tomopinのブログ

ジャンク好き。おもちゃ好き。二人の孫はもっと好き。

また格安テスター良品

赤いテスターがどうも様子がおかしい、まず電流が測れなくなりました。次に低い領域での電圧値が全くおかしな値だったことに気が付きました。

特におかしな操作はした記憶はないのですが、電流が測れなくて電圧がおかしいのであれば、使いようがありません。残念ですが。新たに買い直すことにしました。

先日アップした記事は一旦削除して、いずれ新しいテスターで測定しなおします。

ということで、こりずにまた新たに格安テスターに手を出してしまいました。

今回購入したテスターはこれです。

HANMATEK DM20という名前のテスターです。

ちょっとレンジカチカチが怖かったもので、レンジ切り替えのないものを試してみることにしました。ほとんど人柱ですが、「1580円」だったので、よしとします。

説明書も数カ国語で書かれていて、日本語のページも7ページあります。

測定できるのは、交流・直流電圧、電流、抵抗値、導通テストにNCVという非接触電圧検知機能です。コンデンサトランジスタは測れません。

真ん中のスイッチを入れると全自動でレンジを決めてくれる機能のようですが、そのまま全自動で電圧を測るとかなりやばいです。

低い電圧値(特に5V以下)でおかしな値を吐き出すようです。ここ、修正を入れた方がいいと思いました。「PWMコントローラ+RFコントローラ経由」の場合です。電池では問題なさそうです。

が、「SEL」を押すごとに、「全自動」→「直流電圧」→「交流電圧」→「抵抗値」→「全自動」と測定モードが切り替わります。で、直流電圧ならモードを直流電圧に指定してから測定すると、小さい値でも抜群の再現度と精度を示してくれます。

これは驚いた。実に正確です。今まで、アナログテスターとぴったり合うテスターはありませんでしたが、これはぴったりです。電圧に関しては特に低い方で、今まで違うものを測ってた可能性があります。というぐらい違います。

 

抵抗測定

ところが残念ながら、抵抗値はかなりいまいちです。例の151Ω(実は150Ω)を測ったら156Ωも出てしまいました。後で測り直すと161Ωになったりと、まあ、抵抗値は青いテスターで測るとします。たまたま近くにあった通常密度151Ω白の2区画分の抵抗部分の抵抗値を測ってみます。

通常密度白151抵抗の抵抗値測定
うーん。

ちなみに、青いやつで測り直してみます。

青いテスターで同じ抵抗を測定
うーん、今後、抵抗はこっちで測ります。

あとでもっかい測ってみると、

もっかい測るとゲロゲロ
なんでやねん。

抵抗はイマイチですな、こりゃ。

 

電圧測定

せっかく苦労して抵抗端にワニグチクリップを噛ませたので、そのまま、動かさないようにして、「SEL」を何回か押して「DC」と「V」の表示にしたら、12Vかけてみます。

通常密度10cm「白」に12Vかけたときの抵抗端の電位差

抵抗端の電圧値は「2.694V」でした。

ちなみに、青いテスターでは、

青いテスターで同じ条件で抵抗端の電位差測定

青いやつだと、2.67Vでした。まあ、誤差1%未満でしょうか。いいです。

12Vかけた時に151Ωの抵抗の両端の電位差が2.69Vということは、この抵抗を流れている電流値は、

I(mA)=2.69(V)/151(Ω)*1000=17.8(mA)です。

これは並列や分岐がない回路であれば、そのまま、回路全体を流れる電流値です。

たまたま並列が1個ありますが、ムシムシ。

 

電流測定

ということで、今度はテープLED1区画分の電流値を測ってみます。

電流を測るときは赤い棒を左側の穴に差し込みます。これは便利。

これで「これから電流測定する」と判定してくれるようです。電流に関してはレンジ切り替えは全くありません。

いつものように、

・線路から引き出した「+」極をテスターの赤棒にワニグチで繋ぎ、

・テスターの黒棒をテープLEDの「+」極に白いワニグチで繋ぎます。

・テープLEDの「ー」極を黒いワニグチで繋いで、

・黒いワニグチの反対側を線路の余った方に繋ぎます。

(同時に電圧を測るときは、さらにもう一個のテスターで、線路の両側に噛ませます。)

で、特にテスター側は設定もなく、スイッチ・オン!おおおっ!

通常密度白テープLED1区画分の電流値測定
赤いリード棒は左の穴に繋ぎます。

mAオーダーは整数ですが、ちゃんとそれらしい値が出てくれます。18mA

整数というのはちょとさみしいですが、まあ、mAオーダーなのでよしとしますか。

同じ条件で青いテスターで測ってみます。

青いテスターで電流測定
おおおっ!

どちらもとても近い値でしたが、細かい数字が必要であれば、電流は青いテスターで測った方がよさそうです。

しかし、レンジ切り替えが面倒なので、精神衛生上も、新しい方が断然気持ちは連続的です。内部では切り替わってるかもしれませんが。10A切り替えもありません。いやあ、こういうのを探していたんですよ。実に。これは便利かも。

ただ、説明書には「5Aを超えるときは10秒以内」、「その後、休憩15分以上」とありました。そんなに流すことはまずないので大丈夫とは思いますが。

これいいかもです。非常に面白いです。

調子付いて、通常密度1区画分で測定した電圧と電流を測ってみました。

 

電圧を段階的に測定

かける電圧は、例のBluetooth RFコントローラーで調整しつつ、基本的に0.5V刻みで、回路全体にかかる電流値(青いテスター)と線路両端の電圧(新しいテスター)を測定しました。

「1V」以下は1%刻みで測定しました。Bluetooth RFコントローラー、こういう時に実に便利です。アイホンでもタブレットでもコントロールできて大変便利です。

これですね。

Bluetooth RFコントローラのタブレットのアプリ側コントローラ

電流は低い電圧での電流値の小数点以下が知りたかったので、青いテスターで測定しました。

 

下表、「RFC(%)」はBluetooth RFコントローラーのタブレットのアプリ側に表示されている数字です。100%が出力の最大値で、12Vを少しだけ超えます。

 

通常密度151Ω

通常密度151Ω

電球色

RFC(%) V mA V mA
1 0 0 0 0
2 0.254 0.16 0.253 0.16
3 0.378 0.33 0.377 0.33
4 0.5 0.51 0.499 0.5
5 0.623 0.68 0.623 0.67
6 0.747 0.86 0.747 0.84
7 0.87 1.03 0.87 1.01
8 0.993 1.21 0.993 1.17
12 1.485 1.91 1.485 1.87
16 1.978 2.63 1.977 2.57
19 2.345 3.16 2.347 3.1
24 2.962 4.07 2.963 3.98
28 3.453 4.79 3.455 4.7
33 4.07 5.71 4.07 5.6
36 4.438 6.29 4.438 6.16
40 5.052 7.18 5.052 7.07
44 5.42 7.74 5.42 7.65
49 6.033 8.68 6.033 8.58
53 6.5 9.45 6.5 9.34
57 7 10.21 7 10.09
60 7.49 10.99 7.49 10.88
65 7.98 11.75 7.98 11.65
69 8.48 12.53 8.48 12.42
73 8.96 13.32 8.96 13.23
77 9.45 14.09 9.45 13.99
81 9.93 14.86 9.94 14.75
85 10.43 15.66 10.43 15.58
89 10.92 16.46 10.92 16.37
94 11.53 17.43 11.53 17.37
98 12.01 18.26 12.01 18.25
100 12.27 18.86 12.27 18.84

それにしてもこの電圧値の再現度、今までありませんでした。驚き。

こんな形になりました。

テープLED1区画分の電圧ー電流を白と電球色で比較

あれ、曲線部がほとんどありません。低い電圧のところを拡大してみます。

テープLED1区画分、白と電球色(4V以下)

へー、そうなん、そうなんか。これはまいったなあ。

直線部分の立ち上がりが0.2V付近とは、想定外に低い値でした。ほとんど抵抗のような挙動をするダイオードです。理想的なダイオードからは程遠く、LTspiceに出てくるLEDデータでは全く対応不可能です。モデルには抵抗を使った方がいいくらいです。

このテスター、なんたってこの値段です。抵抗値さえしっかり出てくれればおすすめできるのですが。電流値もなんとなく、なんとか、という感じが否めませんが、それでも使い勝手がよく、面白いテスターです。

いやあ、いい買い物をしたよ、って感じです。

 

参考値(2024/2/24追記)

通常密度の151ΩのテープLED白1区画分で、Bluetooth RFコントローラ-を用いて同じように出力を段階的に区切ってテスターを変えて測定した値を比較してみました。

 

・DM20で、スイッチ投入直後の「全自動モード」、

・DM20で、「直流電圧モード」で白色、

・DM20で、「直流電圧モード」で電球色、

・針式のアナログテスター、

・電流が測れなくなった赤いテスター

で測ったものを比較してみました。

 

RFコントローラーの出力(%)と出力電圧値(V)

