tomopinのブログ

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L字型銅板の室内灯を作る手順

今日は一つ、L字型銅板の自作室内灯の作成手順を惜しげもなくご紹介したいと思います。

すでに作成済例は2つ位下の記事でご紹介しています。「汎用型」としているものです。汎用型といっても、KATO車に限定されますが。

作業としてはテープLEDとやや大きめのDB107のブリッジダイオード、L字型銅板を接続した、最も難しい箇所の少ないものです。

使用する道具類の説明は一つ前の記事(まず準備するのは道具類)にてご紹介しているので省略して、今日使う材料は前記事とは異なる、よりサイズの大きなDB107のブリッジダイオードを用います。テープLEDは普通のものでも高密度でも同じです。

主に下記のL字型銅板の作成手順についてご紹介したいと思います。

ブリッジダイオードDB107とL字型銅板

このL字型銅板は1本の4mm×5cmの短冊から切り出したもので、一つの短冊から2本作成して、1本の室内灯分となります。

太い方の幅は4mm×長さ5mm、細い方は幅2mm×4cmとなっています。

基本的には前記事でご紹介した2mm×5cmの短冊の作成方法と同じ方法を使います。

 

銅板の切り出し

まずは前記事で作成した5cm×20cmの銅板の残りの1本の短辺に両端から5mmのところに印をつけておき、両サイドから幅5mmとなるようにサインペンでもボールペンでもいいので線を引いておきます。へこまない程度に軽くです。

5cm×20cmの銅板の長辺両端から5mmの幅で線を引く

こんな感じです。かなり動揺しているようですが、動揺しないように線を引きます。

次に、また短冊を作成する要領で2mmだけ先端を出します。で、今回は印をつけたこの5mmの線の間で上から2mmの位置に軽く、書けないボールペン等で線を引いておきます。軽くです。

銅板短辺上から2mmのところに5mmの目印線の内側に線を入れる。折れたら平坦に戻す。

5mmの線の内側に2mmの線を引きました。へこまない程度に軽く目印程度の線を入れておきます。へこんでいますが、へこんだら一度ならして平坦にします。

次はもう2mm下、すなわち上から4mmのところで切断するべく、書けないボールペン等で端から端までコキコキします。要は4mm幅で切断していきます。

上から4mmのところで本格的にボールペンでコキコキ。

そうすると、また開放側が折れ曲がってくるので、ここでガラス板とT定規を使って、前作同様、今度は4mm幅の短冊を作っていきます。

コキコキ

一旦平坦にして

ガラス板とカッターマットの端部で反対向きに

この手順を2~3回繰り返すと、はら~りと折れてきます。

必殺折り切り!
ハサミで切るよりソリがありません。

4mm短冊がたくさんできました。
(中間部2mmのところに軽い折り目が入っています)

上記作業の繰り返しで短冊を作っていきます。

この順番以外にはありえません。

最初に4mmの短冊をたくさん作ってから、後から2mmの線を入れるのは至難の業です。順番がいかに重要か思い知らされた試行錯誤でした。

こんどはこの短冊を横にして、両端から5mmの目印に沿って、左側は上から、右側は下から、ハサミで2mmだけ切り込みを入れます。

先端の刃が厚いハサミはこの作業には向きません。切り込みが非常に乱れます。イメージ的には裁縫用の裁ちばさみくらいの感じでしょうか。ただし、先端のコントロールがしやすいのが必須条件です。バチンとやっちゃうと、少し先まで裂けてしまいます。途中で止める感じで終了します。

とにかくコントロールが容易な先端の刃が薄いハサミを使います。

端から5mmで2mmの切り込み

言葉で表現するとややこしいですが、こんな感じです。

次はこの切り込みから真ん中の線に沿って、右側の切り込みから左側の切り込みまでハサミでチョキチョキします。

最初の食い込みは2mmの切り込みの中央部くらい(切り込み始め1mm程度)から斜めに中央に向かって突入します。後で角を面取りするので、むしろ斜めが理想です。ひと手間が省けます。ヘディング角はお任せですが、あまり斜めにならない(先端がそんなに鋭角とならない)方がよいかと思います。反対側の根本が太くなってしまいます。

ハサミ入れ

途中で中断するとこんな感じです。これをひたすら反対側の切り込みに向かって、あらかじめ付けた線に沿って短冊を2分するように切断していくのですが、突っ込み側先端が太くならないように出来上がりをイメージしつつチョキチョキしていきます。

