でテキストエディタで数値を変更します。
かなり、横道にそれてしまいましたが、これは実は横道ではなく、初期設定のままの限られたモデルでは、いずれ必ず必要になってくる作業かと思われますので、覚えておくと大変便利です。
一定の期間が過ぎると「データファイルをアップデートするか?」と起動時に聞いてくるようになります。その都度更新されると追加したデータは消えてしまうので、再編集が必要になります。長期で使っていると度々開く必要がありそうです。
高密度テープLEDの回路(2835モデル)
さて、ではLEDの種類をダイオードリストから「2835」に変更して(15箇所全部)、
とします。
もちろん、「NSPW500BS」のままご使用いただいてもそれほど大きな差にはなりません。
このままプレイボタンでシミュレーションを実行すると、Logファイルには、電源電圧が12Vのとき、D1を流れる電流値が記録されます。
この数値を5倍すると回路を流れる電流値となります。すなわち、1車両分のテープLEDに流れる電流値です。
12Vのとき、「0.016843」となっていますが、単位がアンペアなので、16.8mAです。これはD1を通過する1区画分で、12.5cmの1本分では、5区画分並列なので、これを5倍すると、16.8✕5=84.0mAです。これが151Ωの抵抗の付いた高密度テープLED12.5cm1車両分を流れる電流値です。
同様に、このテープLEDの抵抗が101Ωの場合は「.param R=151」を「.param R=101」、68Ωの場合(これだけ抵抗表示が他とちがって「680」と記載されていますが、実は最後の一桁は10のべき乗数です)には「.param R=68」に変更して実行します。68Ωに当たる確率はごく希です。
途中省略して、1車両分の高密度テープLEDを流れる電流は、張り付いている抵抗Rにより、
高密度テープLED12.5cm(5区画分)の場合
R=151Ωのとき、回路を流れる電流=84.0mA、
R=101Ωのとき、回路を流れる電流=117.3mA、
R=68Ωのとき、回路を流れる電流=161.7mA
と計算されます。
テープLEDについている抵抗値の数字はルーペを見ないととても見えませんが、何げに最大と最小では2倍近い開きがあるので、使用前には注意して見てみることにします。
さて、それでは、通常密度の場合はどうでしょうか。
通常密度テープLED10cmの回路
試行錯誤の結果、LED規格そのものには通常密度と高密度の違いはなさそうなことがわかっていますので、上の並列回路の2つ分だけ計算すればよいことになります。
上の回路の、D4とD7を結んでいる線を削除(ツールバーの「✕」)します。
切断前の回路を一応、「高密度」とかの名前で保存しておいて下さい。あとでまた使います。
で、右の3つの回路は目障りなので、矩形選択して削除してしまいます。
通常密度10cmのテープLEDの回路はこうなります。
これでシミュレーション実行すると、ログは、
当然ながら、上の高密度のときの5区画分の回路で求めたD1を流れる電流と全く同じです。
1車両分の通常密度10cm(2区画分)の回路を流れる電流値は、出てきた1区画分のD1を流れる電流値を2倍することになります。
上と同じように、テープLEDについている抵抗値に応じて、Rを変えて計算します。
その結果を2倍すると、通常密度10cm1車両分の回路電流になります。
テープLEDの抵抗により、1車両分の回路電流は、途中省略して、
通常密度のテープLED10cm(2区画分)は、
抵抗値151Ωの場合、33.69mA、
抵抗値101Ωの場合、46.94mA、
実際には、通常密度に68Ωの例はなく、代わりに221Ωがあります。これも希です。
抵抗値221Ωの場合、24.53mA
となります。
概ね、通常密度の1車両分のテープLEDの回路を流れる電流値は24~47mAという感じです。最も多いのが151Ωと考えると、まあ、30~40mAといったところでしょうか。
高密度テープLED回路の改善策
長くなりましたが、この辺の回路電流(30~40mA付近)を目標に、高密度テープLED回路の電流値を抵抗を追加して調整したいと思います。
再び、高密度の回路に戻って、今回の検討は高電流への対策なので、比較的電流値が高く、当たる頻度の高そうな、テープLEDの抵抗値は101Ωを基準とします。
