昨日モハ456T車で設置した室内灯、台車交換で一旦はうまくついたわけですが、その後何度か転がしてるうちに全く点灯しなくなりました。
考えられる接触不安定箇所は1箇所しかありません。
ここです↓。
この当時のKATOのオプションパーツとしての室内灯は11-201という品番で、幌裏側の壁面とバネ電極の間に室内灯からの電極を挟み込む形式です。
当ブログの過去記事でスハフ42の古い方がこれと同じ形式だったので旧スハフ42形式とでもしますか。
壁面とは反対側は開放面となっているので、電極が振動で動きやすく、通電不良になりがちです。
と、いうわけでさらに床板までばらして電極をみてみます。
恐らく、既製品を採寸して自作で作り直したものと思われ、よくできているのですが、残念ながら簡単にくにゃりと変形します。
こちらはKATOのオリジナルです。
この電極と車体壁面の間にテープLED側からの銅板電極を挟み込み、床板集電板側のバネで固定しているものですが、この自作品および純正品も厚さが0.1mmとかなり薄いため、また変形しやすいため、さらに室内灯へ接続する側の電極側は壁面と反対側が押さえるものがなく、開放面となっているため、変形・移動しやすく、繰り返し走行や振動で接続不良に至ったと思われます。
この方式はヨドバシでは2003年ころから販売が開始、2010年に廃止されて11-204という、ほぼ現在と同じ集電方式のものに取って代わられています(販売年代はYODOBASHIのページより、KATOではもっと早くから販売されていた可能性もあり)。あえてより導通の不安定なこの古い集電方式は採用しないほうがよいと思われます。
ならばこの接触形式をやめて、床下で座席板と床板の間で挟んであげれば、少なくとも開放面はないので、まだいくらか安定した通電が得られそうです。
というわけで、このL字型の集電板ではなく、反対側についている床下集電板と同じものをこちら側にも設置して、床下にテープLED側からの電極を挿入してあげればよさげです。
これですね。これと同じものを4個作ってみようと思います。
使う銅板の厚さは同じ、0.1mmのものを使います。というか、このサイズでは厚さ0.2mmでの作業は殆ど不可能です。
で、電極の採寸。
こうやって採寸したものをCADではなく、花子で簡易に作成。
その後の試行錯誤で、幅3mmの部分はどうしても切断幅に誤差が出やすく、わずかでも3mmを超えると床板にはめ込めないことがわかりました。切る時に気持ち3mmの棒を細めに切るとよいです。
一度に2つ切り出すとして、長さ4cm✕幅1cmの銅板で1台車分作れます。
KATO製品とは若干形状は異なりますが、太い方の電極は重りと接触させるだけなのでこの形状で多分大丈夫と思います。こちらの方が量的にも作業的にも効率よく作成できます。
いつもの5cm幅✕1mロールのものから切り出すとして、まずはあとで切り込むラインの線を軽く入れておきます。切り出してからでは至難の業となるので、この段階で入れておきます。左右両端5mmの縦線と上から3mm、4mm、6mm、7mmの4個所に横線を入れておいて、上から1cmのところを切り出します。いつものかけないボールペンでコキコキ。
この写真の例では、途中の筋がちょっと力が入りすぎと思われますが、写真でよく見えるようにあえて深めにしました。なんちゃって。
途中の筋は飛ばして、上から1cmのところで切断します。
4cmあればよいので、両端から5mmずつ切り落とします。次に筋に沿って、上の図面を眺めながら途中までの線を見極めつつ切り込みを入れていきます。
ちなみにハサミはDAISOで売ってる一番小さいやつです。思ったより使いやすいです。
うまくできるかな~と思いつつも順調、順調。
1mm幅の切り落とし箇所をうまく抜ければあとは楽勝です。
つながっている真ん中の幅2mmの棒の中心でバサっと切り離して分離します。
なんとか、うまく切り出せました。まだ全長40mmのままの段階です。
ちょっと長い。ここは32mmで切り落とす予定でしたが、まあいいや、このまま4cmで使います。なんかに引っかかりそうだったら適宜切り落とすとします。
で、床板に設置してみます。
おー。
同じものが並んでいるように見えます。グッド、グッド。
とくに長すぎて差し支えもなさそうなのでこのまま4cmでいきます。
重りを乗っけてみます。
グッド、グッド。重りを介した両側の銅板電極間の導通を確認してOKだったので、今回は銅箔テープは貼らないで置こうと思います。重りもまだまだきれいだし。
KATO 11-201付属の集電板の代用品
ちなみに、KATOの11-201と同じ機能の電極を作成したい場合には、両端5mmを切り落とすのではなく、全体を左端に寄せて、余った1cmで上に曲げる電極板を作成します。この場合、1cm分の銅板からは電極ありとなしの1本ずつ作成されるので、2セット作成することで、1両分が完成します。
前述のとおり、厚さ0.1mm銅板でこの集電板を作成しても、弾性が弱く、接触導通がいまいちなので、あえて既に廃止された改善前のこの方法で作成する必然性は全くなく、上の方法で通電させるのが大吉です。
室内灯作成
では室内灯側です。
リード線を付けているのでこちらは昨日作成したままです。特に変更はありません。
この電極を車体の床の細い穴に挿入してみます。座席板も車体についています。
ちゃんと通過しました。
あとは車体を床板にカパっとはめるだけですが、はめた後に座席を強めに下向きにカチッと音がするまで押してあげないと床板と車体が固定されません。
あ、これはこの車体、モハ456-13の場合です。
複数回、カチっの音を聞いてこれ以上押せないと判断したら終了。
あとは点灯試験のみ。
別にオリジナルの集電板を設置したままでもLED側からの電極を床下にうまく挿入できれば、新たに集電板を作成する必要はありません。作成した集電板に直接リード線をハンダ付けする案が一番良さげです。また、オリジナルのL字の曲がり角より上側部分を切り落としても構いません。いろいろ方法はあると思いますが、要は床下で接触させる案です。
オリジナルの11-201に付属の電極はL字の上向き側の長さが、この前所有者の自作品よりかなり短いので、接触不良は今回の例よりは起きにくい気がしますが、片側が開放端なのは同じなのでやはり通電不良は起きやすいと思います。
旧車体で旧室内灯対応車に新たに追加する場合には、今回の床下通電方式の方が通電不良が起きにくいと思われます。
今回の床下集電板は台車集電板よりははるかに意外と簡単に作成できますので、従来型の接触式ではなく、いっそ作成した集電板に直にリード線をハンダ付けするのが確実です。
現在、このような旧式室内灯はもとより、オリジナルの前照灯・尾灯セットをゲットするのも至難の業です。
KATOの新方式室内灯(11-211)の電極は、狭い箇所で両端固定で2枚の電極を挟み込む形式なので、旧式ほどには通電不良はないと思います。が、それ専用のスペースがない旧型車両には組み込めません。不可能ではないですが、かなりの加工の必要があると思います。
KATOの旧式室内灯対応車で点灯不良があった場合もしくはこれから室内灯を追加する場合には是非ともお試しあれ。