ハサミで切るとくるりんとなるので、ガラス板とT定規でケバケバなどをならした後、指で平坦になるように軽くしごきます。さらに挿入側の先端の角を面取りしておきます。

ハサミでちょっきん

最初に想像していたよりははるかに簡単に作成できました。

これをひたすらチョキチョキと、暇な時を見計らって作れるだけ作っておきます。

ここで床下挿入試験をしておくのが良いかもしれません。あとでまとめてやるのは結構大変です。

このL字銅板はKATO車で多く使われている床下集電版の配置に合わせてるので、大抵のKATO車に使えるということで汎用型としています。

室内灯における配置は下記の配列で接続されるように配置します。

L字銅板の配列

ブリッジダイオードはDB107が足の間隔がギリギリ銅板に乗っかる程度のジャストなサイズとなっています。この太い方の先端に接続します。

DB107はMB10Mよりかなり大きいので、車種によってはブリッジダイオード分、邪魔になることもありますので、必要に応じてテープLEDとブリッジダイオードの途中で足を曲げれるような配置を想定しておきます。

 

ブリッジダイオードへの接続

次にカマボコ板に乗っかる程度の本数で、上記設計図に従ってL字銅板を配置します。

2本が向かい合わせて5mmの間隔が開くように並んでワンセットです。下の例では5セット並んでいます。気持ち5mm弱間隔のものが多いようです。下にカマボコ板を置いておくと配列できる本数の上限の目安になります。この板では一度に5本が限界です。

L字銅板整列~~!

で、並んだL字銅板の細い方の上の方ですべての銅板にまたがるようにセロテープで貼ります(下の写真参照)。銅板だけをくっつける感じです。で、テープを剥がすとだいたい、銅板はくっついてくるので、そのままカマボコ板に張り付けます。カマボコ板の上端2~3mm以内に銅板の上端が来る位置で貼ると作業がしやすいと思います。これは車種による内側寸法にも左右されますので、あらかじめ、取り付けイメージを当たっておくとよいかと思います。

ここで銅板を取りこぼしてくるとかなり面倒な作業が待っているので、銅板はゴシゴシとしっかりテープに張り付けるとよいと思います。

L字銅板オンザカマボコ板
輪ゴムを二重にして止めるといいです

おめでとうございます!

もうここまでで面倒かつ困難な作業はほぼ終了といえます。

この方法ではブリッジダイオードはDB107限定です。他のサイズでは難しいです。

次はこれを万力の間において、両端二個のところにブリッジダイオードの極性のない方の足が来るように挟みます。淡々と進んでしまいましたが、ブリッジダイオードは極性のある方の足をあらかじめ延ばしておきます。

ブリッジダイオードを乗せる前に銅板電極上に半田用ペーストを塗っておくと、ブリッジダイオードの足を乗っけたときに動きにくくなります。ここでは半田の先付はしません。

カマボコ板の下に高さを万力の上端に合わせるべく、なんらかの台が必要です。曲がっている状態の足を上にして銅板の上に足が1本ずつのっかるようにブリッジダイオードをのっけます。

両端2個だけBDを置いて軽く挟む。
カマボコ板の下に高さを合わせるための下駄が必要
ブリッジダイオードを乗せる前にペーストを塗っておく。

まだ万力は両端2個のブリッジダイオードを軽く押えている程度のハサミ方です。

慎重に各銅板の上にブリッジダイオードの足が乗っかるように5個全部のブリッジダイオードを並べたら、軽く万力を閉じます。軽くです。とは言っても動かない程度に。

ブリッジダイオード(DB107)を固定
ブリッジダイオードの足は極性のない方が上に出ています。
写真ではブリッジダイオードの足は平行ですが、
銅板に合わせてわずかに開いておくと格段に作業性が向上します。

こんな感じです。ブリッジダイオードがなかなか固定しづらく、結構難しい作業です。乗っける前に銅板にペーストを塗っておくと動きにくくなります。

銅板に半田を先付するとブリッジダイオードが置きづらくなるので、ここまでは先付半田はせず、乗っける前及び乗っけた状態で半田用のヤニを塗っておきます。

足の形状が見えないくらいにしっかり半田が乗っていれば子の位置での導通は大丈夫です。軽く足を広げ気味にしておくのがいいかもしれません。

銅板を超えた範囲で足に半田がついてしまうと、後で加工が必要になった場合に非常に曲げづらくなりますので、半田は銅板の範囲内に収めます。

繰り返しになりますが、半田付けは極力、銅板とその上のブリッジダイオードの足を含む範囲に収めます。ブリッジダイオードの足の単独部分にまで半田がいってしまうと後で極端に加工しづらくなります。