「.param R=151」文の「151」を「101」に変更します。
次に、回路図のV1とD1の間に抵抗R6を挿入します。線上に配置すれば自動で結合してくれます。
抵抗値は「{R2}」{波カッコです}として、また「.param」文で追加する抵抗の初期値はとりあえず56Ωとでもしておきます。ゼロは指定できません。
ここからは、R6両端の電圧と抵抗値から計算した電流値(電圧/抵抗値)を5倍すれば、回路全体を流れる電流値がわかります。
「.meas」文の「I(D1)」を「I(R6)」に変更します。
シミュレーションと同時に、実際に101Ωの高密度テープLED12.5cmで回路電流と抵抗両端の電圧を測定するための回路を組みます。
まずはテープLEDについている極小抵抗の両端にワニグチクリップを噛ませて、
下の写真の左の全オート設定のテスターで抵抗値を測定します。
下の写真の右のテスターは電流測定モードにして、
・赤棒を電源出力「+」にワニグチクリップ(以下省略)で接続、
・黒棒を追加抵抗の入力側に繋ぎ、
・追加抵抗の出力側をテープLEDの「+」極に繋ぎ、
・テープLEDの「ー」電極と電源の「ー」を繋ぎます。
これで測定回路の完成です。
左のテスターはオートレンジだけでなく、オート測定モード設定なので、回路に電流が流れていない状態では、抵抗両端の「抵抗値」を計測し、電流を流すと自動的に抵抗両端の「電圧」計に変わります。大変便利です。
オートでない場合には必ず電流を流さない状態にしてから測定モードを「抵抗」から「電圧」に切り替えてください。
回路に電流が流れていない状態では、テープLEDの抵抗値は確かに、101Ωです。
回路に電流を流すと左のテスターは自動的に電圧計に切り替わります。ひえっ。
ただし、抵抗値が既定値(50Ωが多い)以下だと、通電モードに切り替わりピーピー鳴りますが、10Ωまで、きっちり値は表示してくれます。
次にテープLEDの抵抗からテスターを外し、回路内に電流計を噛ませて回路全体を流れる電流を測っておきます。12Vかけた時、回路内を流れる電流は116mAでした。
以降、手持ちの抵抗値に合わせて10Ωから680Ωまで、都度取り替えて追加した抵抗の両端の電圧と回路の電流を測ります。
56Ωはダイソーのコルク型チップLED点滅型に付属のもの、558Ωはアマゾンで買った3V用チップLEDの12-14V対応用に添付されていたものです。それ以外は購入したアマゾンで抵抗30種20本(670円程度)のものです。アマゾンのものは最後に紹介しています。ダイソーのものはもう売ってないようです。使われているチップLEDはアマゾンで購入したものと全く同じ仕様のようなので、自作してもいいかもです。
例として、100Ωの抵抗を電流計テスターの後ろに繋いで12Vかけた時の状況が以下のようになります。
実測による測定結果とLTspiceで同じ抵抗値(10Ω~680Ω)でシミュレーションした結果の比較をしたものが下表です。
左の列から、追加抵抗の値、回路に組み込んだ電流計の実測値、追加抵抗の両端に噛ませた電圧計で測った抵抗端電圧、抵抗値をチェック、LTspiceの計算における2538モデルと既存のNSPW500BSの順です。
シミュレーションでは抵抗値にゼロは指定できないので、追加抵抗のない時のModelの電流値はI(D1)を5倍したものです。
テープLED高密度12.5cm抵抗101Ωで実測 |
LTspice (mA) |
追加抵抗(Ω) |
回路電流I(mA) |
抵抗端電圧V(V) |
R (V/I) |
2538Model |
NSPW500BS |
なし |
116.0 |
- |
|
117.27 |
103.26 |
10 |
84.2 |
0.83 |
10.10 |
84.21 |
77.10 |
22 |
65.6 |
1.42 |
21.65 |
63.74 |
59.75 |
33 |
あとで |
あとで |
後ほど |
52.49 |
49.83 |
56 |
38.15 |
2.13 |
55.78 |
38.74 |
37.34 |
100 |
30.63 |
2.99 |
97.75 |
26.27 |
25.65 |
150 |
20.28 |
3.04 |
149.90 |
19.48 |
19.15 |
200 |