・赤いテスターは恐らくどこかの部品が破損して全く使えない状態です。

DM20は「スイッチ投入後の全自動検出モード」では、出力50%の約6Vまでは全く使用不能、6V以上は正常です。ちなみに、全自動モードでも、上(最大出力)から降りてくると低い電圧でもちゃんと測れます。モードが固定されるためなのでしょうか。

DM20で「直流電圧モード」にすると、白(薄青)・電球色(橙)どちらもアナログ(緑)で測定した値とほとんど同じ値で重なります。正確な値と考えてよいと思います。

RFコントローラーの出力(%)は直線的で、最大出力値を100%としたときの%相当の電圧値が出力されます。100%が12Vの場合、50%は6Vです。これ重要。以後、最大出力(100%)の電圧値をおさえておけば、供給電圧の測定は不要になります。

 

結論

今回のDM20は、直流電圧6V以下の測定では、モード切り替えを「直流電圧モード」に切り替えてから測定する必要があります。その値は少なくとも直流電圧はかなり正確です。

他の測定はやっていませんが、交流電圧、抵抗値・導通も、測定モードをそれぞれに切り替えてから測定するのが無難と思います。

電流は赤棒を左側に指すことで自動的にモード切り替えとなり、レンジも自動切り替えとなります。手順は何も必要ない代わりに、レンジ選択の余地もありません。

電源ボタン「SEL」の左右両脇に表示されている「Ω」などのマークはただの飾りで、押せません。こんなところが押せるのであれば誤動作の危険もあるので、押せなくていいのですが、このマークはむしろ不要ですねえ。買った人の恐らくほぼ100%、1回はどれかを押していると思う。押せないんですけど。

 

 

LTspiceで回路図の保存、便利な「.meas」コマンド

昨日の回路図

今日は昨日LTspiceで作成した回路図をファイルに保存してなかったので、ここで保存方法を説明しておきます。とっくに消してるとは思いますが。サンプルなので、何でも構わないのですが、とりあえず、昨日作成したものを保存してみます。

昨日作成したテープLED1区画分の回路図

これを保存しておきたいと思います。

この「2835」LEDはわたくしが勝手に作ったので、ダイオードのデータベースリストにはありません。

適当なLEDを使ってください。コピー・編集元は最初に出てくる電流値の最も小さそうなヤツです。データの追加についてはまたいずれ。

 

作成した回路図を保存

回路図が完成したところからの手順説明です。

LTspiceのメニューバーの「File」→「Save As」の順にクリックします。

メニューバーの「File」→「Save As」

任意のフォルダを指定してファイル名を付けて保存します。

ここでは、例として、Fドライブに「LTspice」フォルダを作成して、その下に「2835LED」という名前を付けて保存します。

ファイル名を指定するだけで、拡張子は自動的に「.asc」となります。グラフが表示されている場合には、グラフも含めて、異なる拡張子のファイルが作成されます。この場合は、一旦グラフのウィンドウを閉じて保存し直します。

既にある場合は聞いてきますので、上書きもしくは名前を変えて保存します。一般的な保存の手順と全く同じです。

 

保存先を指定して、ファイル名を付けて保存

ここで指定したフォルダを、「次に同じ回路を開くとき」、および「今後ログファイルを見たい時」などに開く必要はあるのですが、次からはLTspiceがデフォルトとして記憶していて、「開く」の時に真っ先にこのフォルダを開いてくれるようになります。次に読み込み時や保存時のフォルダを変えるとその変えたフォルダが次回以降のデフォルトになります。

というわけで、シミュレーションを実行した時に自動的にログファイルが作成されるわけですが、保存される場所は、その回路を開いたとき、もしくは保存した時のフォルダです。次の項目に関係します。

 

「.meas」コマンドの最もシンプルな使い方

ここまでで、グラフの形はわかって、数値もだいたいつかめたのですが、ある程度進んでくると、では、「実際に何Vのときに数値的に何アンペアなん?いちいちグラフを拡大しないとダメか?」という時が訪れると思います。

この場合には、「.meas」コマンドというコマンドライン的なものが役に立ちます。

早速使ってみます。

メニューバーの「Edit」から「SPICE Directive」をクリックします。

「Edit」→「SPICE Directive」をクリック

「Edit」→「Text」でも同じ下の画面が出ますが、「Comment」とあるところの選択肢を「SPICE directive」に変更するという手順が一つ増えます。作業に影響を及ぼさないテキストなどを配置するときは「Comment」を選択します。

「Edit」→「SPICE directive」で開く画面

「How to netlist this text」の下にある選択肢が「SPICE directive」にあるのを確認したら、下の空白に「.MEAS」と入力します。「.meas」と小文字でもどちらでも大丈夫です。最終的には小文字になるのですが、ここでは認識しやすいように大文字にしています。

分かりづらいですが、「MEAS」の前に「ピリオド」が入っています。単なるテキストではなく、LTspiceに認識してほしい設定値やコマンドなどはピリオドから始めます。使えるコマンドや文法は限られています。

「.MEAS」と入力して「OK」

「.MEAS」もしくは「.meas」と入力して「OK」すると、下記のように、またマウスカーソルが「.MEAS」となりますので、任意の位置に配置します。

「.MEAS」を任意の位置に配置

このままでは何も設定されていないので、今回は数値化したい項目を設定していきます。

では、回路図上の「.MEAS」の文字のどこかで「右クリック」すると、

下のような「.MEAS」文の設定画面が開きます。

回路図の「.MEAS」を右クリック

ごちゃごちゃと出てウッとなりますが、今回は単純に、任意の電圧での抵抗を流れる電流値を知りたいので、そんなに複雑ではありません。手順を追って入力していきます。

・一番上の「Applicable Analysis」はせっかく「(any)」と出ているので、そのままでいいです。

・次の「Result Name:」は回答につける名前なので、任意のわかりやすい名称を入力します。いくつか出してみたいので、まずは「I1」(アイワン)としました。

「Result Name:」に「I1」(アイワン)と入力

・その下の「Genre:」は選択肢になっているので、ここでは対応する値がわかればよいので、「FIND」を選択します。すると設定項目はグッとシンプルになってくれます。

「Genre:」で「FIND」を選択

・「FIND」を選択した時点で、下の方にある「Point:」には「At:」が選択されています。他の選択肢は「When」1個ですが、ここは「時間」ではないのでこのままでOKです。

「Measured Quantity」に「I(R1)」と入力

・画面がシンプルなものに変わるので、「Measured Quantity:」のところに調べたい量を入力します。ここでは試しに、R1を流れる電流値「I(R1)」を入力します。「I(D1)」や「I(D2)」などでも構いませんが、引数となるカッコ内には必ず「回路に記載されているパーツ名」を入れるようにします。

まだ「OK」は押しません。

・次の「AT:」とあるところに電流値を知りたい電圧値を入力します。ここでもサンプルとして「3」を入力して、下の「OK」をクリックします。

「AT:」に「3」と入力して「OK」

すると、設定画面が終了して、マウスカーソルが「.meas I1 FIND I(R1) AT 3」文に変わりますので、任意の位置に配置します。設定が終わると「.MEAS」は小文字に変わります。

マウスカーソル「.meas I1 FIND I(R1) AT 3」を任意の位置に配置

 

複数の「.MEAS」文を設定する

一つだけだとつまらないので、さらに複数設置してみます。

メニューバーの「Edit」→「Duplicate」をクリックして、配置した「.meas I1 FIND I(R1) AT 3」文を矩形選択して、元の文のすぐ下に配置します。

「.meas I1 FIND I(R1) AT 3」文を下に複製

同じ文が複製されました。このままでは、同じ名称の「.meas」文が2つあるので、この状態でシミュレーションするとエラーとなります。

複製した下の方の「.meas I1 FIND I(R1) AT 3」文のどこかで右クリックして修正します。

先程と同じ設定画面が開き、同じものが入力されていますので、ここでは、名前と電圧を修正します。

・「Result Name:」を「I2」、

・「AT:」を5としてみます。

*枠の中が修正できない場合には、最下段のコマンド文そのものを修正します。

 コマンド文を修正すると上の枠内も変わります。たまにこういうことがあります。

複製した「.meas」文の設定画面
名前を「I2」,電圧を「5」に修正

修正して「OK」すると、無事に名前の違う「.meas」文が設定されました。

複製した文の設定変更終了

同様に、いくつか設定してみます。電圧値を「3V, 5V, 7V, 9V, 10Vおよび12V」として、それぞれに対応する電流値の名前を「I1, I2, I3, I4, I5およびI6」にしました。

I1からI6まで6個、「.meas」文を設定しました。

この状態で、回答文の名前(「.meas 」の次の「I1」のところ)が重複していないことを確認したら、いつでもシミュレーション「PLAY」OKです。

で、ツールバーの「PLAY」ボタンをクリック。

シミュレーションレッツゴー

画面が分かれて上の段には空白のグラフが表示されます。

プレイボタン1ポチで他には特に何もせずとも、先程開いたフォルダの中にファイル名が「2835LED.log」という開いている回路図のファイル名に拡張子「.log」のテキストファイルが作成されます。

