本日は、かねがね疑念を抱いていた、高密度のテープLEDの「電球色」についての話題です。
ここで言う「高密度」とは2.5cmの区間に3灯のLEDと1個の抵抗がついたもの、「通常密度」とは5cmの区間に3灯のLEDと1個の抵抗がついたものと、勝手に定義させていただきました。一般用語ではありません。
通常密度の「電球色」と比べると、高密度の「電球色」があまりに明るく、とてもノスタルジックに見えず、実際には「白色」寄りなんではないかと疑問に思っていたのですが、アイホンで面白いアプリを見つけたので、実際にこれを使って色温度を判定してみたいと思います。
使った色温度計は、「ホワイトバランスAI-KEV」という名称ですが、アップルストアで「色温度計」とやると一発で出てきます。
これは無料ではなく、照度計と合わせて600円位だったかと思います。私が購入したこの600円はサブスクではないです。
これで室内灯用テープLEDの「白色」と「電球色」の色温度を実際に測ってみたいと思います。
テープLEDについてる抵抗値もそこそこバリエーションがあったので、抵抗値で色までかわるのかどうかなどもついでに。
一般に単に「色温度計」で調べてみると、やはりLED関係の参考資料が多く、概ね「白色」では7000~8000K(単位;Kケルビン)、「電球色」では2000~3000K付近、3000~4000Kが「温白色」となっているようです。
使用したのは、高密度3灯/2.5cmの「白」と「電球色」、通常密度3灯/5cmの「白」と「電球色」のそれぞれ1区画3灯分で、抵抗の値の異なるモノをいくつか。
測定はテープLEDにPWMコントローラで12Vかけた時の、
・テープLEDに最初からついている抵抗両端の電位差(V)、
・抵抗値と電位差から計算した電流値(I)、
・実際に測定した回路に流れる電流(I)と、
・色温度を測ってまとめてみました。
測定回路はいつもと同じですので、省略です。
結果を表にすると(抵抗値順です)、
LED密度 | LED数 | 色 | 抵抗表示 | 抵抗値 (Ω) A |
12V時ー抵抗端電位差 (V) B |
計算I (mA) B/A |
実測I (mA) |
色温度(K) |
通常密度 | 3灯/5cm | 電球色 | 221 | 219.8 | 3.28 | 14.9 | 14.4 | 3934 |
通常密度 | 3灯/5cm | 電球色 | 151 | 149.3 | 2.86 | 19.2 | 19.0 | 3801 |
通常密度 | 3灯/5cm | 白色 | 151 | 148.9 | 2.90 | 19.5 | 19.1 | 7255 |
高密度 | 3灯/2.5cm | 白色 | 151 | 151.0 | 2.95 | 19.5 | 20.5 | 7423 |
高密度 | 3灯/2.5cm | 電球色 | 151 | 152.4 | 3.27 | 21.5 | 22.6 | 3771 |
高密度 | 3灯/2.5cm | 白色 | 101 | 100.1 | 3.01 | 30.1 | 30.7 | 7343 |
高密度 | 3灯/2.5cm | 電球色 | 101 | 100.1 | 2.99 | 29.9 | 29.6 | 3935 |
高密度 | 3灯/2.5cm | 白色 | 680 | 67.9 | 2.45 | 36.1 | 34.5 | 7240 |
「白色」は高密度・通常密度にかかわらず、どちらも7300K付近で、電球色はいずれも3700~4000Kでした。
実際のアプリ画面のスクショは表の上から順にこんな感じです。
おおお。次は高密度です。
まとめてみると、
・「白色」は7200~7400Kの間、「電球色」は3700~3950Kの間、
・抵抗値の値は色温度には有意と言えるほどの差を及ぼさない、
・各色ごとでは、密度(通常・高密度)の違いでは色温度には大きな差はない。
ということがいえそうです。
上述のとおり、高密度の「電球色」は、かなり明るく、もっと「白色」寄りかと思ってたのですが、全く通常密度の「電球色」と同じ範囲内の色温度でした。これはかなり意外でした。ただ、実際には「電球色」の測定色温度は、3000K台後半~4000K付近で、色温度のカテゴリー的には「温白色」と呼ばれる領域でした。抵抗噛ませてより暗くするともっと電球色っぽく見えるかもしれません。
テープLEDの抵抗値および電流値については、照度に影響しそうですが、これは正確に同じ距離で測る手段がちょっと思いつかないので、とりあえず保留です。
結論
・高密度も通常密度も「電球色」は「温白色」でした。
・色温度にテープLEDの密度の違いはありませんでした。
ちなみに、実際に色温度計を試される場合には、まっ暗闇の環境にしてから色温度を測って下さい。