またしても廉価のKATO 5017 オハフ13中古が届きました。比較的状態のよいものです。
素晴らしい。
横面には「・オハフ13 38」と書いてあるそうですが、わたくしの目では全く読めません。
裏側。
ライト側の床下には「5017」の数字が打ってあります。結構シンプル。
ご尊顔。
いい感じです。
これには赤いカニ目ライトがついており、ヨ5000同様、進行方向に向かって後尾のライトが赤く点滅します。片方だけなので、バックしているときには何もつきません。
さて、またしても室内灯をもくろみ、開いてみることにいたしましょう。
最初に台車を二つとも外します。
電極が見えています。
「ライトが付いてない側を外していきます。」
ライトのないオハ12の場合はどちら側からでも構いません。
中央付近から黒い床部分と青い本体の隙間にギターのピック状のものを挟みつつ、ライトがない側に向かって「前後とも、端から2cmぐらいのところに窓ガラスから一体となっているひっかけ爪が白い床をつかんでいるので、ライトがない側のこのひっかけを外すようにピックをかませます。」一個ずつ左右二か所外していきます。現時点ではライト側はまだ外さない方がいいです。
上の写真↑でも識別できる青い本体の4か所の爪のすぐ(1cm程度)内側です↓。
ピックが青い本体とガラス窓の隙間に入りがちなので、窓ガラスよりも内側に突っ込むようにガラス窓を見ながら突っ込んでいきます。うまく内側に挿入できたら、これをずらしていくと窓ガラスのひっかけに到達します(通過してしまったらピックを挟む場所が違っています)。そのひっかけも含めて外すようにピックをかませます。
次に要注意なのは白板に組まれている前照灯部分が青い本体の右側に見える灰色の遮光装置(部屋?)にはまり込んでいるので、無理に外さず、向かって左側、ライトのない側を先に少しだけ引き抜き、向かって左方向(ライト部分方向と反対側)へ引き抜くようにずらしてあげます。ライト側のガラス窓からの引っかけが頑丈に引っ掛かっているようであればこれもピックを突っ込んで外します。
地味にライト側とは反対側のホロの爪もかかっているのでこれも意識しつつ。。。
そうすると青い本体の遮光部屋から灰色のライト基盤がするりと抜けて全体が容易に外れてきます。ここが一番重要なところなので、決して無理して引っ張らないようにします。
ここまでどこも破損せずにばらせれば大成功です。あとは淡々と自作室内灯を追加するだけです(最後の台車のネジは決して強く絞め過ぎないように要注意ですが)。
その前に、少し解説いたします。ポイントをおさらい。
①台車をつけたまま無理に引っ張ると白い床板裏側にある台車を止めるメスネジ部が折れてしまいます。これが折れるとのちのちかなり厄介なことになりますので、まずは台車を外します。次の②、③がうまくいけばついてても大丈夫ですが、まあ外した方が無難です。
②次は窓ガラスのひっかけ爪ですが、これもうっかり折ってしまうと、パチンとはまらなくなりますので要注意です。が、実際には白板の関係各所の方が先に壊れます。ガラス板がはまったまま青い本体を無理に引っ張ると、白い板を黒板に止めてある両端の小さい爪を折ることになり、さらに厄介になりますので、必ず、このガラス窓の引っ掛かりを外すようにピックを挟み込みます。
ここまでは致命的なダメージにつながるので要注意です。
③次に重要なポイントは白い床板に黒ねじで止めてある灰色のライト基盤ですが、ここを青い本体についている遮光室から引き抜かずして無理に引っ張ると黒いネジを止めている白板側のネジ山が破損します。ここは致命的ではありませんが、かなり厄介なことになります。ちょっとうまく伝わるかわかりませんが、持ち上がる方を先に少しだけ持ち上げたら横にずらして引き抜く、ということです。ここもボルト・ナットで代用はできますが、極めてガッカリな破損です。まるで体験したみたいですが。
これはライトのないオハ12(5015)では必要のない作業ですが、ほぼ同様にライトのあるスハフ13(5016)でも全く同様の警戒が必要です。
くれぐれも本体破損の事態は皆無となるように気を付けます。ちょっとした関係のなさそうな破損が、室内灯の追加時の導通にかなり大きな支障をきたすことが試行錯誤の段階で判明いたしました。
◎結論的に最も重要なのは白い板の黒床へのひっかけ爪と台車固定のネジ山をつぶさないことに尽きます。
さて、ライト基盤ですが、黒ねじで白い床に止めてあります。これは特にそのままでも外してもどっちでもOKですが、まあ、そのままの方が無難です。
不安があれば外してもいいですが、組みたてるときには先に基盤から伸びている2本の足を白板の細い穴から下へと挿入する必要があります(ライトの生命線)。先端には床板へのひっかけ爪があるので、ちょっと工夫が必要です。台車を外していれば黒いネジを外すと簡単に外れてきます。いずれのネジも強く絞め過ぎるとバカになりますので適度にやめておきます。