このファイルを見つけてNoteなどのテキストエディタで開いてみると、

解析結果

I1からI6までの電圧値における電流値がきちっとした数値で、見やすいようにちゃんと1行開けで書き込まれています。「at」より前の数字が求める数値です。電流値の単位は(A)です。

細かく画面図を区切ったので、説明が長くて煩雑に感じたかもしれませんが、必然性と慣れであっという間に習得できてしまいます。

 

「Genre:」のところでは他にも特定の区間における最大値や最小値、平均値なども指定できます。いろいろあるので試してみてください。「.meas」文、便利でしょ。

ただ、パーツのデータリストは充分とは言い難く、その都度、データを追加・修正する必要のある機会が多々あります。「2835」の時にも既存のデータを複写して名前を変えて、数値をいろいろ変えていますが、この説明はまたいずれ。

ふふん、と鼻で笑える程の技術・知識のある方もいらっしゃるかと思いますが、まだLTspice若葉マークの、最近物忘れの特にひどくなった年寄の備忘録として、暖かくお見守り、よろしくお願い致します。解釈違いのところ等がありましたら、何卒ご指導・ご鞭撻よろしくお願い致します。

 

 

 

テープLEDの電流測定

個人的には格安のテープLEDを使用していますが、格安といっても性能が劣るわけではなく、安価で使っていて大変重宝しています。

たまにはそのテープLEDに目を向けてみるとします。

現在、Amazonで売られている中国製のテープLEDですが、主に通常密度と勝手に呼んでいる3灯/5cmが主流です。

切断可能な電極の間隔が5cmごとで、この各区画の中に3個のLEDと抵抗1個で構成されています。切断できる区切りが5cmごとなので、5cm、10cm、15cmという長さに限られ、その途中で切るという選択肢がありません。

フリマ等で売られている鉄道模型用の自作室内灯も10cmものが大半を占めています。これだと長さがちょと足りない気味の車両が殆どですが、その話はまた。

色はというと、結構様々あるのですが、鉄道模型用としては、白色と電球色が主流です。

通常密度(3灯/5cm)テープLEDの一区切り(5cm分)
黄色いのは発光するLED、
黒いパーツが抵抗で、数字が書いてあります。
左から「白色、抵抗値151Ω(150Ω)」、
真ん中「電球色、抵抗値151Ω(150Ω)」、
右端「電球色、抵抗値221Ω(220Ω)」、
電球色LEDは白色より少し黄色がかっています。
右端のやつには金文字で「2835-60D」の文字が見えます。ダイオードの名称と個数でしょうか。

 

実はこの小さい抵抗に記載されている3ケタの数字は最初の二桁が有効で最後の一桁は10のべき乗数です。

一方で、間隔を狭めて2.5cm区間を一区切りとして、そこに3個のLEDを配置させている高密度のものも存在します。LED数はちょうど倍ですが、価格は倍というわけでもなく、7.5cmや12.5cmでも切断できるので、これはこれで重宝します。20m級の車両のNゲージサイズは1/150として、車両長13.3cmとなり、車両長としてはこの辺が一般的ではないでしょうか。

少し長めの鉄道模型には12.5cmがピッタリサイズです。

テープLEDの高密度(左、3灯/2.5cm)と通常密度(右、3灯/5cm)1区画分の比較
どちらも同じLED3個ですが、
高密度の1区画分は2.5cm、
通常密度の1区画分は5cmです。
どちらも白色です。
どちらもこの1区画の途中で切ると
同じ区画内の3個全部が点灯しなくなります。
また、左側に見えるように、
使わない片側の端は電極超えて
LEDギリギリの位置で切断しても大丈夫です。

 

わたくしはこの高密度を好んで使っていますが、明るさが半端ないです。品評会・自慢会などでは顰蹙を買いそうな明るさです。

特に高密度の電球色は明るすぎて、全然ノスタルジックにはなりませんので、電球色がほしい場合には、短くても通常密度のものを使います。

 

ここで、テープLEDの各パーツの配置ですが、一体どうなってるんでしょうか、ということで、再び通常密度に戻って、ひっくり返して裏紙をはがしてみたのがこれです。

上の段にはLED側、下の段にはひっくり返した裏側を並べてみました。

ついでに、電流の流れる経路を赤い矢印で示しました。青線はGNDと呼ばれる「ー」極です。うっすらと見える導体の配置で電流が流れる経路が追っかけられます。

通常密度のテープLED配線
裏側から回路がうっすら見えます。

このテープLEDは通常密度の白色、抵抗値151Ωの5cm分の1区間最小単位ですが、他のバリエーションでも1区間の配置は同じです。

+12Vから入ってきた電流は、まっすぐ区間最後までいく一直線と分岐して、D1を通過し、その後、D2を通過した後、R1を通過してその後、D3を通過してGND(青線)に至ります。すなわち、1区画内では各パーツは直列接続となっています。1区画内の途中で切ると同じ区画内が全部消えるわけです。

テープLEDの両側面は+12VとGND(-)がずーっと最後まで繋がっており、次の区間にもその次の区間にも一斉に同時に流れるように、各区画がそれぞれ並列接続されています。

格安テープLEDの商品は原則5mロールになっていて、とても長いので一見、直列に見えますが、実は電極で区切られた区間ごとは全て並列で接続されています。

この1区間分の配線を先日のLTspiceで表現してみるとこうなります。

テープLED1区間分の配線模式図

波線矢印ありの「D」は「LED」、「R」はおなじみ「抵抗」です。

上の写真の流れそのままです。

ちなみにここには出てきませんが、波線矢印なしの「D」はダイオードです。

で、鉄道模型でよく使う通常密度10cmのものなら2区画分が並列に接続されているので、模式回路は下のような図になります。

通常密度テープLED10cm分の配線模式図
LEDには向きがあるので、上の図の場合、
電流は左(+)から入って、右(-)から出ていきます。
右からは入れません。

通常の5mロールの場合、この5cm回路が100個分、並列につながっているということです。直列ではないのですよ。

高密度だと、10cm分でも2.5cm単位が4つ分なので、下のようになります。

高密度テープLED10cm分の配線模式図

高密度と通常密度のテープLEDの抵抗のところを拡大したものが下図です。黒いパーツに「151」と数字が明記されています。

高密度と通常密度テープLEDの抵抗値表示

これはどちらも「151」と書かれています。(最後の1桁は10のべき乗なので、実際は150Ω)

 

それではホントに151Ω(150Ω)なのか、実際に抵抗値を測ってみましょう。

以下、通常密度の1区間分5cmを使っていきます。

このただでさえ小さい抵抗の両端子にワニグチを噛ませるのは至難の業ですが、なんとか噛ませて、テスターの抵抗測定レンジは200が適当です。抵抗を測ってみます。

測ってみたところ、「151.3Ω」でした。0.3Ωは商品のばらつきか、測定誤差かもしれません。いずれにしてもこのレベルだと表示に偽りはありません。

通常密度テープLEDの抵抗両端の抵抗値測定[151.3Ω]

 

ということで、せっかく苦労してワニグチクリップを抵抗両端に噛ませたので、このまま、一旦テスター側のプラグを抜いて、レンジを直流電圧測定の「20」に合わせて、実際にテープLEDに12Vかけたときの抵抗両端の電位差(V)を測ってみます。

設定を変える場合には一旦、テスター側のプラグを抜いてやるといいです。上のような切り替え方式だと、OFFもしくは違うレンジに行くまでの間に、場合によりますが、支障のあるレンジも通過しなければなりません。プラグを抜くのが簡単です。

通常密度テープLEDに12Vで点灯させたときの抵抗両端の電位差

また、たまたま逆の極性になってしまいましたが、抵抗151.3ΩのテープLEDを12Vで点灯させたときの抵抗両端の電位差は「2.94V」です。符号はこの場合無視します。

抵抗両端にかかる電位差と抵抗値から、この抵抗を流れている電流が計算できます。

おなじみの

E=IR

から、I=E/Rです。

すなわち、

I=2.94(V)/151.3(Ω)=0.0194315(A)=19.4(mA)

と計算できます。

抵抗を流れる電流値はそのまま、回路を流れる電流値と同じことです。

 

では実際にこのときの回路全体に電流計を組み込んで、1区画分のテープLEDの回路を流れる電流を測ってみます。

・12V電源の+極をワニグチでテスターの赤棒に繋ぎます、

・テスターの黒棒先端をワニグチでテープLEDの+極に繋ぎます。

・テープLEDのー極をワニグチで電源のー極に繋いで、配線は終了、

・テスターのレンジは電流の「200m」に合わせます。まだ電源OFFの状態です。

電流測定は順番を間違えるとテスターを破損しますので、特にレンジスイッチ切り替えは電流を流していない状態で行うようにします。

・それだけ準備が揃ったら、電源ON!

通常密度テープLEDに12Vかけて点灯させたときに回路に流れる電流値[19.6mA]

おおおっ!