うまく半田がつくとこんな感じになります。ここで綿棒などで銅板に付着したペーストを綺麗にふき取っておくといいと思います。ブリッジダイオードの足単独の部分にまで半田が付いてなければ、「ブリッジダイオードが邪魔になる内径寸法の車両(キハ20系など)」でも、器用に足を曲げてやることは可能です。根元から折れやすいので、かなり至難の業ですが。足の銅板以外の部分には極力半田はないに越したことはありません。

ブリッジダイオードの上向きに伸びている手つかずの足は極性のある方です。

銅板ブリッジ半田づけ完了

次はテープLED(高密度)の半田付け箇所の防水被膜はがしです。テープLEDを光源をこちら側に向けて立てて見て、右が「+」、左が「-」になる側の被覆を5mm程度、電極の終わりより少し手前ぐらいまで剥いでおきます。

その剥ぎ方ですが、まずカッターを被膜とテープLEDの間に差し込み、防水被膜を完全にテープlEDから分離しておきます。次に軽く縦・横および両端とも切り込みを入れたら手でも簡単に剥けます。カッターでこすってみて電極に傷が付けばOKです。電極に薄い防水被膜が残ってないことを確認したら(電源をリード線付きクリップなどで接続してどちらかの極性で光ればOK)。残ってたらカッターを被膜とテープLEDの間に差し込んで完全に分離して切ります。コキコキは被膜が残ってなくても一応しておいた方が半田のノリはよくなります。くれぐれもテープLEDまでカッターの刃が及ばないように気を付けて作業します。テープLEDを傷つけると確実に断線となります。

あとは適当本数を万力の上に並べて輪ゴムで止めます。下の写真のような感じです。複数いっぺんにやらなくても、1本ずつやった方が動きにくいかもしれません。

ここまで来たらほとんど終わったも同然、あとはブリッジダイオードの手つかずの方の足をテープLEDの電極と極性を合わせて半田付けしていきます。ピンセットでブリッジダイオードをつかんでテープLEDの銅板電極の上にそれぞれの側(極性に注意!)の足を乗っけて半田付けします。上のように作成していればそのままブリッジダイオードをつかんで足とテープLEDの電極の位置を合わせて乗っける感じです。

ここから先の手順は前記事(最終作業:テープLEDにブリッジダイオードを半田付け)と同じですので、省略いたします。パチパチパチ。

テープLEDの半田付け準備
ここはセロテープは使わずに輪ゴムを使います。
半田付けしたものから順に抜いて導通チェックしていきます。
不良があった場合には再度輪ゴムに挿入して半田やり直し。
この段階でのやり直しは大した手間にはなりません。

4本まとめてやったように見えますが、1本ずつの方が動きにくく、半田付け後その都度挿入・導通確認した方が確実で結果的に早い気がします。

1本毎に挿入・導通確認

10本完成

 

・銅板電極用銅板(厚さ0.1mm)

銅板はこれが格安です。届くまでに10日程度かかりました。最初から5cmなのが費用対効果絶大に便利です。丸まっているクセはとってやる必要はありますが、その作業はキコキコギリの比ではありません。

銅板 厚さ0.1mm×5cm×1m×2本

 

・ブリッジダイオード

ブリッジダイオードはDB107ですが下記どちらも50個売りで、単価的には一番安いものでもMB10Mのほぼ倍の値段です。

下記2点はどちらもプラスチックケースに入っており、ごく稀に足が折れているものもありますが、基本的に輸送中に折れることはありません。

ちょっとだけ日にちがかかりますが、割安のものからご紹介します。

(Poilee)

より速いのはこちら。品質の差は全くと言っていいほどありません。

(YFFSFDC)

作成初めの頃はどちらも1000円近かったのですが、最近はよりよいお値段となっています。逆にテープLEDが若干値上がりしてる感じです。

 

・高密度テープLED(3灯/2.5cm)白色

今回使用したのは高密度です。安価のものはなかなか見つかりません。特に電球色は殆ど見ません。

(ウィンダー)

今のところ、白色しか見当たりません。

最近は作りが荒っぽく、やや品質が劣りますが、電球色が欲しい場合には下記。

(ヤナカLED)

電球色とはいっても、高密度なのでかなり明るいので要注意です。マスキングテープなどで照度調整が必要です。

どうせマスキングテープで色調整するなら上記ウィンダーの白色を色付きマスキングテープで調整しても同じ手間となります。

車体固有の壁や床板の色にかなり左右されますので、車体に取り付けて光らせてみるとテープLED単独で光らせた場合とかなり色合いが異なりますので要注意。