ライト基盤はどちら方向でも点灯可能な電球使用ですが、一方向だけ点灯させるためにわざわざダイオードで極性を持たせています。半田を溶かさないと外れなさそうなのでとりあえずこのままで終わりにします。
はめるときは左に見える2本の足を先に白板の細い穴に挿入してから右側に見えているひっかけ爪を黒板の穴に挿入します。手で押さえてないと抜けてくるので、押さえたままねじ止めします。ここでも強く絞め過ぎないように。台車が付いてるとうまくはめ込めないのでここを外すならば台車は先に外しておくのが吉です。年寄りはくどいね。
ライト基盤とは反対側の本体はこのように、黒い板と細い爪でかみ合って固定されています。これらのどれかを折ってしまうと室内灯への導通性に非常に大きな影響を及ぼしますので、くれぐれもこれらは決して折らないように十分注意します。
ガラス窓のひっかけ爪を制覇していれば大丈夫です。
黒い●穴は台車からのネジ穴です。黒板を挟んで白い床で固定しています。通常はネジはこの穴を貫通するまでには至りません。最後でネジの絞め過ぎでも破損するので要注意です。黒板と白板が固定できなくなります。集電板の導電性も極めて不安定になります。
万が一、破損した場合には、M2×1cmぐらいのネジを用いて白板側でナットで止めることになります(逆でもいいかもしれませんがナットが外よりボルトが外の方が原型にちかいです)。台車の穴がM2ネジよりも大きいので、外径が4mm程度より大きいワッシャが必要となります。修復できない破損ではありませんが、気持ちのいいものでもありません。
M2×10mmとかM2×20mmのボルト・ナットついでにワッシャは常備しているといろいろと修復に使えます。
室内灯用の導電板はこの白板の二本の幅2mmのへこんだ箇所から挿入していきます。
挿入する穴が2mmなので、幅2mmの銅板を挿入していくのですが、2mmをちょっとでも超えるとひっかかるので、1.8~1.9mm目安でいいかもしれません。
挿入は見た目では1cm程度で床板の集電板に届く長さですが、試行錯誤の結果では3cm以上で初めて導通するようです。その理由を探ります。
床下に設置されている銅板電極のサイズはオハ12、スハフ12とほぼ同じですのでその試行錯誤結果に基づきます(スハフかもしれません)。オハ12にはライト基盤はありませんが、それ以外は同じです。スハフ12にはライト基盤があり、ほぼ今回のオハフ13と同じ構造となっています。
KATOのオプションで売られている室内灯には「集電シュー」という幅2mmの導電板が付属しており、上の白板の2mmの隙間から挿入して(3.2cm)床板上の集電板と接触させ、これのくの字のところで電球(LED)側からの電極板を接触させるようになっています。
自作室内灯ではこの集電シューと電極を1本の銅板で代用することになります。
KATOの古い室内灯(11-204)は電球が入っています。電球なのでブリッジダイオードは不要です。天井に配置した分光板で室内全体に光が届くように工夫されています。
こちらは現行品。その名のとおり、LEDを使っています。光源が変わった以外では分光板の構造も若干違っています。
白色用。
同電球色用。
どれでも使えます。
さて、本家の集電シューの挿入時の状況ですが、挿入した状態でばらすとこんな状況になっています。
集電シューの長さは曲がり角から先端まで(挿入している長さ)32mmです。一番先端で最も集電板に近づくように白板が徐々に突起しており、先端はというと黒板側の集電板に見える黒い小さい押さえ穴●から5~7mm程度手前のところでしょうか。
自作室内灯では集電シューの代わりになる銅板を作成してここまで挿入してあげる必要があります。集電シューの厚さは0.15mm程度あるので、厚さ0.1mmの銅板で作成すると若干薄いことになりますが、同じ長さ+α付近まで挿入できれば特に問題はありません(α=0.8~1.2cm程度)。
挿入長さ4cmを目指して銅板を加工します。半田部を0.5~1cm弱としても全長5cmあれば十分そうです。
挿入しない外側の形状は半田づけができれば特に縛りはありません。
ブリッジコンデンサから直接銅板を半田付けで持ってくる手もありますが、結構挿入作業や組み立てがしづらいです。そこで、ここではまたしても超極細リード線を使用したいと思います。
ここから先は、幅2mmの導電板の長さを5cm程度にして、ヨ5000のスタディがそのまま適用できます。今回は真ん中で二つ折りにはせず、2mm×5cmものをそのまま挿入します。2.5cmでは二つ折りでも導通しませんでした。
というわけで、さっそくつけてみました。まるでザリガニ。
こんな感じです。で、早速車体に挿入してみましょう。
では、点灯テストです。まずは入れっぱなし、ひねったりもじったりしないでそのまま挿入した状況です。4cm程度だとついたりつかなかったりしてたので、5cmにしてみましたが、どうでしょうか。さて、一発でつくかどうか。
おおおっ!