19.6mAですっ!すごい一致率!。

これで少なくともこの回路のような並列がない回路では、抵抗両端を流れる電流値も回路全体を流れる電流値も同じとわかります。

このテープLED1区間分にかかる電流は19.6mA、おおよそ20mAです。テープLEDの長さをいくつにして回路が複数並列になっても、1区間内の電流・電圧バランスは変わりません。

 

途中に使う抵抗値は、最大電圧12Vをかけた時に、LEDに流しても良い電流値(20~30mA付近が多い)となるように調整するために計算して決めています。位置は直流経路のどこでも構いません。逆に言うと、適切な抵抗を用いれば鉄道模型で3V用や5V用の電球やLEDでも使えるようになるわけです。明るすぎれば好みに応じて抵抗値を試行錯誤で増やすことになります。

 

消費電力はというと、回路全体では12Vの電圧がかかっているので、W=IEで、20/1000*12で、このテープLED1区画分の消費電力は0.24Wと計算できます。5mロールであれば100区画分なので、24Wです。

高密度でも1区間分(2.5cm分)では、抵抗が同じであれば、ついでにLEDも同じものであれば同じです。5mロールであれば200区画分なので、48Wとなります。

実際には同じ抵抗値でも結構電流値が異なっていたりするので、恐らくロットによってLEDの規格が有意にばらついていると想定されます。ここが格安たる所以です。

あるいは高密度では企業努力により効率のよいLEDを使用している可能性もあります。

 

上の手順で、「1区間内のテープLEDに流れる電流値は、抵抗両端にかかる電位差と抵抗値から計算」で出すことができます。テスターで直接電流を図るよりもはるかに安全です。

長物の場合は、区画単位の数だけ掛け算すれば、回路全体を流れる電流値が計算されます。ついでに電流値がわかれば最大の12Vをかけたときの消費電力も計算できます。

 

ここで、パワーパックとの兼ね合いを考えてみたいと思います。

原則的には、密度にかかわらず1区画に流れる電流が約20mAであれば、

鉄道模型で考えると、1車両あたりの電流は、

・通常密度10cmの場合、2区画分なので、40mA、

・高密度12.5cmの場合、5区画分なので、100mAとなります。

パワーパックには最大出力電流が明記されていますが、初心者用、入門編などは0.3A(300mA)だったりすると、上の規格の室内灯を使用すると、動かないT車だけの前提で、

・通常密度であれば、8両編成付近から、

・高密度であれば、わずか3両分程度で出力限界

という計算になります。

通常は動力車も最低1両は連結するはずですが、動力車は1両で最大出力時には300mAを超えたりするので、前照灯・尾灯などもあるとすぐにパワー不足となります。

古い電球タイプの前照灯・尾灯では電球1個の消費電流で20~30mA程度ありますが、新型のLEDタイプだともっとわずかです。実際に測ってみるのも面白いです。

なので、複数連結車両で動力車と室内灯を楽しみたい方は、パワーパックには1.5A以上のものを選ぶのが無難です。高密度テープLEDをご利用の方は特に要注意です。

パワーパックは複数線路に繋いでも大丈夫です。ちゃんと並列追加になります。ただ、隣り合わせよりは、ループの反対側など一番遠い位置に置いた方が効果的です。

意外な盲点になりがちですが、パワーパックに十分な出力があっても、AC/DCアダプターの最大出力で頭打ちとなるので、こちらも充分に注意が必要です。

つかない、動かない、の人は一度電源回りの容量を確認するのがいいと思います。

「室内灯の使用時点で、すでに「初心者」卒業」ということです。足りなそうであれば、あきらめて買い足して下さい。ライトを付けて走る列車は格別です。

 

ところで、

あるテープLEDには「2835」と書いてあった個体があったので(1番最初の写真の右端)、適当に既存のデータをいじくり回して名前を付けて、せっかくのLTspiceで回路図を作成してみました。

テープLED1区画分の回路

ついでにせっかくなので、抵抗両端を流れる電流値もシミュレーションしてみました。

 

下に抵抗R1の部分を流れる電流をシミュレーションしたグラフを示します。

抵抗151ΩのテープLED1区画で抵抗を流れる電流値
12Vの時に16.8mA程度

ためしに、他のパーツ、例えばダイオードの部分を指定しても全くグラフが重なります。これは、全体を通して、電流値が一定であるからです。上の回路のように複数の並列回路がなければ、電流計はどこに設置しても同じ電流値を示すということです。

LTspiceダイオードリストにあるLEDの数値をいじくり回して、かなり近いところまでいったのですが、これ以上は変数をいくらいじっても実際に近づかず、現状ではこれが限界です。最大値だけで見るとそこそこいい感じもしますが、もっと低い電圧(1-2V付近)から点灯が始まっていたので、グラフの立ち上がりもかなり遅いようです。

抵抗と直流電源は妙な挙動は示さないので、この電流値の違いはLEDの規格値のみによるものです。(その後、どうも電源側にも要因がありそうだということがわかりました。)

電気屋さんではないので、LTspiceが抱えているダイオードリストのどの名称が今現在相手にしているものなのか、殆どというか、全くわかりません。実測値に合うように試行錯誤のみです。

 

LTspiceは数ある回路シミュレーターの中では一番初心者向けとされているので、暇で電気にちょっとでも興味のある方はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

 

Tomix台車の旧集電方式

Tomix旧集電方式の台車

旧集電方式と呼ばれている台車はこんな形です。この車両では集電板はついていません。が、準備完了の台車です。

Tomixの旧集電台車
車輪の間付近に電極バネを通す穴があいています。
この車輪は集電板を押さえるワッシャがありません。
交換の必要があります。

この台車には、車輪と車輪の間付近に、集電板からの電極バネを通す穴があいています。

この車両の車輪は集電板を固定できないので、車輪交換の必要があります。固定はできる可能性はあるのですが、車軸でショートするため不可です。黒い方は大丈夫そうですが。

もっと古い台車だと、穴すら空いてないものもあるようです。Tomixは概ねネジ止めなので、自作代用集電板でもリード線を通す手段がなく、お手上げ状態です。台車交換ですね。

 

ということで、Tomixの古い車両に適用されている台車の旧集電方式の集電板、集電バネ、専用車輪がまだリーゾナブル価格で売っていたのでポチってみました。

どれも1セット1両分、4個ずつです。

Tomixの台車の旧集電方式の車輪、集電バネ、集電板
Tomixの旧集電方式はこのセットでないと装着が難しいです。

 

Tomix旧集電方式専用の車輪

銀色はもうないので、黒をポチりました。Amazonでは銀(0651)もまだあるようです。

車輪はこれでないとうまくハマりません。新集電方式の車輪は車軸が短いようで、この台車では落ちてきてしまいます。

Tomix旧集電方式の車輪(黒)
車輪の内側に集電板抑えがついています。

この車輪内側のワッシャが集電板を固定しています。同時に通電もしています。車軸とは絶縁されています。めちゃ手のかかった車輪です。

 

集電バネ

既出ですが、集電バネは径2mmです。

集電バネの外径=2mm

集電バネ初期長さ(L=7.5mm)

集電板の長さはL=7.5mmとありますが、少し伸ばしてから装着しないとどうにも通電が不安定です。伸ばして1cmぐらいでしょうか。それ以上伸ばすと折れ曲がってうまく通電できない可能性があります。台車の首振りもぎこちなくなります。経験談

 

集電板

台車に付ける集電板は正式名称は「集電シュー」というようです。

Tomix旧集電方式の集電板
1車両分、4個入です。
なんか、全員集合を思い出して涙ぐんでしまいます。

サイズは、

Tomix旧集電方式の集電板
全体の長さ17mm強、横棒部の合計幅3mm弱、
横棒部の説明ですが、幅1mm程度、
両端から3mm内側で一旦斜め下突起側に折れ曲がり、
斜行部2mm程度で下に約2mmずれた
ところで水平に戻り、中心部に至ります。
突起部は横棒部との接合部
根元から90度折れ曲がり、2mm幅で、
またもとの方向に90度折れ曲がります。
折り返し部の棒の幅2mm弱、長さ4mm程度です。

カモメのような形をしています。

折り返した棒には外径2mmのバネがすっぽり入るので、その幅はバネの太さ2本分だけ、2mmより狭い感じです。突起部の長さは4mm程度で、この折り返し部でバネをカッチリ支えます。

 

長さは17mmより少し長いかな、と思ったら、17.2mmでした。人間の目は予想外に精度が高いです。

長さ(17.2mm)

結構な厚みが見られるので、同様にノギスで測ってみます。

集電板厚さ(0.2mm)

厚さは0.2mmあります。ちょっと手作業で加工するのは無理な厚さです。

 

最初横長の「T」字で作って突起部を後から曲げています。

折り返されている突起部は、本体横棒部との接続部根元から90度曲がって、約2mm進んだらまた元の方向へと90度曲がって折り返しています。完全な「コ」の字形をなしており、折り返しと本体との合計幅は根元付近で2.1mmです。先端に行くにしたがって、わずかに開き気味です。バネが効いて台車に固定しやすくなっています。

本体と折れ曲がり部の合計幅(2.1mm)