16.8 |
3.32 |
197.62 |
15.59 |
15.38 |
270 |
13.13 |
3.52 |
268.09 |
12.26 |
12.14 |
470 |
8.03 |
3.75 |
467.00 |
7.75 |
7.71 |
510 |
7.8 |
3.96 |
507.69 |
7.24 |
7.20 |
558 |
6.98 |
3.72 |
532.38 |
6.70 |
6.67 |
680 |
5.99 |
4.05 |
676.13 |
5.66 |
5.64 |
「2835」モデル、元の「NSPW500BS」より実測値ととても良い一致率です。
追加抵抗の値と回路電流Iの値でグラフ化してみると、
殆ど線上といっても過言ではないでしょうか。まあ、モデルさえ合っていれば、そんなに外れる要因の多くはない測定です。
と、いうわけで、追加する抵抗値としては56Ωあたりから、回路電流は40mA以下となりますが、あとは光量との相談になります。なので、実測が必要なわけです。
150Ωより大きい抵抗値では、「むしろ通常密度より少し暗いかな」、といった光量となる感じです。
40mAというのもちょっと値として大き過ぎる感じもなきにしもあらずですが、元の値117mAに比べれば、可です。
今回の検討の結果、高密度テープLED12.5cmでは間に50~100Ω程度の抵抗を挟むのが光量を大きくは損なわず、消費電流も56Ωでは120mA付近から40mA以下へと一気に1/3に落にちてくれます。100Ωにすると4台分ぐらい増やせる勘定です。30Ω程度の追加抵抗でもかなり消費電流(50mA程度?)は落ちそうな感じです。
上の表のチェック用抵抗値R(V/I)の欄からわかるように、回路に抵抗を組み込むと、抵抗両端の電圧を測るだけで回路の電流が計算できるので、電流計は不要になります。
LTspiceで高密度テープLED12.5cmのよく見かける3種の抵抗値(68Ω、101Ω、151Ω)別に追加抵抗と回路電流を計算してみました。101Ωは上で示したものと同じで、実測とほぼ一致しているので、参考として実測値も掲載します。「明るさ」と「消費電力」で絞ると概ね下線赤字の範囲あたりが使いやすいのではないでしょうか。
テープLEDの抵抗値(3種)と追加抵抗による
回路の電流値
|
|
|
|
実測回路電流I (mA) |
2538Model 回路を流れる電流(mA) |
追加抵抗(Ω) |
101Ω |
68Ω |
101Ω |
151Ω |
0 |
116 |
161.72 |
117.27 |
84.22 |
10 |
84.2 |
103.21 |
84.21 |
66.38 |
22 |
61 |
73.46 |
63.74 |
53.33 |
33 |
55.68 |
58.66 |
52.49 |
45.39 |
47 |
|
47.03 |
43.10 |
38.32 |
56 |
38.15 |
41.84 |
38.74 |
34.89 |
100 |
30.63 |
27.57 |
26.27 |
24.53 |
150 |
20.28 |
20.15 |
19.48 |
18.54 |
200 |
16.8 |
16.00 |
15.59 |
15.00 |
270 |
13.13 |
12.51 |
12.26 |
11.91 |
470 |
8.03 |
7.84 |
7.75 |
7.62 |
510 |
7.8 |
7.32 |
7.24 |
7.12 |
558 |
6.98 |
6.77 |
6.70 |
6.60 |
680 |
5.99 |
5.71 |
5.66 |
5.59 |
まとめると、テープLEDについている抵抗値とも関連しますが、概ね、
・新幹線や新しめの特急など、明るいのがお好みな人は50Ω付近かそれ以下、
・たくさん連結したい人は100Ω付近かそれ以上がよいと思います。
これより大きな抵抗になると白でもかなりノスタルジックな暗さとなっていきます。
一応、上表の範囲でみられるようなmAオーダーの電流が流れていれば点灯はします。個人的な好みによるところが大きいかと思います。実際に抵抗をいくつか入手して試して決めるのがよいと思います。
ほんとに測定してんのか~~?と言われないためにいくつか証拠写真をのっけます。