一発でばっちりです。
*10本に1回位は導通しない場合がありますが、その場合には一度引き抜いて「へ」の字みたいに先端を軽く下向きに曲げてあげると確実に導通します。軽くです。
先端の角を落とすのもかなり劇的に挿入しやすくなります。
ちなみに、黒板にへばりついている集電版を変形させていたりすると、4cmを超えたあたりに存在する黒ポチのところで引っ掛かったりします。すでに導通しているはずなので、5mm程度先端を切断しても大丈夫と思います。先端5mm程度を上向きにするのもありです。キコキコやってれば入ったりもします。
やっぱり銅板の長さは5cmが安定して点灯するようです。
これに決めたっ!
ちょっと前後が暗いですね、これも高密度12.5cmの方がいいかもです。12.5cmの例はキハ20の末尾の方で解説しています。
あとは走らせてみてちらつきがないかどうか。
走らせてみてちらつくようであれば、大抵は車輪のゴミの場合が多いので、ルーペなどでよく見てみます。中古で購入の場合は結構黒い筋状のゴミが付着しているので、これらをうまく清掃します。
とりあえず、今日のところはここまでです。
大成功!
この車両、電球色の方が似合いそうです。
10系客車は古い製品ではありますが、まだアマゾンで売ってるようです。かろうじて新品も混じっているようです。
ちなみにスハフ12。
新品でも最安値送料込みで2000円程度ですね。
ライトなしのオハ12。
ライトなしにも関わらず新品価格が結構高い。
ちなみに、同じライト付きスハフ12とオハフ13は車体下側が異なります。
本体の横面に「・スハフ12 151」と書いてあるそうですが、わたくしの目では全く読めません。
スハフ12のご尊顔は、
おおお、素晴らしい。全く同じ。赤いカニ目まで全く同じ。
ご尊顔にはオハフ13との違いが全くありません。
屋根の左上にある灰色のポチの有無が唯一の違いでしょうか。何でしょうか、これ。
渋いです。かっちょええです。
ついでなのでオハ12もご紹介。
側面には「・オハ12 196」と書いてあるそうですが、わたくしの目では全く見えません。
ライト部分がないこと以外は車体下部はオハフ13と全く同じ配置となっています。
正面と裏面は同じで、連結前提のシンプルな構成。ホロはしっかりついています。接着はされていません。分解にあたっては先に外しておくとよいと思われます。
どちら側も同じ顔でライトはありません。
オハフ13とスハフ12もライトのない方はこういう顔です。
この3種組み合わせでオハ12が複数あると、蒸気機関車と相性ばっちりです。
室内灯は当然電球色で。
現在購入できる台車は同じ車軸間隔で若干台車カバーの形状は異なるものの、以下のものが使えます。カプラー先端までの長さもほぼ同じ。
まあ、台車は破損・紛失することはめったにありませんが、安価なので導通試験用などにワンセット所有しておくとします。ちょっとワクワク感↑。
アマゾンの写真、台車カバーの形もわかる写真があればいいのですがねえ。
オハフ13の台車と比較してみました。左が11-035、右がオハフ13の台車です。
台車カバーのカクカクしい左のが11-035、斜めに下がっている右のがオハフ13です。
上、下から見ると違いが全くわかりません。寸法もほぼ同じ。
イヤ~、鉄道模型ってホントにいいですねえ~。