厚さ0.1mmの銅板だと目的を達成し得ないかもしれません。

車輪とのセット規格でもあり、現在のところ、代用品の設計案がちょっと思いつきません。

 

集電板装着後の台車

集電板・集電バネ装着済みの台車
オプションの台車はだいたい、
この状態で売っています。
右がもとの7.5mmの長さですが、
少し伸ばしてやらないと通電が不安定です。
車種にもよるとは思います。

上のパーツ類、少し多めにゲットしたので、他のTomixジャンクにも装着してみようと思います。通す穴のあいている対応する台車限定ですが。

また後日。

 

サハ103(KATO 401)

KATOのサハ103 (401)です。

サハ103 (KATO 401)

懐かしの京浜東北線ですねえ~~~。。

ご尊顔

早速バラします。

 

分解

分解は屋根板から、古い車両はとかくプラスチックも折れやすいので要注意です。

ばらし
座席板は車体と一体型、
台車は室内灯未対応版、
床板には集電版用の穴もありません。
室内灯未対応の旧式車両です。

この車体は全面的に室内灯に未対応の車両です。キハ20のT車とほぼ同じです。床板に集電板用を固定する爪がないので、多分新しい室内灯形式のものでしょう。

台車はというと、

台車および車輪
中心ピンどめ、
台車は集電版設置不能
車輪は室内灯未対応

中心ピン止なので、代用集電板は使えそうですが、台車も車輪も集電未対応なので、ここは迷わず、台車ごと市販のものと交換します。

交換した台車には集電板がついていますが、床板にこれを通す穴がないので、外して代用集電板をつけるとします。

 

代用集電板作成

それでは未対応車両に対応する代用集電板を作っていきます。

車軸間隔は14mmなので、以前作成した設計図に従って、銅板を切り出します。

代用台車集電板

切り出した銅板の中心(+)にΦ0.5mmリード線4cmおよび2cmをはんだ付けします。

銅板中心部にリード線をハンダ付け

半田付けしたら設計図に従って、黒ポチのところにポンチで凹みを付けます。

代用台車集電板
ちょっと試しに片方を2cmでやってみました。

台車集電板はこれで完成です。

 

床板集電板の作成

次に床板集電板の作成というか、作成です。

まずは床板にオモリを設置します。

床板にオモリを設置

このままでは電気的に使いづらいので一旦絶縁のためにカバーアップマスキングテープで完全に覆います。ついでに床板に固定します。

6mm幅の両面導電性銅箔テープを、概ね床板長より少し短い位の長さのものを2本準備します。

オモリにカバーアップテープ
両面導電性の銅箔テープを2本準備します。

オモリを固定するように左右1本ずつ、銅箔テープを貼ります。

銅箔テープでオモリを固定


この銅箔テープが電極になります。

 

台車とりつけ

交換した台車についていたオリジナルの集電板を外し、上で作成済みの代用台車集電板を取り付けて車輪で固定する感じです。慣れてないとちょっと大変な作業です。

 

新台車に代用集電板を取り付け
一つはリード線が4cm、
もう一方は2cmですが、
全く意味ありませんでした。
どっちも2cmで充分です。

リード線の長さを試行錯誤的に変えてみたのですが、全く意味がありませんでした。蛇足この上ないので、どちらも2cmで充分です。

現在開放側のリード線は被覆を5mm以上、剥がしておきます。

床板の中心ピン穴からリード線を通し、ピン留め、極性をよく確認して台車の銅箔テープに銅箔テープで貼り付けます。

床板に台車とりつけ
リード線を銅箔テープに銅箔テープで貼り付け
極性を間違えないように
必ず台車の左側、右側を前後で合わせます。
クロスさせるとちょっと大変です。
何度もテスターで確認します。

リード線を銅箔テープでカバー
線に遊びをもたせるようにしてカバーします。

ここで重要なのはリード線を完全に銅箔テープで床板に貼り付けますが、まずは、極性の一致(テスターで車輪と銅箔テープで何度も導通確認)と、台車の首振りを考えて、というか、試行錯誤しつつ、多少遊び箇所を残して貼り付けます。

ここに室内灯からくるリード線を貼り付けます。こちらも貼り付け側のリード線の被覆は5mm以上剥がしおくと導通が完璧です。

 

室内灯作成

ブリッジダイオードは省スペースでMB10Mで充分です。

高温度(450℃以上)のハンダゴテを使って、ブリッジダイオードを固定しておけばそんなに困難な作業ではありません。

ブリッジダイオードにΦ0.5mmのリード線4cmをハンダ付け
極性のない側にリード線をはんだ付けします。
一連のリード線は全てタミヤのパイピングケーブルです。

 

使用するテープLEDは高密度(3灯/2.5cm)の白を使います。

テープLEDとMB10M
必ずブリッジダイオードの極性と
テープLEDの極性を合わせます。

ブリッジダイオードの極性のある方の足をテープLEDの電極に極性を合わせてハンダ付け、リード線の先端を座席板の引っ掛け爪用の穴を通過させたあと、床板に銅箔テープでとめることになります。写真省略。というか、まさかのとり忘れ。

とここまで来たら、屋根裏がちょっと大変なことに気づきました。

 

屋根裏の突起対策

屋根裏がボコボコ
換気扇かクーラー部品の足でしょうか。

なんと、屋根裏がボコボコで、このまま貼ったのではとても心細い。ということで、

タミヤプラ板1mm厚さのものを幅1cmで車長分、切り出して準備です。

タミヤプラ板を幅1cmで車長分切り出し

このプラ板に穴を開けようと思ったのですが、以外とやりにくい。かつめんどくさい。

というわけで、大胆に通常の穴あけパンチでバチコン、ばちこん。

プラ板に書類用の穴あけ

ちょっと強度的に心配な形状ですが、強度は全く必要ありません。

これをそのまま、両面テープで屋根裏に貼り付けます。

両面テープでプラ板を貼り付け

厚さ1mmのプラ板ではまだ多少ポッチの先端がはみ出ていますが、この程度なら問題ありません。

この上にさらに両面テープを貼り付けます。

プラ板の上にも両面テープ

裏紙を剥がします。

両面テープの裏紙を剥がし
ここにテープLEDを貼り付けます。

屋根裏側の受け入れ体制は準備完了です。ここにテープLEDを貼り付けます。

位置は車体の位置を見ながら、慎重に貼り付けます。

組み立てて点灯試験。

点灯試験オッケー

台車集電板から室内灯まで、点接触箇所がないので、安定度抜群です。

殆どの未対応車の室内灯にはやはり台車交換は不可欠かもしれません。

あの⊿状突起があるとなんとも手の出しようがなく、ほぼ全てのケースで車輪の交換は必須です。台車さえ交換すればあとはとんとん拍子に進みます。

 

 

TOMIXクハ165

さてと、本日は初めてのTOMIX車両で、クハ165です。なんとなく。

同じくTOMIXクハ211とKATOの103系と3両で1480円だったので、TOMIX車両を一度バラしてみたく、飛びつきました。

まずはそのうちの165からです。屋根上のクーラー?結構ヤケというかヤニというか、強烈。

台車車輪の集電形式からみて、旧集電形式といわれるやつと思われます。

室内灯はバネ方式のものです。これをバネを使わずに自作室内灯を点灯させたいと思います。

TOMIXクハ165

TOMIXクハ165ご尊顔

TOMIXクハ165ご尊顔連結側

ヘッドライト・テールライトは穴はあいてそうです。

TOMIX165裏側
台車には集電版がついているのでそのまま使います。

台車にすでに集電版がついています。バネもついています。よく見ると、右側の下側の集電版にはバネが欠損しています。

 

分解

早速台車ネジを外してみます。ちょっと見づらいですが、車輪の内側に集電版受けのワッシャみたいなものがついています。

これがTOMIXの旧集電方式というやつです。いいねえ。これに対して新方式はKATOと同じ車軸先端接触型の集電版です。新方式なら自作の代用台車集電版で代用できそうです。今回は最初からついているのでそのまま使います。

台車ネジはずしが分解の全てです。
台車集電バネ、左側は2個ありますが、右が1個欠損です。

台車のネジを外したら簡単にバラバラになってしまいました。

TOMIX165全分解
白い座席板は、左が前照灯・尾灯側、右が室内灯側の
それぞれ電極を通す穴となっているようです。
ガラス右上がちゃんとハマっていません。
なおしときます。

白い座席板と台車で黒い床板を挟んでネジで固定しています。

車体本体は台車ネジとは無関係に、すなわち、台車を外さなくても第一段階の解体は可能です。窓ガラス板の爪を白い床板の溝にはめて固定しています。当然ですが、1本でも折ると大変です。

ポロンと部品が落ちてきたのでみたら、前照灯・尾灯のON/OFFスイッチのトグルでした。
座席板を車体に組みなおして、スイッチらしきものを設置してみます。このスイッチを前後させることで前照灯・尾灯をON/OFFさせるようです。

前照灯・尾灯側車体と床板
このスイッチではKATO式のただの棒だと
引っかかって折れてしまいそうです。
「く」の字にしてオモリ兼床板電極に
接触させるようです。
かつて接触していた跡がありました。