まずは、高密度テープLED(101Ω)12.5cm(1車両分;5区画分)に抵抗10Ωを追加したときの回路に、PWM電源で12Vかけた時の回路を流れる電流と追加した抵抗の両端の電圧の測定写真です。
次、追加抵抗を22Ωに交換して同じ状況で12Vかけたときの状況です。
ちょっと飛んで、100Ω。
これは既出でしたかね。
テスターの文字に絞りを合わせているのでわかりづらいですが、抵抗が増えるに従って、光量が少しずつ減っているのがわかるかと思います。100Ωの追加抵抗でも充分に思われます。
その他の抵抗値については省略しますが、通常密度や電球色との比較写真は最後に掲載します。これも写真だと実にわかりにくいのですが、一応。
作戦実行
というわけで、早速実用品を工作します。100Ωで16本程試作してみたいと思います。
実際には抵抗を変えて1本ずつ作成するのが大吉ですが。
100Ωの抵抗を100個調達しました。760円でした。
価格的にも作業的にもギリギリのサイズです。
長い脚を切って、両方の足がほぼ同じくらいになるようにして、かつ総延長の長さが1cm程度になるように切断します。ニッパで挟んで、抵抗を持ってねじるようにするとダイソーのニッパでも簡単に切れます。力はそんなにいりませんが、少しは噛ませてからねじって下さい。
ブリッジダイオードは省スペースで経済性の高いMB10Mを使います。極性のない方の足を伸ばして並べて固定します。
固定すると流れ作業的に効率が上がります。
リード線はタミヤのパイピングケーブルΦ0.5mmのもので、長さは基本4cmで、抵抗をつける方は3cmよりちょっと長い位(3cm+ハンダ付け分、5mm程度か)にします。で、交互にハンダ付けしていきます。どっちがどっちでも構いません。とにかく、1つのブリッジダイオードに1つの抵抗がついていればOKです。長さはリード線の先端位置で揃うようにします。
こんなのが16個、あっという間にできてしまいます。
このリード線の先端に4cm棒状銅板をはんだ付けします。
一応、銅板のハンダ付け前に、抵抗のない方のリード線とのハンダ付け箇所は0.6mmの熱収縮チューブで被覆絶縁しておきます。以後の作業性がぐっと上がる気がします。
で、ブリッジダイオードの手つかずの方の足の極性を合わせてテープLEDにはんだ付けします。上の配置でいくと、テープLEDの極性は立てて見て、右側の電極が「+」になるようにして一番上の電極部の防水樹脂の被覆を剥がしておきます。重さのあるものに固定してハンダ付けするとやりやすいです。
あとは淡々と、1本ずつ、丁寧に。
作業的にはそんなに困難ではありませんが、老眼が進んでいるとちょと厳しいです。
この作業に限ったことではないのですが。特にテープLEDの極性に注意。
光量比較(写真だと分かりづらいです)
では、早速光量の比較です。
まずは、無抵抗と追加100Ωの光量比較。
写真では非常に分かりづらいですが、肉眼ではそこそこ違いがわかります。
もともとの光量が目に刺さる感じなので、むしろちょうどいい感じです。
次、無抵抗の通常密度151Ω10cmとの比較。通常密度の101Ωがなかったため。
追加100Ωでも追加抵抗なしの通常密度(151Ω)より結構明るい感じです。
次は白色と電球色(温白色)との比較(どちらも張り付いてる抵抗は101Ω)
絞りを周辺に合わせ直すと、
以上、100Ωの抵抗を高密度テープLEDに組み込んでみました。光量は好みです。といっても光量と電流値に対する効果を考えると、選択肢はそれほど多くはなく、50~100Ωの範囲での検討かと思われます。古いノスタルジック車種などではむしろもっと大きい抵抗でもいいかもしれません。
高密度テープLED使用で電源容量不足でお悩みの方、ご参考まで。
使用した部品類のご紹介
・熱収縮チューブ内径0.6mm
ブリッジダイオードの足とΦ0.5mmリード線のハンダ部に使用した、熱収縮チューブです。1箇所につき、1cmもあれば充分です。1000円ちょっと、この内径だと結構します。
・抵抗30種各20本
いろいろと検討したい時に便利です。639円。
・3V用チップLED
いまは見かけませんが、ダイソーのコルク型点灯・点滅型照明に使われているものと同じ仕様のようです。30本で699円。
・抵抗100Ω✕100本
100本で760円。30種✕20本と比べるとかなり割高。