ここで車体の前照灯・尾灯側を見てみます。

で、車体の内側はというと、

車体内側、前照灯・尾灯格納庫
右の座席板上方の2つのD字型の穴に
室内灯側のバネ式電極を通すようです。

ちょっと分かりづらいですが、前照灯の方は透明なフィルターが設置されていますが、その少し下の細い黒い隙間が尾灯の個室です。赤いフィルターは入っていません。

これは前照灯・尾灯を設置するには完全遮光の隔壁が必要そうです。

今回は室内灯を取り付けるだけにとどめ、前照灯・尾灯の方はまた後日考えるとします。

室内灯ですが、バネ電極を使わないで床板のオモリ兼電極に接触させるには、、、、と考えることもなく、銅箔テープとリード線です。

今回は後でまた開いて前照灯・尾灯を設置するかどうか検討するために、リード線は着脱可能なプラグを取り付けたいと思います。例のデュポン2.5mmです。

記憶が正しければ、まだ正式に使ったことはないので、ここで使ってみます。

あ、あったかな。

 

床板側電極

まずは、いつものΦ0.5mmリード線4cmの片方にデュポンのオス型電極をハンダ付けします。

リード線4cmにデュポン2.5mmのオスをハンダ付けして取付
細いのでハンダ付けがめっちゃ難しいです。
付けすぎるとカシメが閉められません。
高温のハンダゴテの先を細いものに取り替えて使います。

で、床板側の電極ですが、オモリが兼用となっています。

このオモリにリード線をハンダ付けするために、あらかじめ、半田箇所に銅箔テープを貼っておきます。直接付けるのは気が引けます。

オモリ兼電極の片方の端に幅6mmの両面銅箔テープを貼ります。

貼り付ける前には、オモリ自体の導電性を確認して、怪しければ迷わずサンドペーパー。で、貼り付けます。

オモリ兼電極の接触部付近に幅6mmの両面銅箔テープを貼り付け
黒い床板の穴の位置を確認しつつ、貼り付けます。
バリのある側を座席板側、ツルンとした側を台車側にします。

次はこの両面銅箔テープに、先程のリード線の一方をはんだ付けします。両面テープ止めだとネジ外しの度に剥がれる不安がありますので、かといって、製品のオモリに直接ハンダ付けするのは気が引けるので、銅箔テープにハンダ付けします。

オモリにつけた銅箔テープに先程のリード線をハンダ付け
固定すれば作業は簡単です。
貼り付けたい場所付近に
ハンダ用液状ペーストを塗っておきます。

ハンダ付け
高温度の半田ゴテであれば一瞬です。
座席板の穴の位置ピッタリであれば、
多少盛ってあっても問題ないですが、
盛りは少ないに限ります。

オモリ兼電極の中央部付近に両面テープ
オモリ中央部付近には動かないように
両面テープを貼っておきます。
座席板側に固定用の突起があるので、
両面テープは座席板側に貼ります。

この方法であれば電極が不要になったら剥がすだけで、原状復帰できます。いいねえ。

 

室内灯

次は、室内灯側、高密度3灯/2.5cmものの電球色を10cm(通常密度でもこと足りるのですが)、これにブリッジダイオードはMB10M、反対側の足にちょっと長い感じですがΦ0.5mmのリード線を4cmハンダ付け、その先にデュポンのメスプラグを取り付け、接触しないようにカバーを付けておきます。

デュポンのカバーはハンダ付けしてから外側からはめます。カシメ上側をカバーの穴に合わせると、ちゃんと入るとカチッと音がします。しないこともありますが、抜いてみて抜けなければOKです。

室内灯側作成
高密度の電球色10cm、
ブリッジダイオードはMB10M、
リード線はΦ0.5mmをあえて4cm
リード線の先にはデュポン2.5mmのメスをハンダ付けして
接触防止用にカバーをとりつけます。

ここで、いやもう少し前の方がいいですが、そのままだと、このオスメス、非常に硬いので、少し抜き差しして慣らしておきます。

この時点でこんなかんじです。

室内灯取付準備
座席板のD字型の穴の下から、
おもり兼電極側から出るリード線を通します。

 

組み立て

オモリから出ているリード線を座席板D字型の穴の下側から通して、両面テープでオモリ兼電極を座席板に固定します。

オモリ兼電極を座席板下側に設置
というか、オモリ側のデュポンオス側を
座席板のD字穴を下側から通したら
両面テープで座席板に固定します。
リード線がオモリと座席板の間に挟まれることなく
ダイレクトに通過できていればOKです。

下から見た図

室内灯と床板
オモリを座席板に両面テープで固定したら
黒い床板に合わせてみます。

次はテープLEDを屋根裏に貼り付けます。

屋根裏にテープLEDを貼り付け

一応、オス側にもカバーを付けておきますか。非常に近い位置で接続するので。

オス側にもカバー取付
で、接続試験。めっちゃいい感じですが、
ちょっとでかい。この後の収納箇所に悩みます。
ギリギリ座席の間には収まりませんでした。

接続OKであればあとは仮点灯試験をしてOKであればこのまま組み立てです。

 

台車集電バネ1個欠損対応

さて、その組み立ての前に、台車のバネが1箇所、欠損していました。このままでもいいのですが、なんかもったいない、ということで対策を考えます。

バネ1個のために激レア貴重品を買って半端にするのももったいない。

かといって、銅板でバネの代用品はちょっと思いつかないし、バネばっかりは銅線つまようじにグルグルで弾力をもたせられるように自作する自信がない、焼き入れが必要でしょうか、ちょっと自分にはムリっぽいです。

ということで、ここは意表を突くかどうかはさておき、残っている片方のバネをぐいーんと2倍の長さまで伸ばして半分に切断します。

台車集電バネ欠損対応
右はちゃんと揃っているもの、
左は1本のバネを伸ばして2分したもの。
問題なさげに見えます。
荒療治。

この場合は確実にないことが判明しているのでやりましたが、「飛ばしてしまった」など、「後で出てくる可能性がある場合には決してやらないでください」。

原状復帰は不可能です。

ちなみに、台車集電板用のバネの外径は2mmでした。

TOMIX台車集電板用のバネの外径
こういう定規が1個あると重宝します。

長さは隙間とバネの太さが同じ程度の緩み具合で7.5mmでした。経年で縮んでいるかもしれませんが、この長さでちゃんと通電します。

TOMIX台車集電板用バネの長さ

Φ2~2.5mm程度のバネならプラモデル用の代用品がありそうです。

台車の集電板と車輪の形状ですが、「旧集電方式」と呼ばれているのはこんな感じです。

まずは上から

TOMIX旧集電方式台車を上から
車輪の内側に集電板が張り付いています。

 

TOMIX旧集電方式台車を下から
車輪の内側に集電板を固定するワッシャ状のものがついています。

集電板は自作できても、この特殊車輪はちょっと代用品がありませんねえ。

自作にはかなりハードルが高すぎです。

 

仮点灯試験

とりあえず、このキテレツ台車を床板にネジ固定します。で、仮点灯試験。

仮点灯試験
接触箇所は台車集電バネのみ。

当然のように点灯してくれました。

では組み立てて最終点灯試験です。

 

最終点灯試験

この車両は、後日また分解する必要があるのと、デュポンコネクタの使い勝手を試したかったのでコネクタを使いましたが、通常はリード線そのまま直結でいいと思います。その場合は片側4cm1本ずつで済みます。

やはりコネクタは結合部がちょっと大きいのでないに越したことはありません。

最終点灯試験

どっち側の極性でも前照灯は付きますが、尾灯は当然つきません。て、この前照灯、実は室内灯の光が漏れているだけです。前照灯・尾灯を設置させる際には、室内灯の光を完全に遮光する必要があります。

まあ、この対応はまたいずれということで。新たなチャレンジです。パチパチ。

TOMIX車両の台車集電版および集電バネについてはまた後日、改めて取り上げてみたいと思います。

電気回路シミュレーターLTspice

今日はまたひとつ、ソフトな話題で。

発電サイクルの熱量計算シミュレーターが無料で一般配布されている現状だから、当然電気回路のシミュレーターもフリーであるんだろうなと確信に近い信念を持って検索したら、ウェブベースのものばかりがダラーっと並びます。が、フリーで使い勝手のよさそうなものが見つかったのがこれでした。初心者にダントツおすすめの一品らしいです。

LTspice

と入力して検索してみてください。これもいろいろ出てきますが、本家は

「ANALOG DEVICES」という会社のサイトです。

LTspiceのサイト
下の方にダウンロードボタンがあります。

「ANALOG DEVICES」という会社の製品らしいですが、全くのフリーです。登録も必要ありません。AMAZONを見たら攻略本が多数出ていたので、これは、と思い、早速ダウンロードしてみました。Mac OS用もありますが、スマホ版はありませんでした。

でインストールしました。

つい先日の1月31日のバージョンが現時点の最新版です。サイトでは「24.0.8」となっていますが、インストールしたら「24.0.9」となっていました。

インストールしたLTspiceのバージョン

ダウンロードもインストールもQGisほどの時間はかかりません。

で、最初の画面。こんな画面が立ち上がります。

LTspiceの初期画面

これも初めてだと何をすればよいのか全くわかりません。

ここもまずは、おなじみの「新規作成」です。

新規作成は左上のメニューバーにある「File」をクリックすると、こんなかんじのプルダウンリストが出てきます。

「File」のプルダウン

最初は一番上の「New Schematic」をクリックしてください。

すると、作業画面らしき箇所の暗闇に3次元的サインカーブのあったバックグラウンドが灰色一色に変わります。

設定でスナップ用のグリッドを表示させることもできるようです。グリッド表示してなくてもスナップはきいています。

「新規作成」画面

これが作業開始前の画面となります。作業は常にここから始まります。

まずは抵抗1個と直流電源1個の超シンプル回路を作成してみるとしますか。

 

各パーツの配置

最初は電源から。

メニューバーの「Edit」をクリックして、真ん中辺にある「Component」をクリックします。

「Edit」→「Component」をクリック

ここのリストに表示されている部品類は、「Registor(抵抗)」から始まって、「Capacitor(コンデンサ)」、「Inductor(コイル)」と来て、「Diode(ダイオード)」の次が、「Component」です。電源やIC、トランジスタなどはこの中に入っています。「Component」には、上下に並んでいる部品で表現しきれなかったパーツが多数収められています。

で、「Component」を開くと、色々入っているのですが、電源は一番最後から2番め、下のバーをぐりっとずらして最後を表示させると、「voltage」という単語があります。

「Edit」→「Component」→「Voltage」

矢印キーで移動していくと、左側にシンボルが表示されるので、意味がつかみやすいです。

電源が何の種類かは問わず、とりあえず電源はまずはこの「voltage」です。

ということで「voltage」が青く選択されている状態で、右下の「Place (配置する)」をクリックします。

電源がマウスカーソルになっています。
動くわ、動くわ。やりにくーい。

ちょっと分かりづらいですが、電源のシンボルが要はマウスカーソルになってるイメージで、これを任意の位置で左クリックするとそこに「V1」という名前の電源が配置されます。

V1電源配置直後
同じ位置で次のV2電源が
準備して待っている状態なので、
V2が不要の場合はここで右クリックします。

シンボルには右側の上と下に文字が書かれており、上が部品名、下が設定値となっています。と、ここでは「V1」という名前の電源の上に次の「V2」という名前の電源が重なって乗っかっています。

ここで次にV2を配置する必要がなければすかさず、「右クリック」して選択解除してください。マウスカーソルが「+」字に戻ります。

これはすべての動作で同じです。右クリックしないうちは、繰り返し作業となるので、マウスの位置に応じて画面が移動してしまい、移動距離が大きくなると探すのがかなり大変です。配線するときはこれが実にありがたい。

CADに近いというか、回路用CADと考えると慣れた人はすぐ慣れると思います。階層レイヤはありません。

殆ど全ての作業で「連続配置しない場合は、配置・作業したらすぐに右クリック」を原則とします。

解除すると通常の「+」カーソルに戻ります。

マウスカーソルが「+」の状態はマウスホイールグリグリで画面を拡大・縮小したり、ドラッグして図面を移動させたりできます。シンボルの記号の位置では、テキストの位置で入力が可能な場合には右クリックで入力可能なモードです。

同様にして、今度は抵抗を一個、配置しますか。

「Edit」→「Registor」で、マウスカーソルが抵抗のシンボルに変わります。

「Edit」→「Registor」を選択するとマウスカーソルが抵抗のシンボルに変化

特に意味はないのですが、ここでは操作説明のためにR1は横向きに配置したいので、必ず「配置クリック」する前に、下に説明がある通り、「Ctrl」+「R」、ここの「+」は「同時に」と言う意味です。蛇足でしたか。

1回やるとシンボルが90度回転してくれます。2回やると180度引っくりかえります。4回で元に戻ります。「Ctrl」+「E」で左右反転します。記号と配置によっては必要な局面も多々あります。

絵的にはここでは回転1回で充分です。

(と、思ったら1回だけの場合は右から左へ流れる抵抗で、図のように左から右へ流れる場合の抵抗には「Ctrl」+「R」を3回行う必要がありました。でないと電流をグラフ化したときにマイナスの値になります。配置してからでも「移動モード」で「Ctrl」+「R」ができる状態で2回やれば直せます。これ、縦向きの上下も同じと思います。抵抗に向きがあるとは気づきませんでした。ここは1回のまま進みます。おそらく、コンデンサとか、他のパーツも同じでしょう。)

R1を「Ctrl」+「R」で90度回転

これを任意の置きたい場所で左クリックすると、抵抗R1が配置されます。

複数必要な場合はそのまま配置したい場所でクリックしていくと、「R2」、「R3」、、、と配置されていきます。慣れると便利です。ここでは1個で充分です。というわけで右クリックして抵抗配置モードから抜けます。マウスカーソルは「+」に戻ります。

ここで、配置した位置が気に入らない場合には、「Edit」下から3番め、「Move」を選択すると、

「Edit」→「Move」

移動したいパーツを矩形範囲指定(長方形の範囲指定)して移動するための「矩形範囲指定」モードに入ります。

選択したい範囲の左上隅をクリックしたまま範囲の右下端まで持っていって(ドラッグ)、はなして範囲が設定できます。まあ、普通の矩形選択方法と同じです。

範囲を指定したら、またカーソルが範囲内の図形に変わりますので、設置したい場所まで移動できます。

「移動」と同じように、カーソルが「+」となっている状態で、

「削除」したい場合は2つ上の「Delete」、消えるだけでマウスカーソルは変わりません。

「複製」したい場合は1つ上の「Duplicate」、選択範囲がマウスカーソルとなります。

配線で接続した後に配線と一緒に移動したい場合には下の「Stretch」で、

いずれも矩形範囲指定で編集範囲を指定してからの作業となります。

これらの編集作業は1回限りなので、終了後に右クリックは不要です。

 

これだけわかればとりあえず回路図は作れます。では続いて、

抵抗R1を配置直後

ここでも、同じ位置で次のR2が準備しているので、右クリックします。

次にGNDを設置します。

ここでは「解析のためにはGNDがとにかく必要」とおぼえておきます。

そろそろ慣れてきたので、ツールバーのアイコンから選択します。真ん中へんの下向き三角から上向きに棒の生えたベーゴマみたいなやつがGNDです。

GNDを設置(必ず必要らしい)

これもそのままだと次のGND配置モードとなっているので、右クリック。

GNDには特に名前はありません。共通となるものなので不要です。設定値も必要ないので記号のみです。

 

配線

それでは、この3つの部品をつないで回路にします。

「メニューバー」の「Edit」からだと「Draw Wire」ですが、「ツールバー」からだと「GND」の左隣りの「横向きチンアナゴ」みたいなやつです。というか、シビルドンというか、愛嬌があります。

これをクリックして選択すると点と点を結ぶ線が引けるようになります。

1回めのクリックで、線分の始点、2回めのクリックで線分の終点が設置され、引き続きそこから2本めの終点、3本目の終点と連続して直線を弾くことができます。

何もないところでも引けます。

連続直線モードなので、右クリックするまではひたすら線を描き続けます。

これもその都度、作業終了後には右クリックしないとマウスが動くたびに画面が移動してちょっと大変になります。

 

まずは、チンアナゴもしくはシビルドンをクリックしていわゆる罫線モードにします。

・V1の下の端子(小さい正方形□)をGNDの上辺の端子(□)に接続したら1回右クリックして罫線モード解除、

・次にまた配線アイコンをクリックして罫線モードにしてから、V1の上の端子(□)とR1の入力用端子(左側の□)を結んであげます。一旦解除してから、

・また罫線モードにして、次はR1の出力用端子(右の□)とGNDとV1の接続線の任意の場所に接続します。で、右クリックして罫線モードを解除して終了です。

ここはV1の「-」側に戻さなくても、GNDをもう一個任意の位置に配置してそこに繋いでもOKです。

配線を他の線上のどこかに接続すると、「接続されているマーク■」が出ます。下の絵では電源の「ー」極と「GND」を繋ぐ線に1箇所、接続点■があります。直線的に接続されている点は■マークは出ません。

で全部接続し終わったのが下図です。

とりあえず回路できあがり~~

このままではただのシンボル絵なので、電源と抵抗に値を設定してみましょう。

 

各パーツの値を設定

まずは電源の「V」の文字のあたりでマウスカーソル(+)がアルファベットの「I」の字みたいに変わったら、下の行にも「Right Click to edit "V", the value of "V1"」と表示されます。その状態になったらそこで右クリックします。編集モードに入り、値の指定ができるウィンドウが開きます。

パーツ本体でマウスカーソル形状が変わったら、パーツの規格値を商品名リストから選択できるようです。が、パーツの種類によってはここでは変えられないものもあるようです。

これを「V1」の文字付近でやると電源の「名前」が変えられます。名前の場合は解析には影響しない箇所なので任意っぽい感じがしますが、実は解析で最初の1文字を参照するとあったので、必ず1文字目は電源なら「V」、抵抗なら「R」、コンデンサなら「C」などのように最初の文字を残しておくのが無難です。

電源の電圧値設定
「V」の字付近で右クリック

ここでは電源シンボルの下の「V」の文字付近を右クリックして、電圧値の設定します。鉄道模型を想定して「V」のところに「12」と入力して「OK」です。

左上の選択肢「Left」とあるところは文字配置の左寄せ、センタリング、右寄せ、右上の選択肢「1.5 (default)」の選択肢はフォントのサイズです。

この部分だけの文字の大きさはこういったパーツ毎のテキスト位置で変えますが、全体的に同時に変えたい場合はメニューバーの「Tools」かツールバーの左端の歯車アイコン→「Settings」→「Schematic」タブをクリックして右側にある「Size[*]:」の横にある数字を増減させて変更します。

上の各パーツでの文字サイズと単位系が違うのでかなり混乱しますが、どこかで同じ単位系があるかもしれません。調べておきます。

「Settings」ではサイズの他にフォントの種類(下の図では「Tahoma」のところ)も変えられます。強調の解除もできます。他にもいろいろあるようです。

ちょっと前までは日本語は使えなかったそうですが、割と最近、バージョンアップで日本語にも対応するように改良されたそうです。

「Tools」→「Settings」→「Schematic」タブの右で全体の文字サイズ変更

画面のコピーや背景などの色の変更もメニューバーの「Tools」から変更します。

電源V1を12Vとしました
「V」のあったところが「12」に変わりました。

 

で、次は抵抗に値を設定しましょう。全く同じようにします。

同じように「R」の文字付近でカーソルの形状が変わったら、右クリック。

抵抗値の設定

「R」のところをとりあえず「151」とでもしておきます。特に理由はありませんが、鉄道模型用の自作室内灯、AMAZONで格安のテープLEDの3個に1個の割合で張り付いている抵抗をルーペでみると最も多いのがこの数字なので、この数字にします。特に意味はありません。サンプルです。

こうして一応、解析が可能な最もシンプルな回路は完成しました。有り得ませんが。

回路完成!

では、これをシミュレーションしてみたいと思います。

 

解析実行!

何をシミュレーションかというと、電源電圧を0Vから12Vまで、0.5V刻みで増加させていった場合の抵抗を流れる電流を見たいと思います。シンプルなのもありますが、せっかくなので、ここは変化を見た方が楽しいです。

 

それでは、シミュレーションの条件を設定します。

・開始電圧;0V

・終了電圧;12V

・増減値;0.5Vです。

メニューバーの「Simulate」→「Configure Analysis」をクリック、

「Simulate」→「Configure Analysis」をクリック

「Configure Analysis」の設定画面が出てきます。

タブがいろいろありますが、ここはとりあえず、「DC Sweep」タブをクリックします。

そうすると以下の設定画面が開きます。

「Configure Analysis」→「DC Sweep」タブをクリックした設定画面

「Name of 1st sorurce to sweep:」には「V1」と入力(変化させるパーツの名前)、

「Type of sweep:」には「linear」を選択(変化の形状;ここでは直線的増加)、

「Start value:」には「0」を入力、

「Stop value:」には「12」を入力、

「Increment:」には「0.5」と入力して、

解析設定値の入力

一番下に見えている「.dc 」で始まるコマンド文らしき行「.dc V1 0 12 0.5」の数値を確認しつつ、一番下の「OK」をクリックします。

すると、先程の一番下の行に表示されていたこのテキスト文「.dc V1 0 12 0.5」がマウスカーソルになります。

解析条件がマウスカーソルに

これを任意な場所に配置しておきます。これは解析設定値メモでもあり、文字のどこかで右クリックすると上の入力画面が開き、編集が可能になり、数値などの変更もできるので、それなりに便利な箇所に配置します。

ちなみに、ここではまだ解析をスタートしていませんが、解析中にこの解析条件や回路中のパーツの数値などの各条件を変更した場合は、必ず再度「PLAY」ボタンで解析を再スタートします。

それではいよいよ解析します。

ツールバーカセットデッキの「PLAY」ボタンみたいな緑の右向き三角マークをクリックします。

解析;緑色の「PLAY」ボタン
マウスカーソルを合わせると、
まさに「Play/Pause」の注釈文が出てきます。

すると突然、画面が突然上下に2分割されて、上に空白のグラフ軸が出てきます。

まだ何も指定していない状態です。

回路図は半分にされたウィンドウの縦幅に合わせて縮小されます。

解析開始画面

それでは、回路の中の抵抗を流れる電流を見てみたいと思います。

シミュレーションが行われている状態(Playボタンを押した状態)で、

マウスカーソルを

「パーツの中心付近に合わせると、カーソルが電流計(?)」に、「配線上のどこかに合わせると電圧計(テスターの赤棒)」に変わります。

実際の電流計だと配線を切って配線間に接続しますが、このシミュレータでは各パーツを流れる電流のみが測れるイメージです。配線上の1点ではGNDとの電位差が測れます。

ここでは抵抗R1のノコギリ波状シンボルの中心付近で「電流計」となった状態で左クリックしてみます。

そうすると抵抗R1を流れる電流が入力電圧に応じて変化する様子がグラフにプロットされます。

抵抗を流れる電流表示
何故か極性が逆、イヤだわ。
カーソルも確かに逆向きでした。
なんかすれば向きは変えられそうです。

うーん、何が悪いんだか、極性が逆ですが、とりあえず、電源を0.5Vずつ、0Vから12Vまで増加させたときの電流値が表示されました。

これ、原因がわかりました。R1を配置したときに、1回だけ「Ctrl」+「R」をして横向きにしましたが、見た目わかりませんが、これは右から左へ電流が流れる方向で、図のように抵抗の左から右へ流れる場合には3回、「Ctrl」+「R」をして配置する必要がありました。

パーツを配置する場合、最初につかんだ位置から、

・パーツを1回だけ「Ctrl」+「R」した場合、右から左へ電流が流れる配置、

・パーツをそのまま配置した場合、上から下へ流れる配置です。

なので、

・下から上に流れる場合には、パーツを「Ctrl」+「R」2回、

・左から右に流れる倍位には、パーツを「Ctrl」+「R」3回、

ということになります。

 

配置してからでも、「移動」モードにして、該当するパーツを矩形選択して配置する前に、「Ctrl」+「R」操作ができる状態で正しい向きに直したら、同じ位置に戻して、また「Play」ボタンを押して再解析すれば、電流アイコンが正しい方向を向き、グラフの電流値は正の値になります。

 

グラフでは12V流したときに80mA流れるようです。ほほう。

実際に計算してみますか。ここは符号はとりあえず無視して絶対値で。

オームの法則:E=IR

で、I=E/R、12V/151Ω=0.0794702A≒80mA、おおお!

て、まあ、当たり前ですわな、ここで違うと先に進めません。

 

回路の任意の配線上でクリックすると、その場所とGNDの電位差が見られます。

GNDへ直結する線上では電位差ゼロなので選択できません。

抵抗の手前付近の電圧値の変化

電圧は単一の点だけではなく、パーツ手前でクリックしたまま(赤いテスタ棒が残ったまま)、パーツ最後でもっかいクリックすると、パーツの前後での降下電圧も測れるようで、これは複数パーツでも大丈夫で、大変便利な電圧計です。

解析の他に便利な機能としては、各パーツの中心付近で右クリックすると、パーツの諸元表示画面が出ますが、基本的にこの画面では数値の変更等の編集はできません。

ただ、各パーツの製品規格値リストもデータベースとして持っていて、「Select Xxxx」のところをクリックすると実際の商品名と規格の一覧が表示されます。ここに希望する商品名があれば、それを選択すると、必要なパラメーターが自動的に設定されるようになっています。便利です。自分でリストにデータを追加することもできるようです。

 

今回は回路シミュレーターの基本ということで、ここまでです。

明日は実際にテープLEDに電流を流して測定してみて、これに合わせて擬似的に回路を作成してシミュレーションと比較してみましょうかね。

テープLEDの規格値がわからないのが難点ですが、とりあえず適当にやってみるとしますか。

と思ったのですが、当日、指を怪我してしまったので、また後日に先送りします。最近目だけでなく手先まで怪しくなってきました。イヤだね。ほんと。

 

思ったより面白いですね、このソフト。とてもフリーとは思えない機能の充実ぶりです。

興味を持たれた方は、参考書がいっぱい出てますので、もし買うなら最新版のものを探して購入されるのがよいかと思います。ここ数年で要所要所でかなりいろいろ変更があるようです。

ただ最新版を購入しても結局はどんどん古くなっていくんですけどね。決してお安くはないので、当面はインターネット情報で充分かもしれません。

Google Chromeでメッセージが出て止まるような危険なサイトにはくれぐれも行かないように、自己責任でお願いします。